2019.1〜2020.1

(2019.8.14 道端)

 2019年1月から2020年1月に公開された私が作った曲について書こうと思います。とは言え、曲を聴いて何をどう感じるかは聴き手に委ねられる楽しみですから、曲の解説を私がゴリゴリに押し付けていくのはダサいと思っていますのでそういった内容は避けて記述して行きたいです。(怪文書の気配)

バラの花(1月6日)

 2018年4月に公開したエア頒布物( https://nico.ms/sm33016919 )に収録していた曲を微調整したものです。この曲の詞は愛が無いと生きていけねぇ…っていう主観が熱りを保っている内にザッと書き終えたので、いざ客観的に見てしまうと少し気恥ずかしいです。
 イントロで1度下に転調するのが心地良くてお気に入りです。この部分のピアノの主題がボーカルが入ったサビでも繰り返されているので主旋はボーカルじゃなくてピアノかもしれません。またラスサビ前に一瞬テューバの音を使っています。あの楽器にはトラウマがあったりなかったりするのでこういった重大な場面に使うのは勇気が入りました(超個人的感想)。
 映像は以前から交流のあるshikuちゃんに完全にお任せしました。彼女にはblanc( https://nico.ms/sm31984127 )でもイラストを描いてもらったのですが、毎度私のイメージに限りなく近い物をいただけるので感謝と尊敬の意が満ち満ちています。

漂白(3月1日)

 半年くらい温めていたメロディを書き起こしてみたらめちゃめちゃ思い切った変拍子でした。言葉に破綻が無くキャッチーなのでお気に入りです。八分音符で数えて6+7+7+8でワンセットです。是非歌ったり踊ったり全身で楽しんでください。
 曲に自分で弾いたギターを取り入れるのは初めてだったので勝手がわからず、上手く弾けたかな?と思えたテイクを継ぎ接ぎしました。初めてなので許して下さい。
 ボーカルにはカゼヒキ君の薬箱(統合音源)を使いました。今にも絶命してしまいそうな悲しい歌声が嘆かわしい詞にぴったりだなと思っております。カゼヒキ君歌が上手すぎて彼に歌わせると大体いい曲に聞こえてしまう(気がする)。
 イラストは以前よりお世話になっている絵描きさんの、まりもさんに書き下ろしていただきました。曲を聴いてもらいそのイメージで自由に描いてください(要約)とお伝えしたのですがアナログ絵の掠れて消えてしまうような儚い雰囲気が素敵な女の子の絵になりました。自分の「音」の創作から次元の違う像が生まれるこの過程にはいつも静かな興奮を感じます。

金木犀の夢は(4月20日)

 バーチャルYouTuber(以下、Vtuber)の橋本真実さんにお声掛けいただき提供した楽曲です。
 ネットの海から私を見つけていただきありがとうございます。私はVtuberというジャンルへの興味があまりなかったのですが彼女をきっかけにジャンルへの認識を改めることになりました。
 楽曲制作は詞のテーマと楽曲全体の雰囲気を共有し、スムーズに進行しました。人に提供する楽曲なので親しみやすい4拍子で作ろうと心に決めて制作を始めましたが気づいたらBメロが7拍子でした。ごめんなさい。複数のボーカルを重ね2分3連を多用した少し難しいメロディも指示通りに収録していただき、共に納得のいく作品が出来上がったと思っております。
 この楽曲を皮切りに4拍子スランプ(4拍子の曲が作れなくなる不調)に陥ってしまいます。呪いですこれは。

carmine cinema(6月1日)

 メロディに当てはまる単語を並べて作ったサビから構想を広げていった曲です。映画を観終わったこの曲の主人公が駅から帰って、路地を自宅へ歩いて帰っているときって情景をなぞりました。Aメロは詞先で作ってます。何やら物騒な単語の羅列ですがそれらは暗喩的に置いたモチーフで犯罪的な意図はないです。
 雨歌エルさんはベタ打ちだとかわいい歌い方しますがしっかり調声すると力強く凛々しい歌声を響かせてくれます。優秀ですね。
 映像は活動初期から交流のあるsaigawanと都良さんのユニットEstrellaに依頼しました。共に成長してきた戦友です。

北へ(7月27日)

 あずさん主催のゲキヤク・カゼヒキ2ndコンピレーションアルバム『原罪の聖餐』に提供した曲です。(動画から引用したイラストはくるくる数字さん作。いつも通り素晴らしいです。)
 このコンピには中世ヨーロッパという裏テーマがあり、詞や音作りがかなり難航しました。結果、カルト村から逃げ出す少年の架空の伝記と5拍子の緊迫した雰囲気の曲ができました。黙って見逃してください。ボーカルに起用したカゼヒキ鎮痛剤君が諦観に浸った最高の歌声をくれました。

花がらな現に(9月24日)

 橋本真実さんにお声掛けいただき、3部作の2曲目として提供した楽曲です。
 橋本真実さんの活動はライブ配信等の、トーク力がモノを言うVtuberのメインストリームから少し離れています。しかし彼女は着実に音楽と映像に重心を置いた動画の投稿を続けているVtuberです。(個人的には、彼女の世界へのアクセスを動画投稿を通じて提供している、という説明が府に落ちています。)
 金木犀の夢はが躁だったらこの曲は鬱です。ポップを全く意識せず作ってしまったのでやりすぎたかな…と思っていたのですが気に入っていただけたようで良かったです。

夢現(12月31日)

 橋本真実さんにお声掛けいただき、冬コミで頒布するアルバム用に提供した楽曲です。テーマ共有の際にリファレンスが提示されていて、それが底抜けに明るく楽しい雰囲気を持った楽曲だったため、今度こそキラキラしたポップスを求められているのだと確信しました。厳しい。前述したとおり4拍子スランプの真っ只中だったため中々メロディが書けず昼間に散歩しながら考えてました。
 Aメロ1回目は金木犀の夢は、Aメロ2回目〜Bメロは花がらな現にをモチーフに伴奏を組み立てています。
 また、「真実は此処にある」という歌詞がここだ!という所にバチーンとハマってくれたのでかなり気に入っています。

しあわせなこ(1月24日)

 あずさん主催のUTAUフリーコンピレーションアルバム『兇焉の深淵』に提供した曲です。今回はいつものキャラクターベースのコンピではなく、コンポーザー×絵描きのコラボレーションをメインにしたコンピでした。
 悪役とか罪人がテーマと伝えられいたため、誰かの苦痛や不幸のおかげで私達は幸せなのだなあなどというぼんやりとしたテーマで詞を書きました。周りは闇属性のカッコいいやつを作ってくるんだろうなと勝手に予想していたのであえてローテンポの光属性で目立ってやるって思ったら意外と周りも捻ってきててバラエティ豊かなコンピレーションになりましたね。
 イラストは抽選により、以前から交流のあるるりるさんとマッチングしました。何も言わずとも光属性を汲み取れるのすごいな。とてつもなく筆が速い方なので大変助かりました。
 ボーカルには以前から気になっていた惑音タダメさんを起用しました。今回使用して思ったのですがボソっと呟くような聞き取りにくい歌声が特徴的なのでシューゲイザーとか似合いそう。

おわり

 2019年は以上の8曲を作りました。転居や学業に追われて創作活動が完全に止まってしまった時期もあったのですが、なんとか1年間乗り越えることができました。
 最後まで読んでくれた熱心な方に嬉しいお知らせがあります。

お知らせ①
2020年3月21日に2ndエア頒布物「其処にあるカラフル」をboothにて公開します。続報をお待ちください。

お知らせ②
2020年4月5日に開催されます君とUTAU日々4に、サークル「優しい水槽」で参加いたします。新譜のミニアルバム(①のエア頒布物とは別のものです)を持っていく予定です。こちらも続報をお待ちください。

 前から出す出す詐欺してすみません、大変お待たせいたしました。どちらの曲集もバチバチに気合入れて作ってますので、ご期待下さい。

 それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

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