carmine cinema
テープを切るためのナイフの刃、
テープの端が残る肩
雨上がりの空を、水溜りの蒸気を、
鼻腔に抱きしめて歩いていた
花柄の傘は駅で失くしたわ
そのまま遠くまで離れてしまう
砕けないように笑っていれるわ
嘘でもいいのだって痛くないから
ささめく街路樹と、蜜を吸う夜光虫を
見下ろす蛍光灯、目を逸らして
寂しさも忘れた、虫に喰われたような
星のない夜空は、戻らなくていい
漏れ出した赤が溢れてしまうわ
忘れてしまえよ まだ刺さってるんなら
傷口に粉を自由のくすりを
乾いていないのまた崩れてくなら
体を委ねて、フィルムの向こうへ
ここでは不幸な人はいない
花弁は閉じて夜が地に降りる
夕顔がうとうとと涎を垂らす
花柄の傘は駅で失くしたわ
そのまま遠くまで離れてゆけ
(オフボーカル https://drive.google.com/file/d/1hb9q5Lfq0FKXlQKYAMXaysyY592O8L4X/view?usp=sharing 使用に際してはこちらのガイドラインをご一読ください→https://note.com/namazuune/n/n156b52157679)