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苦手なこと

 寝るのが苦手です。もう9000回以上やってきたのに。
ここのところは素面では空が白む前に寝れることは少なくなってしまいました。

 寝るのが苦手とは言いましたがそれは正確ではありません、寝るタイミングが苦手なのです。だらだらYouTubeを見たり本を読んだりインターネットザッピングを無限に繰り返し窓から日の光が入り始め仕方なく目をつむり1.2時間ほど空想に耽ることが常となっています。
もちろん酒で泥酔してしまえば寝れるのですがそれは睡眠というより長めの失神です。
そもそも寝るという行為は疑似的な死でなのです。それを容易く行えるというのは肉体が疲れ果てているか脳が限界を迎えているときくらいなものでしょう。大して疲れもしていない私が寝るというのは、なかなか難儀なのです。

 だが決して寝るのが嫌いなわけではありません。寧ろ好きなのです。
 一度寝てしまうと今度は起きるのが苦手です。とりとめのない夢を見ながら寝返りを打っている時間こそが人生において最重要なのではないかと思えるほど稀有かつ安価な娯楽、生命活動だとすら思えます。あえてスマホのアラームを30分毎にセットして夢を見ては起きる、夢を見ては起きるを繰り返し様々な世界を旅するのは全く生産性のない素晴らしい行為に違いありません。 
 
 しかし最近は歳のせいかそんなに眠ることもできなくなってきてしまいその遊びも二回くらいで完全に目が覚めてしまうようになりました。起きないでいるのも苦手になりつつあるんですね。


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