クチャラーならクチャラーなりの配慮を持ってください

クチャラーというのは残酷なもので、相手を完全にノックアウトさせてしまう凶器である。
私の隣の席の男は食べる音がスピーカーの如く響く。悪いように言えば、死んでほしいくらい気持ち悪い音がするのである。今は黙食の時代なので専属ASMRかってぐらい気にし始めれば音が入ってくるわけだ。私はできれば、彼から遠ざかりたいのだが、それはなかなか難しい。まず、席を移動する。少し前までコロナが広まって椅子がすきすきだったので借りれたが、今は全員集合してしまっているので借りることができない。また、その様子を先生に見られなどしたら確実に怒られるだろう。
ということで、我慢して食べるしかないのだ。彼自身はなにも気にならないのだろうか。彼はいつもイヤホンをしている。カナル型（耳にギュッてするやつ）をした事がある人はわかると思うが、自分の声が嫌ってほど入ってくる。だからきっと、私以上に自分の咀嚼音が入ってきていると思う。それに関しては気持ち悪くないのだろうか。もし聞こえてないとしたら、爆音ロックでもかけているのだろうか。それとも、自分のくちゃくちゃ音を掻き消せるレベルのyoutubeを観ているのだろうか。
誰もが思うだろう。お前がイヤホンをしろ。確かにそうだ。私は咀嚼音には気を遣っているので自分の返ってくる音で不快になることはない。しかし、私が持っているイヤホンは外界の音が入る穴の空いているイヤホンだ。つまり、イヤホンを使っても音は消えないのだ。残念ながら、イヤホンでは回避できないようだ。他に解決策はあるだろうか。考えてみた。ない。解決策はないのだ。なので、あとは席替えの日を待つだけだ。もし、もう一度隣になってしまったら、私は新しいイヤホンを購入することを検討するだろう。さすがに、この音には耐えられない。とはいえ、席替えまであと1ヶ月くらいある。私は一体どう耐えて乗り切るというのだろうか。