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Einheit 感想

8月21日から23日までの3日間、富士急ハイランド・コニファーフォレストにおいて「BanG Dream! 8th☆LIVE 夏の野外3DAYS」が行われた。僕はその中で1日目に行われた「Einheit」に現地参戦をした。

今回は、コロナ禍というかなり特殊な状況下にあるので参加しないという選択肢も当然あった。それでも行こうと思ったのにはいくつか理由がある。まず一つ目は、僕の好きなバンドであるRoseliaのライブであるということ。これはまあ、ある意味当然と言えば当然である。わざわざ高いお金を払って好きでもないバンドのライブを観に行く理由はあまりない。二つ目には、観客が声を出せないライブってどんな感じなのかを実際に体感してみたかった、というのがある。スポーツとかではテレビをよく観るし、実際に現地観戦もしてるからなんとなくの感じは分かってる。でも、スポーツと音楽では少し違う。特にバンドリに限らずアニメ関連の音楽ライブは、コールアンドレスポンスが入ることが前提になっている感じがある。それを封じられたライブはどういう形になるんだろうっていうのは、自分自身で観てみたかった。

そして、最後にもう一つ。それは僕が富士急ハイランドにまた行きたかったからである。いやまあ、半分は冗談なんだけど。でもこれはすごい大事よ。物販行ってからライブ開始まで結構時間があることが多いからね。その間の暇をつぶせる場所があるかどうかは地味に重要。それに普段行かないようなところに行けるのもライブ遠征の魅力だしね。

現地参戦した理由はこんな感じで、ここからは実際に行って感じたことをいろいろ書いてみる。まずは物販について。僕はあまりグッズを買わないタイプで基本的にはライブTシャツとペンライトしか買わないのだが、この両方を買えたことが1度もない。特にTシャツの売り切れ率がかなり高かった。また、去年の富士急のときに整理券の待ち時間見込みがまったく合っておらず、予定が立てにくかった。また、並んでからの待ち時間もかなり長くて、すごくイライラした記憶があった。そんなわけで、正直バンドリの物販にはあまり期待していなかった。……のだが、今回はめちゃくちゃスムーズだった。ブシロードやればできるじゃねえか、なぜこれを前からできない。今回はQRコードを利用した整理券配布で、順番が来たら読み込んだページに表示されるという形だった。なので入場可能になっている番号をわざわざ物販会場まで確認する必要がない。また、今回は入場してから10分弱で購入まで行けたので、待ち時間もかなり短かった。観客数が少なかったことも要因の一つではあると思うけど、この快適さをできるだけ維持できるようにしてほしい。あとペンライトは発売がなかったけど、Tシャツは武道館以来に買うことができた。せめてTシャツくらいは売り切れないようにしておいてほしい。

そして富士急ハイランドのアトラクションを楽しみつつ時間が来るのを待って会場入り。会場までの道から入場口を越えるまで、ずっとスタッフが距離を保つようにというのは言い続けていた。あとは物販の時からだったけど、とにかくアルコール消毒が多かった。そのあたりはかなり気を使っていたように感じる。そして、特徴的だったのは座席の配置。座席は座る席と空席を交互に並べた形になっていた。そして後ろの列はその順番が逆になってというのを繰り返した配置になっていて、すべての座席が前後左右に誰もいないような形が作られていた。なので、快適さという意味では今回のほうが良かった。隣の人を気にする必要がないし、前の人でステージが見にくいというのも少なくなるから、当然と言えば当然のような気もする。

まあ、そんなこんなでライブ開始。今回はちゃんとセットリストを予想してみたけど、スタートは完全に予想を裏切られた。まさかのD4DJサプライズ。D4DJのユニットである「Merm4id」がカバー・オリジナルを2曲ずつで計4曲を披露。正直なことを言うとD4DJは完全ノータッチだったので、ノリもあまりよく分からず、ちょっと戸惑ったまま最後まで行ってしまった。

まあ、そんな感じで始まったライブではあったけれど、全体としてはかなり熱量の高いライブだったように思う。演奏時の観客の反応については、スポーツを観ててなんとなく予想はできていたけど、声を出せない代わりに拍手と手拍子で反応していた。拍手が歓声の代わりだったりするので、ここで拍手するの? みたいな場面があったりしたけど、それもこういう環境だからこそと思うと、ちょっと面白かった。あとは、歓声ゼロだったにも関わらず熱量は全然変わらないように感じたのは普通に凄かった。スポーツ観戦しているとテレビでも現地でもやっぱり違うなと感じたけれど、このライブではそうならなかった。これは自分が体感した感覚で言うと、ステージの演出でカバーしてた部分もかなりあったし、観客にもまだペンライトという感情を表現する道具があった。このペンライトっていうのがステージの熱量を支えるうえで、かなり大きかったように思う。

今回のセットリストは7~8割くらいは予想通りだったので、そこは結構嬉しかった。ただ残りの外れた部分が完全に想定外の内容だったので、そこはちょっと悔しい。開幕と後半1発目の新曲は予想通りだったけど、開幕が『Avant-garde HISTORY』で後半1発目が『Break your desire』ということで、曲の組み合わせが逆だった。ここに関しては衣装のことまで考えれば、たどり着けた気もするのでそこは反省点。アンコールの予想は完璧だったね。『Song I am.』で入って、『熱色スターマイン』で花火を上げながら締める。完全にイメージ通りだった。

それに対して大きく外した点でいうと、まずカバー曲がなかったこと。単独ならやるだろうと思ったけど、ここは完全に読みを外した。あとは序盤だったのもあるけど『Ringing Bloom』はかなり衝撃だった。この段階ではカバー有り想定だから、枠が足りないから絶対にないと思っていた。ただ、個人的には好きな曲なので嬉しかった。あとは、『“UNIONS” Road』は絶対やると思っていたのでそこも驚きだった。やっぱり時間足りなかったのかな。この曲以外のアルバムから外れる予想は全部当てたし、アルバム外から入る予想した曲は全部入ったので、このあたりの読みは悪くなかったと思う。あとは、さっき挙げた『Ringing Bloom』なんかがそうなんだけど、意図的に手拍子が入る曲を多めに入れたのかなというのは、後々振り返ってから感じた。

こうやってライブに実際行ってみると、予想通りな部分もあれば、イメージとは違った部分も当然あったりして、やっぱり体験しないと分からないことっていうのは多いと感じた。今回は観客である僕たちもそうだけど、主催者側だってかなり未知な状態での開催だった。コロナ禍が本格化してからこうやって大きい規模でライブを開催するっていうのは、ほとんど初めてなんじゃないかな。少なくとも前例がほとんどなく手探り状態の中で準備を進めていたはずなので、相当難しかったと思う。出演者のライブ中や終わった後のコメントとかを見ても、かなりの苦労だったり、精神的なきつさがあったことがうかがえる。そんな中でこの舞台を作り上げた出演者やスタッフにはただただ凄いという言葉しか見つからないし、本当にありがとうという感謝の気持ちでいっぱいである。そして、僕は今回の事例をモデルケースとすることで、この状況下でもできるライブエンターテインメントを少しつ増やしていくことができたらなと思っている。


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