時系列⑥

5月6月は忙しいと、今後の週末の出張予定を聞いていたけど、その週の翌週は帰ってくる予定だった。
5月2日午後
次女のSが高熱を出した
その日の夜は両親の行きつけの居酒屋の周年イベントで、夫も含む家族で行く予定だった
私が行かないと言うと夫もめんどくさがって行かないと言いそうな予感がし、その流れで長女も行かないことになったらさすがに6人中4人当日キャンセルは避けたいなと思った私は、まだ微熱の次女を留守番させ1時間ほどで帰ることも考えていた。
ただ17時頃急に38度以上になったので夫に報告し、結果的に私と次女で休日診療に急遽行くことにし、イベントには夫、長女、両親の4人で行ってもらうことにした。
何かお土産買って持って帰ってくるよ、と声をかけてくれて、夫は心配しつつも穏やかだった。
イクメンブームの昨今ではまだまだ土俵に立てないどころか両国国技館の中にも入れないが、夫は少しずつ父になっている感じがあった
夫の反応を見て、ホッとしつつも病院へ急いだ
休日診療は案の定混雑していて、自分たちの診察がいつ回ってくるか見当もつかなかった
2時間ほど車で待機した。その間、お腹空いたね〜と二人で話して、帰りにコンビニ寄って食べたいもの買おっかと話していた。そこでお土産を買ってくると言っていた夫を思い出し、何を持って帰ってくるのか電話で聞くことにした
夫にかけても出ないし、長女にかけても出ない。おかしいなー、二人ともいつもすぐ出るのに
と思ったら4分後夫がかけ直してきた。そこでお土産の内容を聞き、こちらの状況を説明した。あちらもそろそろ帰る頃らしく、お土産だけでは足りないと思うから、帰りにコンビニで何か食べたいもの買ってきてあげると言われたので、ゼリーなどをお願いした
その直後、Sはコロナにかかっていたことが判明
ショックの勢いで夫に
S、コロナだった
とLINEした。すぐに返信が来るかと思ったら既読もつかなかった。
30分後の21:00近くにようやく帰宅。
夫からはまだ返信もなく、留守だった
長女に聞いたら、
コンビニにまた買い物行ったよ
と言った。
コロナなの、聞いた?と長女に聞くと、パパから聞いたよ!と言った。
LINEに既読はついてないけど、見ていた(通知とかで?)ことはわかった
''何買いに行ったの??"
"とりあえずシャワー浴びるね"
と、夫にLINEした
1分後に返信
"言われたもの買ったよ"
と来たので、すぐに帰ってくるのだろうと思い
"シャワー浴びるからゼリーだけSにあげておいて"
と言ったが、シャワーから出ても夫は不在でSはゼリーをもらった様子はなかった
2階に降りるとリビングに母がいたので状況を説明、隔離生活をどうするかと言う相談をし、キッチンにお土産とコンビニの袋を見つけたので手にして3階にあがった
あんなに普通のカップヌードルがいいって言ったのに、ゆず塩味の大きめのカップラーメンを買って来ていた。私の好みであろうものを選んできてくれたんだなとは思ったが、全然カップヌードルが食べたかったのに。
買い物したのにまたコンビニに何か買いに行ってるってなんだろ?と思いながらも、Sにゼリーを食べさせたり、私も食事をとっているとようやく夫が帰宅していることに気づいた
何してたの?
と聞くと、
仕事の電話してた
と答えた。
若干の違和感はあったが、そんなことくらいしかこちらも予想できなかったので、だから連絡がなかなか取れなかったのかと軽く納得して、夜はどう隔離して寝るかという話をした
2時間以上車でSと一緒にいた私も感染しているという見込みで、その晩は別々で寝て、夫は翌朝すぐに東京にもどった。
そして、仕事に穴を開けられないから感染したら困るという理由で翌週こちらに帰る予定を取りやめ(こちら的にもお世話が必要な人が一人増えると困るので好都合)、東京での会食だのの予定を新たに入れていた

それゆえ、それ以降予定よりも長くこちらに帰ってこないことになった。
Sの病状やこちらのみんなの体調の様子、弟夫婦の誕生日祝いの件でLINEでちょくちょく連絡を取りながら、20日にしか帰れないと言われたので
ながぁ、(そんなにいないの?という意味)
と私が返したからか、多少気にしていたらしい。
5/12
珍しく夜中に電話がかかってきた。夫は飲み会のあとで上機嫌だった

寂しいかなと思って〜!
なに!?びっくりしたじゃん、また財布落としたのかと思った!
違う違う、流石に帰らなすぎかなーと思って。こんどの日曜、一泊だけ帰れそうだから帰ってもいい??
ほら、お中元にとどいたうなぎ食べようかな?
うん、いいけど、スケジュールしんどくないの?無理しなくていいよ?言ったとおりうなぎは冷凍したからいつでもいいし
いやいや、、、今ね、また会食の帰りなんだけど、ふと思ったんだよねー、帰らなすぎでちょっと悪いなぁと思って。
あ〜、親??(同居中)別に気にしてないよ、忙しいんだなぁーって言ってる
そうなの?まぁそれもあるけど、お前寂しくないかと思って、、生理??
いや、ちがうよ
じゃあ帰ろうかなぁー!うなぎ食って、精力つけるかぁー!
ははは、じゃあ、帰れそうだったら連絡して
わかったー!たまには電話する!?
え、いいいい!忙しいし夜中でしょ!寝てるから!また財布落としたかと思って心配になっちゃう
あっそーじゃあ電話はしない!もうしない!いいね!?
はいはい、おやすみおやすみ〜

ざっくばらんに話した夜を堺に随分と変わったもんだ。ふぅ〜やれやれ、と思いながらも、私の心は穏やかだ。夫が優しいと心がギスギスせず、穏やかでいられる。帰ってくるのが死ぬほど嫌な夫の状態もあるが、この状態の夫なら受け入れられるし何なら喜べる。

5/16、夫が忙しいスケジュールをぬって一泊のために帰ってきた。
うまいうまいとうなぎを食べて満足気、上機嫌だ。
食卓で急に娘との会話の中で、ママは40になるのに綺麗だよ!40なのにこれはすごいよ!
などと褒めてきたりした。
40なのにが余計すぎて全然嬉しくない、、が、こんな褒め言葉も機嫌が良く今の関係性だから出てくる言葉だ。珍しく(久々に?)母を褒める父の言動に娘たちも引いていた。
苦笑いをする私をよそに私を肯定し続ける夫。
わかったわかった、、今日スルから大丈夫だよ、、と、そんな好意的な言葉も性欲と直結しているようにしか見ることができない歪んだ私はドライな反応しかできない。

行為中にも愛の言葉のオンパレードだった。
もちろん冷めきっている最中はそんな言葉一言もない。
会いたかっただの、心配してる?だの、大丈夫だよだの、愛してる、スキ、そして私の返事待ち。
うん、わ、私も。すきすき、うんうん
ちゃんと言えよ〜!
という感じ。
久々のラブラブな雰囲気に戸惑うし、またいつ亀裂が入るかわからないが、とりあえず今を楽しもう、という感じだった。夫の気まぐれに振り回されるのは慣れている

東京に戻る朝は仕事モードになるのでいつも急にクールになる。もうギスギスしてる空気もなくフランクにいつも通りに、夫を駅まで送った。
次に帰ってくるのは同じ週の木曜日だ。

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