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システム

人生は分岐する。これはもう仕方ない。偶然も、必然も関係なく、出会った人やその信条に、大きな影響を受ける。影響をうける側の我々の感受性やキャパシティーも多種多様で、思考と思考が結合し、好き / 嫌いとか、賛同 / 拒絶とか、そういう結果になって結論が決まっていく。

そもそも人との出会い自体が、自分の選択がもたらした結果のひとつで、就職や転職はその典型だろう。自分が心を燃やせる、もしくは燃やさずに安住できる、またはそのいずれでもないその人なりの選択軸で、選んでいる。選んだつもりになっている。

でもおそらく、実は選んでなどいない。どちらかというと、選ばされている。紛れもない自分自身が開発したシステムに。自分が選んだ言語で、フレームワークで、過去に出会った人たちに優先順位をつけ、認めた相手とその場限りのスクラムを組み、ときにチームをリファインして、今日まで生き延びて積み重ねてきた自分だけのシステムがある。それは電源もいらず、充電もいらず、全自動で動き続ける。そして重要な場面で、わたしに選択をさせている。さらに、選んだ気分にさせている。

それは論理的には抵抗ができない。言語的でもない。自分の中で動いているシステムの存在を理解できている人がどれほどいるのだろう。

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