.com Master ADVANCEを受検して

いろいろあって.com Master ADVANCEを受検しました。
受検にあたって自分もいろいろ調べましたが、特に2022年10月に改定されてからの受検体験記みたいなのがなかなかなかったので、誰かの一助になればと思い書き起こしてみることに。

自分の履歴としては
・IPA 応用技術者試験(AP)午後1点足らず不合格の経験が1年前
・お仕事上ping飛ばしたりipconfig叩いたりは業務でも日常でもよく使う
・情報セキュリティマネジメント試験に2ヶ月前に合格
・PCの自作経験、家にWi-FiルータとNASを設置経験あり、ただしWi-Fiルータの設定はよくわからずにあまりいじってない。
こんな感じです。

受検は最初10日後に設定してました。
APの知識もあるし、おさらい感覚プラスちょっと知識の肉付けをしてでさくっと取ってしまおう、みたいな軽い感じで始めたのですが、いざ教科書を開いてみると結構ネットワークの深いところまで出てきてびっくり。
あとIPv6も結構ガッツリ出てきます。
秋に受ける情報処理安全確保支援士のテキストも持ってますが、IPv6に関しては.com Masterの方が詳しいくらい。
あとはNTTらしく一般家庭用のFTTHや家庭用ルーターの機能、Wi-Fiの仕様なども内容に含まれてます。
思ったより「こりゃあマズイな。てか自分よくこんなあやふやな知識でAP受検してたな…」ってことに気付いて、結局、最初に設定した受検日から2日ほど先延ばしして勉強期間約2週間になりました。
受検日の3日前までなら受検日や会場の変更が無料で出来るので、何かあれば活用することをオススメします。

勉強の仕方としては、まず.com Masterから配布されている模擬テストをコンビニで印刷。400円くらいだったと思います。
それを解いていって、引っかかった問題をテキストを見ながら復習する感じ。

使用したテキスト
.com Master教科書 .com Master ADVANCE 第4版
Amazonのリンク

購入したテキストはこれだけです。
こちらの教科書、付録に本番に似せた模擬問題が5回分ついてきます。
(ただしDLするには出版社への会員登録が必要)
テキストを1周する、という根気のいる作業が割と(
嘘です。とってもです)苦手な自分、模擬問題を解いて、知らない言葉はその場で別に紙にメモる、間違えたところと合わせて知らない言葉を見直す、というルーチンを回してました。

試験勉強の仕方とかでもよく見るのですが、苦手を埋めるより得意を間違えない勉強の方が自分には合っていたみたいです。
俗に言う、捨てる部分を作るってやつです。
ネットワーク系のところは落としたくなくて、反対に電子書籍のフォーマットや検索の種類など、いわゆるIPA試験では出ないだろう一般的な知識のところは捨てました。
元々、この検定を受ける目的が秋の情報処理安全確保支援士受検のためのネットワーク知識への足がかり的意味合いだったため、その試験に出ないこの辺は捨てたという感じです。
でも午前Ⅰの問題の補足になってくれたらいいなーという目論みがなかったわけではない。
そんな感じで模擬テスト6つを2周しました。

それと合わせて、テキストの言葉だけで分かりにくい部分は動画の力をお借りしました。
YouTubeスゴイですね。無料で勉強させてくれるチャンネルがたくさんありますが、自分がよく見ていたのは「まさるの勉強部屋」と、「情報処理技術者試験・高校情報教科対策の突破口ドットコム」の2つのチャンネル。
実はAP受検の時、スタディングとitecの通信教育を受けたことがあるのですが、正直それより全然使えたし繰り返し見ました。
秋に別の試験を受けるので、まだお世話になってます。有り難い。

あとは目安になる正答率ですが、これが地味にきつかったというか。
この試験、「当てはまるものすべてを選べ」とか「当てはまらないものを2つ選びなさい」など、1つの問題に答えが複数ある感じなんですね。
だから模擬テストや模擬問題の点数を出すのが難しかったです。
公式サイトに

アドバンスの配点は、シングルスター部分:50問出題/700点・ダブルスター部分:20問出題/300点の合計70問出題/1000点となり、複数正解の問題が混在するため部分加点方式となります。

https://www.ntt.com/business/services/application/content-video-delivery/com-master.html

とあるので、単純な点数が出しにくくて、最初は全部の答えを数えてそれがどれくらい当たってるかを%で出してました。
例えば3問あって、1問目は答えが1つ、2問目は答えが3つ、3問目は答えが2つの場合、答えは全部で6つ、そのうち1問目が正解で2問目は2つしか答えがあってなくて、3問目も1つしか正解出来なかった場合、答え6つのうち4つの答えが○かぁ、じゃあだいたい67%くらいかー、みたいな感じ。

でもそれだと答えが1つの問題と答えが複数ある問題で同じ点数なのが納得いかず、複数答えのある問題は絶対全部あってないと○にしないって感じに採点を厳しくしました。
が、当然点数は下がるわけで…点数が下がるとモチベも保てなくなるし、公式の加点方式も反映出来てないしで、全部あってる問題を数えるのと、最初の答えの数と実際にあってる答えの数を数えるのを両方やってました。
これはモチベはなんとかなっても、回答の度に数えるのが面倒臭い。

最終的に、ADVANCEシングルスターは50問出題/700点、ダブルスターは20問出題/300点なので、シングルスター部分を50問/700点=1問14点、20問/300点=1問15点として、複数回答がある場合はその14点なり15点なりを回答数で割って計算してました。
例えばシングルスターの問題で答えが2つある場合で1つしか正解しなかった場合は2回答数/14点=1回答7点を加算、ダブルスターで当てはまるものをすべて答えよ、で答えが3つの場合は3回答数/15点=1回答5点で、3つのうち2つが正解だったら10点、1つしか正解出来なかったら5点、みたいな感じです。
割り切れない場合は諦めて近似しましたけど、一番自分が納得した点数の出し方でした。
これなら計算も簡単だし、部分点も反映出来てるし。

この最終的な点数の出し方を使って採点したのは最後の3回くらいですが、848、792、857でフィニッシュしてました。
他の方の受検体験記みたいなので「だいたい正答率が8割で安定したらよいでしょう」みたいに書いてあったけど、何を持って8割正答にしてたのかが未だに謎…。
もし受検を考えてる方がいましたら、自分の納得のいく正答率の出し方を模索するとモチベが保てるかもです。

ちなみに合格基準はこちらです。

■ドットコムマスター アドバンス シングルスター
【採点対象】50問(700点満点)
<内訳>シングルスターレベル:50問(700点)
【総合得点】420点以上
※各出題分野別に必須得点あり。
■ドットコムマスター アドバンス ダブルスター
【採点対象】70問(1000点満点)
<内訳>シングルスターレベル:50問(700点満点)、ダブルスターレベル20問(300点満点)
【総合得点】700点以上
※各出題分野別に必須得点あり。
※ドットコムマスター アドバンス シングルスターの基準を満たすこと。
ただし、問題レベルに関わらず総合得点で判定する。

https://www.ntt.com/business/services/application/content-video-delivery/com-master/grade/advance.html



ただし、自分が紹介した教科書の模擬問題を回す場合に注意があります。
解答の解説がありません。
正直これが一番困りました。
なので解説がいらない人はこれでよいですが、自分は答えを見て納得出来ない問題は一度調べ、それでも納得出来なかった場合は忘れました。
(あと、地味に問題が古かったりします。なんで今更IEの仕様を問題にするのか意味不明すぎてこれもスルーしました)
解説が欲しい方は他の教科書を一度見るのもよいかもです。

受検の2日ほど前に模試テスト・模試問題が2周し終わって、今から模試してもなーとなって、そこで初めて教科書の章末にある練習問題を1周しました。一夜漬けみたいな感じですね。
結局当日の朝、出発するギリギリまでかかりましたがなんとか1周終わらせました。
問題数が多くて手を出す気にならなかったんですよね。
でも模擬テスト・模擬問題だけでは不安だったので手を付けた感じですが、完全に順番が逆です。
終わらせたのも「ここまで自分はやったんだぞ」っていう、根性というかプライドというか自信みたいなもののためにやった感じで、試験に役に立ったかは…。
OSI参照モデルとか本当に基礎問題からあるので、基礎知識がない方は章末の練習問題から始めるのがいいと思います。

あと、ちょうど自分が勉強してる時に公式が始めたオンライン講座も今は存在します。
まさに2023/8/4に始まった模様です。
それを知ったのが受検の4日前とかだったのでさすがに申込はしなかったですが、受検料とセットらしいのでお得かもです。
詳しくは公式をどうぞ。

実際の試験は、模擬テストや模擬問題をやっていれば問題の雰囲気に戸惑うことはないと思います。
それ以外で違う点を上げるとすると、勉強は紙(というか自分はiPadを使いました)なのに試験はCBT、つまりPCなんです。
一応テスト前に軽くチュートリアルはありますし、計算用紙も会場で用意しているので持参の必要はありませんが、視線がPCと計算用紙を行ったり来たりするので好みが分かれそうかな、と思います。
一応デモ試験が用意されているので、こちらで感覚はつかめると思います。
インターネット検定「.com Master ADVANCE」【デモ試験】

そして自分の場合は思ったより時間に余裕がなかったです。
特にダブルスターを目指す場合、全70問を80分で解く必要があるので、単純計算で1問あたり1分9秒くらいの時間しかありません。
即答出来る問題ももちろんあるので、時間のかかる計算問題は見直すようにマークして一旦飛ばし、即答出来る問題を最後までやり通したあと、余った時間で計算問題をやるとよいと思います。
自分は全部の解答を埋めて見直ししたら残り数十秒だったのでそのまま終わりを待ちましたが、早く終わったら解答終了で試験を終わらせることも出来ます。

終了したらすぐに結果が画面に表示されて、印刷ボタンをクリックして退室、印刷した紙は受付でいただけました。

APの知識も多少あるからサクッと取ってしまおう、なんて言ってたのに、ダブルスターの認定が出た時、嬉しくて思わずガッツポーズしました。

インターネットの仕組みと関連技術とIPv6に関する知識の正答率がシングルよりダブルの方が高かったのは若干解せませんが、無事ダブルスター認定いただきました。

受検した感想としては…
・ネットワークの知識(プロトコルのヘッダーやルーティングテーブルの見方、IPv6など)をちゃんと見直すいい機会になった
・自宅のWi-Fiルータの設定をまじまじと見て「これってそういう意味だったのか…ふふふ」と言えるようになった
・法律やセキュリティはIPA試験と共通だなー、でもyahooメールの認証情報の意味がわかったのは嬉しいわねフフフ
・ここで覚えた知識がSC受検の午前Ⅰで役に立たないかなーR5春APの午前問題35、てめーマジ許すまじ(ご多分に漏れずローミングと解答した)
と、総じて自分には大変有意義な受検となりました。

やむを得ず受検する方、趣味で受ける方、様々だと思いますが、自分で受検する日を選べるし、3日前までなら受検日や受検会場の変更も出来ますので、ネットワークに興味があれば受けてみると面白いかもです。
特にIPv6はSCではほとんど扱われないですから新鮮でした。ネスペにならさすがに出るのかな?
勉強はやっぱり大変ですが、間違えた問題を見て落ち込まず「ここ覚えれば点数あがるな!」みたいな思考で乗り切りましょう!

長文、失礼しました!