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レアカードになるための"組み合わせる力"

キャリアプランの考え方について、わかりやすくて面白い記事がありましたのでご紹介します。

「藤原和博氏「稼ぎたければレアカードになれ」年収1,000万-1億円を目指す人生戦略」
https://logmi.jp/167639

この記事では、「時給」を意識してキャリアプランを作っていくことが語られています。
いわゆる市場価値を高めるために、複数の領域を組み合わせることでレアカードになれ、というのがこの記事のメッセージになります。

◆トップオブトップになるか、組み合わせでレアカードになるか

市場価値を高めるためには、2種類の方法があると思います。

①一つの業界のトップオブトップになる
②複数のスキルの組み合わせでレアカードになる

①一つの業界のトップオブトップになる

これは、自分が集中する分野を早いうちに決めて、その世界のNo.1になるということです。
わかりやすいのは、オリンピックメダリストなどのトップアスリートや、音楽家など。

トップオブトップのキャリアは、何万分の1の競争で勝ち上がっていくということ。
一つの分野のトップですので、長期間その活動に取り組むことが前提であり幼少期からその分野での活動をはじめている方のほうが成功しやすいと思います。「人生全てをかける」ことで成功できる、といってもいいでしょう。

長い期間修行して技術を身につける、職人の世界も同じような性質があるかと思います。

②複数のスキルの組み合わせでレアカードになる

一方で、オリンピックで金メダルを目指すとは違う戦い方があります。
それは、複数のスキルの組み合わせでレアカードになること。

ある分野で上位1%になれば100人に1人の人材になることができます。
得意な分野が2つあれば、1%×1% で0.01%。1万人に一人の人材。
得意な分野が3つあれば、1%×1%×1% で0.0001%。100万人に一人の人材。

という考え方です。この考え方は最近有名になってきているので、聞いたことがある方も多いと思います。

さて、この上位1%というレベル。
この域に達するまでの時間はスキルの種類によってかなり違います。

例えば、英語力で上位1%になるというのはけっこう大変です。
語学の基礎を学ぶだけでなく、1年以上は英語を母国語とする地域に住んでスキルを鍛える必要があると思います。
そもそもネイティブと同じレベルにいくだけでもかなりの期間が必要です。

しかし一部のアプリケーションスキルなどは、意外と短期間で上位1%に到達できるものも多いです。例えば最たる例はExcelです。私は、「上位1%を目指す!ExcelCamp」という研修サービスをしています。
1日~2日間で、Excelスキル上位1%を獲得する研修です。Excelは英語などの語学やコミュニケーション力のようなスキルと違って、
2日間みっちり基礎をやれば上位1%になれますので、とても"コスパのいい"スキルだと思って、実施しています。

スキルによって上位1%に到達するための期間は違いますが、
少なくとも、「上位1%」になるくらいであれば、オリンピックで金メダルを目指すよりは簡単だと思います。

職業柄、学生さん向けの研修をしたり、学生インターン生と活動したりと、
学生と関わる機会が多いので、キャリア相談を受けることも多いのですが、
学生さんや若い方にキャリアアドバイスなどをするときは、「トップオブトップを目指す」よりも「組み合わせのレアカード」になる方をおすすめしています。

やはりトップオブトップになることは容易ではなく、全精力を何年もつぎ込むのはリスクでもあるのです。

◆なるべく離れた分野で、複数のスキルを

この1%×1%×1%の理論ですが、当然それぞれが離れた領域のほうがレアになりやすいと思います。

冒頭の記事にあるように、お笑い芸人としてのスキル×ツアーガイドとしてのスキル、でお笑いツアーコンダクターになる。
という話がわかりやすいですね。

一見まったく関係ない分野のほうが組み合わせたときのレア度が高まります。

もし1%×1%×1%を目指すなら、
特に若いときはいままでの経験を活かして仕事を選んでいく発想よりも、
まったく別の分野、これまで積み上げてきたスキルが全く通じないような分野を複数種類取り組むことも大切だと思います。

僕の話をしますと、一応それぞれ離れた分野での強みがあり、その組み合わせで「なんだかおもしろい人」と評価されることが多いです。
①データ分析をする力
②業務や製造業のプロセス改革
③100人未満くらいの小さな組織のマネジメント
④洗車事業などの新規事業の取り組み

転機となったのは、新卒で入社した教育業界から全く別分野である業務コンサルタントに転職したことです。
事業領域も全く違う、カルチャーも180度違うような大きな環境変化だったので、それまでに身につけたスキルはほとんど何も役に立たず、とても苦労しました。
しかし、ある点を超えてギャップを突破し、教育業界で身につけたチーミングなどのスキルと、コンサルティングのスキルを組み合わせた活動ができるようになりました。

リスクはありますが、一度これまで積み上げた経験を捨てて、0からチャレンジすることも重要だと思います。

◆レアカードになるための、"組み合わせる力"

ここで少し深堀りして考えてみたいことがあります。

世の中には、キャリアが非連続の方、つまり、まったく違う分野の仕事に複数従事している経験を持つ方はけっこう多いと思うのですが、その全員が最強のレアカードになっているかというと、そうではありませんよね。

キャリアを組み合わせて、それを上手にアピールして、レアカードになれている人もいますが、ただいろいろな職を転々としただけと評価されてしまっている人も多いと思います。
つまり、キャリアが掛け算ではなく、ただの足し算になっている場合があるのです。

せっかく武器は揃っても、うまく組み合わせることができないと非常にもったいないと思います。

そこで、違う分野のスキルをうまく掛け合わせるために必要なことを考えてみたいと思います。

①組み合わせたレアなサービスや肩書きを作ってしまう

これは一番わかりやすいのですが、別々の分野を組み合わせた肩書を作ってしまうこと。
「お笑いツアーガイド」や「洗車コンサルタント」などです。

その肩書を面白いと思ってもらえれば、他に代わりのいない職業として評価されると思います。
自分の特殊な経歴をブログやSNSで発信して、自分自身をエンタメコンテンツにしていくのもよいと思います。

②リレーションの横展開

ある分野で築いた人脈を他の分野にも活かす努力をすることです。
営業をしていたときの取引先に、まったく新しいサービスを提案するイメージです。
分野別のリレーションをうまく混ぜることができれば、いろいろな化学反応が起こるはずです。

僕は、洗車事業の取引先様にExcel研修を提案してみる、などの機会があれば積極的にチャレンジをしています。

③専門領域を別分野の発想で深掘りする

専門分野を変えると、別の発想が生まれることがあります。
インプットされる情報が変わるので、アウトプットも変わるのです。

スティーブジョブズが学生のときにカリグラフィーを学んだことで、
マッキントッシュのフォントのバリエーションが増えたのは有名な話です。

まったく別分野が繋がって、新しい価値が生まれることを「Connecting Dot(点と点をつなぐ)」と表現をしますが、組み合わせで唯一無二の価値が生まれることがあります。

今回はキャリアの多軸化についてお話しましたが、
まったく違うスキルを組み合わせる力を高めていくことで、存在感を高めていけたらよいなと思います。

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