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M19事始

・なるべく簡潔にまとめると

カードパワーはドミナリアに続き弱い。
ただし一転してドミナリアとは真逆の中速以下を許容しがたい環境
コンセプト特化型のドラフトを志向するのが推奨

主なピック順位は
システムクリーチャー>プレミアム除去>優良クリーチャー>除去&コンバットトリック

マナレシオは
2マナ 2/2or1/3 
3マナ 2/3or3/2
4マナ 3/3相当
5マナ 4/4+

飛行はいつにも増して希少で
コモンでは1マナ1/2、3-4マナに2/2クラスが4種と5マナ3/3飛行が2種。
それと1/1飛行機械トークンが何枚か
恒例である緑の到達持ちは《大蜘蛛/Giant Spider(M19)》。
理論上はコモンの飛行生物を素で止めれるスペックを持ってはいるが、
実際のゲームでは食い止める事はかなり難しい

受ける事の難しさは《大蜘蛛/Giant Spider(M19)》に限らず、M19ドラフト全般に言える事で
基本的にはアグロ戦略、それも従来の基本戦略とは少々毛色の違ったものこそがこの環境では肯定されていると考えてドラフトをすべきである

ではどこが直近の環境と違っているかというと

・その1、2マナ圏の下落
アグロ戦略で必須のより高マナ域と戦える、回避能力持ちであったり接死、先制攻撃といった2マナクリーチャーが極端に不足している
この部分こそがドミナリアに引き続き、これまでの教科書的マジック戦略
対戦相手が3ターン目からクリーチャー展開するのに対して2ターン目からの展開することでテンポ的優位を築き続ける
が崩壊している理由ではあるのだが、辛うじてその戦略が機能しなくもなかった前環境とは違いM19ではお通夜状態。
コモン、アンコモンにまで見渡してもピック優先度で有用な1/3達を超えられる評価を与えることが出来るのが《旅立った甲板員/Departed Deckhand(M19)》のみといった有様で
結果としてただの2/2、2/1より1/3の方がよほど信用のおけるサイズとなっている。


むしろ3種の1マナ生物《錆色翼の隼/Rustwing Falcon(M19)》、《ゴブリンの激励者/Goblin Motivator(M19)》、《吸血鬼の新生子/Vampire Neonate(M19)》の方がいずれも環境に合致していて相対的価値が高い

・その2、除去の性能不足
除去が近年稀に見る弱さにまで低下している。
信頼に足り得る除去が少なく、また重くデザインされている為にテンポロスにつながりやすい


結果、壁を置いて守るより能動的に攻める方が主導権をとりやすく、
しかもコンバットトリックに関しては従来と同じスペックなので《ショック/Shock(M19)》、《分散/Disperse(M19)》以外で咎められる可能性が薄い。
当然、相手の要に合わせられる分除去カードの価値も結果高まる。
また壁役の基本スペックがパワー0or1に抑えられており、2/4のようなサイズが少ないのも攻める側にとってメリット
 
もう一つ、除去の信頼性が低下している為、オーラ戦略にもそれなりに価値がある。
前述したが、テンポロスがほぼ存在せずむしろそれを押し付ける側に回れるショック、後腐れがない確定除去に関してはプレミアム除去として他と分けて考えるべき。

・その3、デッキを決定付ける強力なシナジーの不足
デッキの理想形を規定する伝説のクリーチャーと
それ以上に重要だったのが歴史的や意識された種族配置、
AにはA´、BにはB´というように1枚のカードに複数のテーマに複数のアーキタイプを成り立たたせていた
ドミナリアと異なり、
このセットではあまりに特定アーキタイプのデッキを作るのにカードの絶対数が不足している
むしろそれを意識的にさせれないようにしている節すらある。

分かりやすいのがレアに各色いるロード達、
ただ単純にクリーチャーとしてのスペックが高い《勇敢な騎士/Valiant Knight(M19)》を除くと
ロードとしてまともな仕事をしているのは《ゴブリンの損壊名手/Goblin Trashmaster(M19)》くらい。
ゾンビやエルフ達のように大半の下級職がアンプレイアブル/サイズが上がってもやっぱり殴れないだったり、本人達ですら最低スペックにも到達していなくて二重にリスクを孕んでいたりと散々な扱いではあるが
使いづらい最大の要因はパック全体における特定のカード群の割合があまりに小さすぎて、機能させれるようにデッキを構築するのが難しいことに尽きる。

・結論として
ストレートに強い縦のシナジーをひたすら同じカードを取って集めていくか、
まずは強いカードを取ってからわずかに残っている横の相互作用を複合的に合わせていくアプローチを取ることになる。

個人的に好みなのはコモンのみで構成できる以下の2種類。

 《鼓舞する突撃/Inspired Charge(M19)》or《ラッパの一吹き/Trumpet Blast(M19)》
 からの各種トークンが出てくるクリーチャー達。 もちろん白や赤の回避持ちがいればいるだけうれしい

 除去とドローと《秘密の回収者/Salvager of Secrets(M19)》
  墓地回収なんかもいぶし銀

 《緑林の歩哨/Greenwood Sentinel(M19)》に《樫変化/Oakenform(M19)》
   もちろん《狂気の一咬み/Rabid Bite(M19)》を添えて、と

いつまでたってもお約束な飛行&壁

までがM19ドラフトの基本戦略となる

もう一つ、レアリティ―がアンコモン依存になるが常に意識はしているのが赤黒の
   《殴りつけるオーガ/Brawl-Bash Ogre(M19)》or《貪欲なハーピー/Ravenous Harpy(M19)》or《闇住まいの神託者/Dark-Dweller Oracle(M19)》と《反逆の行動/Act of Treason(M19)》
    横シナジーとしては生贄に捧げ甲斐がある《悪運尽きた造反者/Doomed Dissenter(M19)》と《ドラゴンの卵/Dragon Egg(M19)》。

ただし赤黒に関しては運の要素が強い。
基本的には赤or黒でドラフトでスタートしていて3種の内どれかが回ってきたらとりあえず取っておき、
2枚目が来たら移行、3枚目が来ることをお祈りといったスタンス。

それとアーティファクトについてなのだが基本的にはスペック不足という認識で問題ない。
リスクを取りに行く価値があるだけのリターンがあるのは《技量ある活性師/Skilled Animator(M19)》と《空の技師/Aerial Engineer(M19)》のみ。
この2枚に関しては《飛行の先駆者/Aviation Pioneer(M19)》や《匪賊の斧/Marauder's Axe(M19)》といったそれらが入り得るデッキのゲームプランに合致したアーティファクトを無理なく入れる事が出来るというのが素晴らしい。


以下、有料部分へ。サイドボードとして取っておきたいカード、色順位、各色の解説、分岐に各アーキタイプの完成デッキ見本へと続きます。

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