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vol.023【レポート】エクスチェンジプログラムvol.2 JST×大阪大学×大阪中之島美術館 サイエンスアゴラ in 大阪 2022 「まぜて、こえて、つくりだそう~学び続けられる社会へ~」

開催日時:2022年11 月13日(日)
                  15:00 ~ 17:00
開催場所:大阪中之島美術館 1 階 ホール

〈登壇者および構成〉
[基調講演]
「STEAM 教育とは?~一人ひとりの創造性をひらく学び」
中島さち子(ジャズピアニスト、数学教育者、steAm Inc.代表取締役社長)
[ディスカッション]
「まぜて、こえて、つくりだそう~学び続けられる社会へ」
小林 仁(大阪市立東洋陶磁美術館 学芸課長代理)
中村征樹(大阪大学全学教育推進機構 教授)
森田由子(科学技術振興機構「科学と社会」推進部専門役/前日本科学未来館事業部経営戦略室 科学コミュニケーション専門主任)
ファシリテーター:堂目卓生(大阪大学社会ソリューションイニシアティブ長)
総合司会:木ノ下智恵子(大阪大学21世紀懐徳堂 准教授)

 サイエンスアゴラin 大阪は、2025 年の大阪・関西万博に向けた多様な価
値観が交錯するラウンドテーブルとして、2021 年から中之島を舞台に開催
しています。2回目となる2022 年のテーマは【学び、教育】です。学び続け
られる社会とSTEAM 教育やリカレント教育をキーワードに、2022 年2 月
に開館した大阪中之島美術館の講堂にて11 月13 日に開催しました。

基調講演では、STEAM 教育の第一人者である中島さち子氏が、シーモア・
パパートの構築主義「つくることで学ぶ/Learninf by Makink」がSTEAM
の背景にあることを踏まえて用語を解説し、海外の実例と自らが手がける
国内外の活動を紹介。また万博テーマプロデューサーとして、パビリオン
『いのちの遊びの場 クラゲ館』の構想と抱負を語られました。 

ディスカッションでは、ファシリテーターの堂目卓生氏から、議論の前にコ
ロナ新時代においては誰もが「助けを必要とする存在」であること、STEAM
のS とM をWhat、T とE をHow、A をWhy とした上で、特にA が持つ意
味について3名の登壇者に問いを投げかけました。

東洋陶磁美術館の小林仁氏は、所蔵品である国宝の油滴天目茶碗は、理化
学・歴史・美学など包括的な分析が不可欠でありSTEAM 的であると言及。
日本化学未来館サイエンスコミュニケーターであった森田由子氏は、
STEAM 教育においては特にA のワクワク感が重要であり、科学コミュニ
ケーションではWhy を取り残さないようにする必要があると指摘。大阪大
学の中村征樹氏は、「つくることで学ぶ」事例として学生との共著や、科学技術社会論の研究実践としてサイエンスカフェと哲学対話の手法を混ぜた企
画案を紹介。ディスカッションでは、STEAM のA については、自由な発想
によって5 つを統合する役割があること、身体性を伴った実体験が思考を
深めていく作用などが示され、「学び続けられる社会」については、変化を客観視し生涯を通じて興味関心を継続させていけるか、立場など異なる多様
な人々が集い対話する場の必要性などの議論が展開されました。

レポート執筆:木ノ下智恵子(大阪大学 21 世紀懐徳堂)


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