【考察】アダルトビデオ(AV)って今後どうなるんだろうか?
なかのです。
ひさしぶりのnoteを書いてます。
寝る前にTwitterを見て回ってると、とあるAV業界の中の人のツイートを目にしました。
お立場はAVメーカーの営業兼マネージャーさんだそうで、大好きなAV業界が縮小化してる状況が辛いようで、映像の最後には
と、シンプルなお願いで締められてる映像でした。
これを見てふと「AV業界ってこの先どうなるんだろうなー」と漠然と考えてしまったのでnoteを綴ってるわけですが、なかの個人的には「縮小化はしばらく止まらないが、AVそのものが無くなることは当面なさそう」だと思ってます。なんでそんな結論に至ったかを、AV業界の外の人間な私が分かる範囲でざっと説明します。
1.元気だった頃のAV業界とそれを取り巻く環境
AV業界が一番元気だったと言われる2000年代中頃は約700億円市場でした。当時の生活を振り返ってみると…
まだ家にビデオデッキがある家庭も多いが、だんだんDVDプレイヤーやBlu-ray対応の機器が流行り始めた
まだスマホやタブレットはなく、ガラケー全盛期
モバイル通信はパケ・ホーダイが出てきて、通信量を気にせずインターネットに接続できるように
パソコンの性能はまだまだ低く、WindowsはXPの時代
家庭向けのインターネットはADSLが多く、動画を頻繁にダウンロードできるほど通信速度が早くなかった
こんな時代でした。当時中学生くらいだったなかのは、夜になるとリビングで家族とテレビを見て過ごし、夜になるとめちゃくちゃパソコンいじり倒してた記憶があります。テレビ業界がめっちゃ元気だったなぁ…
さて、こんな時代なのでエロい映像を見ようと思うと
ガラケーでiモードに接続して、エロ動画をダウンロードして見る
ビデオ屋さんでアダルトビデオをレンタルするか、買う
だいたいどっちかになるわけですが、ガラケーで動画を見るにも当時の通信環境やガラケーの性能の問題で動画の時間が短く、画質も荒かった記憶です。となると当時はアダルトビデオをレンタルするなり、買ってた人がかなり多かったと考えられます。そのくらい選択肢が少なかったのです。
個人でエロい動画を制作されてた方もいるにはいましたが、
スマホで撮影みたいな手軽さはないので、撮影機材の用意は必須
動画編集も専用の機材が必要で、編集自体もできる人が少なかった
制作した動画はビデオやDVDに焼いて、ネット通販での販売が主流
と、今とは比べ物にならないほどに実現までのハードルが高く、スマホ1台あればなんとかなるような時代では全くありませんでした。
2.今のAV業界とそれを取り巻く環境
あれから約20年が経った2023年現在のAV業界の市場規模は約500億円と言われています。どうしてここまで縮小してしまったのでしょうか?
それは、生活環境が大きく変わったことが最大の理由だとなかのは考えています。今の暮らしは…
だいたい一人1台以上のスマホを持ってる
スマホでも大容量の通信ができ、街中にもWifiが整備されている
ビデオデッキはもちろん、DVDやBlu-rayプレイヤーがない家庭も多い
テレビを見ない人(=家にテレビがない人)も少なくない
モバイル環境(スマホ)でも比較的高速な通信ができる
家庭だと光回線で高速通信が使える人が多い
つまり、インターネットへとってもアクセスしやすくなったと言えます。今エロい動画を見たいなと思ったら…
エロ動画サイト(Pornhub等)で探す
TwitterなどのSNSでエロ動画を探す
Myfunsなどの個人制作のエロ動画を探す
FanzaなどでAVを探して買う
FC2等で同人AVを探して買う
違法ダウンロードする
もしかしたらまだ選択肢はあるかもしれませんが、こんな感じじゃないでしょうか?まず、選択肢がめちゃくちゃ増えました。悪い言い方をするとお金を払わなくてもエロ動画が簡単に見れる時代になってしまいました。もっと言うと、インターネットがものすごく普及した影響で海外のエロ動画にも手軽にアクセスできるようになってしまい、より一層AVをわざわざ買う理由がなくなってしまっています。
さらに身近なIT機器も性能が大幅によくなったため、個人でエロ動画を作るのもスマホ1台あれば撮影も編集もでき、さらには販売環境も整っているので気軽に販売もできてしまいます。
AV全盛期時代のように、機材一式を揃えて編集技術も必要で…といったいわゆる「参入障壁」は、もはやまたいで超えられるほど低いものとなっています。
エロ動画自体は人間に性欲がある限り需要がなくなることがないと思うので残ると思いますが、アダルトビデオという業界に限って考えると、以前ほどAV業界全体がもう一度盛り上がるのは至難の業、というかたぶん無理じゃないかとなかのは思います。
3.以前元気だったけど今は縮小してる業界
AV業界も大きく縮小傾向ですが、他の業界でも縮小が止まらない業界は多数存在します。縮小する業界のだいたい全部はインターネットやパソコン、スマホの普及、いわゆる「デジタル化」の影響をもろに受けています。
代表的なところで言うと…
・新聞業界
2005年からの15年間で、売上高が約40%減少した業界です。昔はテレビと並んで情報を得るための大切な手段だった新聞も、インターネットやガラケー、スマホが普及した影響で新聞以外で情報を得ることができるようになり、また速報性はインターネットやテレビに圧倒的に劣るため、発行部数を年々大きく減らしています。
・印刷業界
1997年以来縮小を続けている業界です。背景にはデジタル化が進んだ影響で紙を使う機会が減っていることもありますが、少子高齢化により紙を消費する人そのものが減ったことも、業界縮小の大きな要因になっています。
・パチンコパチスロ業界
以前は大衆向けの娯楽として一般的だったパチンコ・パチスロは、1996年には30兆円市場と呼ばれていましたが、現在は約14兆円まで縮小しています。背景には度重なる出玉規制や広告規制もありますが、ガラケーやスマホで遊べるゲームが広まったことでパチンコ・パチスロ以外の遊びが増えたことも大きな要因となっています。
4.さいごに
ここ20年でインターネットやIT機器が普及し、性能が大きく向上した影響で人々の生活は大きく変わり、以前からある業界もその多くが影響を受けています。
AV業界に限らず、どの業界にも多くの人の生活が関わっていますし、その業界のことが大好きで情熱を持って仕事をされている方もたくさんいるはずです。大好きな仕事をされている方の大多数は「死ぬまで今の仕事を続けたい」と思っているでしょう。それでも、環境が変われば新しい業界が生まれ、今ある仕事の形は変わってしまい、環境変化に耐えられない業界の縮小は避けられません。
ある業界の縮小は、別の業界の成長の裏返しでもあります。
冒頭でのAV業界の方には大好きなAV業界やそのお仕事を守るためにも、今の環境だけでなく未来のAV業界をしっかり見据えて行動されるといいかもですね。
深夜に思い立って書いたので乱文だったらすいません。
おやすみなさい。
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