腐臭を放つ、台湾に支配された日本の政界・言論界

保守言論誌の月刊HANADAの今月号(2022年3月)は台湾推しの記事で占められている。

高市早苗「台湾をもっと大切に」
青山繁晴「狂気の独裁者から台湾を護る年」

そして中国の脅威を訴えることによって、裏から台湾を支えているのが
荻生田経産相と櫻井よしこ「中国の狡さを心に刻め」
長尾たかしとギャルポ「チベットは明日の日台の姿」
有本香「北京虐殺五輪の擁護者たちへ」

どれも一応保守を代表する政治家と言論人たちである。

中国は近代から外洋につながる江蘇省、浙江省、福建省、広東省が栄えていたが、その中でも戦前は江蘇省の上海が中国最大の都市であった。中国という国家は出身地などによってなる互助会が、寄り集まって国の体を成しているが、中でも国際都市上海が属する江蘇省と隣の浙江省にまたがる浙江財閥が大きな経済力を有し、江蘇省の南京市に首都を持つ中華民国の蒋介石を支援していた。

 蒋介石が毛沢東との内戦に敗れると、蒋介石と共に台湾に渡り外省人として台湾の政治経済を支配したが、台湾に渡らずに中国に残った者も、その経済力で習近平を支えている。
中国と台湾の半導体産業を独占しており、中国のファーウェイやSMIC、台湾のTSMCや新唐科技などを有している。アメリカの半導体産業にも手を伸ばし、半導体製造の世界シェアの7割を占めている。

トランプ前大統領は中国のファーウェイに制裁を加えたが、大統領が選挙に敗れファーウェイは勝ち残ることができた。それは浙江財閥の台湾半導体企業群が支えたからであった。中国の習近平と台湾の蔡英文の支持基盤が同じ浙江財閥であったことに、トランプは気がつかなかったのである。

中国は、台湾と一枚岩であることを隠す為に、台湾侵攻を匂わせ、その一方で台湾は中国の脅威を吹聴して、日米欧から最先端技術を手に入れ、それをせっせっと中国に流している。蔡英文総統も独立派のように言われているが、ひとつの中国を支持する親中派であり、彼女が政界に進出したのは、蒋介石の妻の宋美麗の尽力によるものであった。

浙江財閥は日米の政界にも多額の資金を使って食い込み、アメリカの民主党や安倍晋三の清和会に太いパイプを持っている。安倍は台湾のパイナップルの販売促進にもひと肌脱いでいた。
その安倍の祖父の岸信介と親しい関係にあった元台湾女性が、台湾浙江財閥の窓口になって日本の政界と保守言論界に采配を振るっている。

総裁選の直前にその台湾女性とテレビ会談、台湾総統の蔡英文とオンライン会議をし、さらに安倍が推薦していたのが、総裁候補の高市早苗である。彼女は蔡英文を毅然とした憧れの女性であると絶賛して憚らない。

高市早苗は経産副大臣の時に、産活法で日本の重要な半導体技術を台湾に流して、日本の半導体企業を潰している。そして今は経産相の荻生田が主となって台湾半導体企業のTSMCを熊本に誘致している。

高市早苗の記事「日本はもっと台湾を大切に」は、日本人の心をくすぐるように李登輝元総統の死去を悲しむことから入り、東日本大震災の際に台湾から世界最大の義援金200億円や支援物資を受けたことに感謝の気持ちを持ち続けならないと述べ、続いて台湾に迫る中国の軍事脅威に触れ、今年の最大の政治課題は経済安全保障だとして、最後にTSMCの工場が熊本にできれば、自動車用の20ナノ台の半導体が安定供給されると言っている。

同誌でその半導体について、荻生田経産相は櫻井よしことの対談で、経済安全保証の重大問題として半導体不足について触れ「自動車などで使う半導体は二十ナノ台だったのが、いまや五ナノ、七ナノといった桁が一つ違うようになりました。しかし二十ナノ台ですら国内では一個も作れないという環境にいまはある」と言っているが、車載半導体は今でも高市早苗が言っているように20ナノ台であり、国内でもルネサス社などが作っている。しかも誘致されるTSMCが熊本工場で作るのは20ナノ台である。
知らずに言っているのなら、TSMC誘致を決めた目的・利益は他にある。知って言っているのなら国民を騙すのもいい加減にしなければならない。

その発言を受けて日本政界を牛耳る台湾女性の番頭役である櫻井よしこが、「そういう状況にあるからこそ、今回、TSMCの工場を熊本に作ることになったわけですね」と持ち上げている。

そして青山繁晴が「狂気の独裁者から台湾を護る年」という記事で、中国が台湾に侵攻すれば日本の先島や尖閣が戦域に入ると脅かし、中国が台湾の選挙に介入することもあり得るが、「李登輝総統を生み、蔡英文総統を再選した台湾国民がそんなことにあるわけがない」と蔡英文を称えることも忘れない。

長尾たかしも「チベットは明日の日台の姿」を書いて脅し、有本香は「北京虐殺五輪 擁護者たちへ」で、ウィグルの人権問題に興味の無い親中派の二階、岸田と公明党は北京擁護派だと非難している。
有本が公明党を非難するのは、櫻井が荻生田との対談で、日本維新の会の躍進称えていることにつながる。
安倍清和会は公明党の代わりに親中の維新との連立を画策しているからである。

私たちはこうして、なんちゃって保守の政治家と言論人が、日本を台湾・中国の属国にせんとするプロパガンダに踊らされているのである。

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