今年聴いためちゃ良かったアルバム <アンビエント編>

●Satoshi & Makoto「CZ-5000 Sounds & Sequences」(2017)

リリースは2017年ですが、90年以降に制作された膨大なアーカイブの中から11曲をセレクトしたという事実上のベスト盤。今までほとんど発掘されなかったのが不思議で仕方がないほどの極上のニューエイジです。シンセサイザーの心地よい音色は懐かしさと革新性たっぷり。エキゾチックな雰囲気がありつつも無機質なアンビエントテクノの要素もあり不思議です。マニュエル・ゲッチングのE2-E4を感じさせる瞬間もあり、ジャパニーズアンビエントの超超大名盤として歴史に残ると思います。今年聴いたアルバムの中でも5本の指に入る衝撃を受けました。

●セキトオ・シゲオ「スペシャル・サウンド・セレクション -ザ・ワード-」(2018)


エレクトーンの名手らしいんですが初めて知りました。本作はベスト盤なのですが、同じようなジャケと内容の作品が75年にリリースされています。収録曲の「ザ・ワードⅡ」はマック・デマルコの元ネタじゃん!とめちゃめちゃテンション上がりまして、他の曲もカバーを中心にエレクトーンの美しい音色が流れるように響きます。ジャズ・フュージョンの要素が強めではありますが、どこかヴェイパーウェイヴのような退廃的な雰囲気を感じるのは僕の心が荒んでいるからなんでしょうか。

●Steve Hiett「Down On The Road By The Beach」(1983)

もう既に何回か聴いたことはありました。YouTubeやディスクユニオンで働いていた頃に店頭で流したり…でもちゃんと聴いたのは今年が初めて。サブスクにないのでCDを購入したのですが、こんな素晴らしい作品が新品1,000円で買えるなんてどうなってるんでしょうか。それはともかく…ギターインスト作品です。リゾートAOR的なジャケですが、僕は渇いたテキサスのような雰囲気を感じました。もちろんジャケ通りのピーカンのビーチも脳内で余裕で浮かぶサウンドです。夏は当然、寒くなっても一瞬で夏を感じることができるタイムマシン的名盤。一生聴き続けるでしょう。

●Kate NV「Для FOR」(2018)

近年の作品です。ケイトエヌヴィーというロシアの女性ミュージシャン。この作品を知人に紹介するときは「ロシアのコーネリアス」と紹介しています。ジャケからミニマルなエレクトロを想像するかと思いますが、わりとNHKっぽいというか、マリンバの音などアコースティックな音がたくさん入っています。この点がコーネリアスっぽいなと感じるところです。どっちかっていうと電子楽器を使うトクマルシューゴかもしれません。なにはともあれ、エレクトロ+子ども+エクスペリメンタルなサウンドは無条件で最高なんです。

以上4枚。昨年アンビエントにどハマリしましたが、2021年は更にバリバリ聴いています

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