「できない」から考える はたらく環境の選び方
パニック障害、鬱、解離性障害。デザイナー就活をしていた2022年の私は、企業だけじゃなく、自分の身体とも戦っていました。
出来ないことばかりが目に付く毎日。朝起きることも、電車に乗ることも、当時の私にとっては超難関ミッション。
こんな自分を拾ってくれる会社なんてあるんだろうか…?
そんな不安な気持ちで一杯になりながらもがむしゃらに走った就職活動を、2年越しに振り返ってみようと思います。
あなたは誰!
ご挨拶が遅れました。株式会社ゆめみでデザイナーをしているなかむられなです。精神疾患や発達障害の当事者として、同社のDEIB担当取締役も務めています。
私は、大学2年生の時2020年にパニック障害をはじめとした精神疾患を発症。3ヶ月の入院加療後、通院と投薬治療を長らく続けていました。(当時書き殴ったnote↓🧨)
爆弾を色々と抱えている上に、元々人よりも生活で苦手なことが多かった私は、自分のありのままを話したらどこの企業にも拾ってもらえないのではないか?と不安を抱えていました。
そんな私のマインドセットを変えるきっかけとなったのが、漫画家の冬野梅子さんが「人生の進め方」についてインタビューで語っていた考え方でした。
このスタンスこそ、私が私らしく生きるための生存戦略なのではないか?そう考えた私は、自分が苦手なこと、できないことと向き合ってみようと決意しました。
「できない」から企業を絞る
私が目を逸らし続けていた自分の「できないこと」。企業へのエントリーを控えていた私は、これらを書き出し、どんな環境 / 選考基準の会社だったら「できない」を乗り越えられるのかを考えていきました。
そうして洗い出したのが以下の条件でした。
大事にしたのは、自分の心に素直に書き出すこと。甘えなんじゃないか?そんな企業あるわけなくない?みたいな気持ちは一旦脇におき、「できない」から自分が最も居心地良く働けそうな環境を考えていきました。
そして、書き出した条件をチェックリストがわりに使い、自分の志望する企業がどんな就労環境なのかを一つ一つチェックしていきました。
HPに書いてある情報はもちろん、働いているメンバーのnoteや、カジュアル面談などでも情報を集めていました。
例えば「リモートOKの会社」。企業によっては、最近出社文化が戻り始めている、チームによっては週4出社など、一言にリモートといってもその実態は様々です。(どちらが良い悪いの話ではないです><!)
そうしたリアルな就労環境について知るには、やはり現場で働いているメンバーの声を聞くのが一番でした。(SNSも結構見ました)
また、面接で聞かれる質問でも、その企業が大事にしている価値観や、会社の雰囲気はダイレクトに伝わってきます。私の場合「自分の特性を話しても大丈夫」と思える雰囲気があるのか、というのを頭の隅におきながら、面接に臨んでいました。
ゆめみを選び、働いてみて
このような情報収集を重ねつつ、選考に進み、最終的に株式会社ゆめみに入社することを決めました。
決めた理由は以下のような感じ🦢
ゆめみに就職してもうすぐ2年になりますが、私的には、この観点で企業を選んで本当に良かったなと思っています。この環境じゃなかったら、1年も続かなかったんじゃないかな〜と。
制度や福利厚生もさることながら、私が一番助けられているのは「お互い様精神」が企業文化に根付いていることです。
ゆめみに入社してから、「無理しないで休みな、お互い助け合ってやってこ!」というシーンを幾度となく見てきました。だからこそ、弱みをさらけ出せるし「ごめんね」よりも「ありがとう」を言いたくなる🌷
企業の制度(ハード)とメンバーのマインド(ソフト)が合わさって初めて居心地の良い環境というのは築けるのだと知りました。(ゆめみの皆様、本当にいつもお世話になっています!!!)
また、出来ないこと、やりたくないことから考え始めていった結果、自分ができることや得意なことにスポットライトが当たるというのも、驚くべきことでした。
だって、隠して就活しようとまで思っていた「精神疾患の当事者」であることが、DEIB担当取締役に繋がるとは。就活当時思ってもいませんでした。
「できない」が許される環境を選ぶことは、弱さでも甘えでもなく、自分が毎日を心地よく過ごすための手段でしかないと、今は思います。
人生の書き手でありたい
なんだか偉そうに色々書いてしまいましたが、私もまだまだ自分の「できない」とどう向き合っていこうか、試行錯誤を繰り返している最中です。
そんな私が、これからも大切にしたいと思っている言葉があります。20歳、どん底だった時、メンタルクリニックの先生に言われた言葉です。
この言葉を頂戴してから考えるようになったのが、人生における視点の変化でした。20歳までの私、すなわち人生の前半部分を生きていた時の私は残酷な現実に立ち向かい乗り越える少年漫画の主人公のような気持ちでした🦸
でもこれからは「作者側になれるんだ!」と気付きました。どんな作品にするかも、どんな登場人物を配置するのかも、どんなイベントを起こすのかも、自分で決めることが出来る。もちろん人生には不確定要素もあるけれど、自分が書き手であるという意識があれば、それすらも作品に落とし込むことが出来る。
だからこれからはもっともっと、自分がいて幸せだと思える人と一緒にいられるように、ありのままの自分で心地よく過ごせるように、自分が喜ぶための世界に書き換えていきたいな〜〜〜!と思います🌟
最後に
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます!
この中に、デザイナー就活中で自分の特性に悩んでいる…という人がいたら、ぜひこのnoteの執筆依頼を下さったRedesignerの田口さんに相談してみて欲しいです。
就活も、そのあと続く社会人生活も、大事な人生の一部なので。こんなこと見せちゃダメかな…?と思わずに、不安は誰かに共有してみると軽くなると思います。(もちろん私のDMもOKです!)
自分の心に嘘をつかず、あなたが一番居心地が良いと思える場所に巡り会えますように!心から祈っています😴
告知
Designer Career Jamに登壇します!この辺りの話を、田口さんと赤裸々にお話しする予定です。楽しみ🦭