振り返る

自分の悩みなのかどうかすらも分からないことをぼろぼろと聞いてもらっていたときに、彩乃さんから「菜月さんが何を望んでいるのか、20代が終わるまでに見つけてみてはどうですか」と宿題をもらった。わたしの20代はあと数ヶ月で終わる。学生よりは少し長く生きたかなという今、自分は自分の望みというものが全く分からないということだけが分かった
20代という10年間はとてつもなく長かったように感じる。一昨年くらいから、まだ終わらないのかと少しだけ途方に暮れていた。けれどもわたしは日々のことをさっきのことのように思い出せる。
色々な事があったなと思うし、よくここまで辿り着いたと思う。その日々の中で、自分は「望む」ということをすっかり忘れてしまった。自分の心の中で、誰にも言わなくて良いのだとしても正直に望むことが難しい
けれども振り返ると、正直に望んだことは確かにあった。かなり無茶をした。もっと健やかに望みをたたえられないものだろうか
自分の望みが誰かにとっては望まれないことなのだということが自分には分かってしまう。多くの人はそれが分からないのか、分かっても自分のためなら無視できるのか、何かを圧迫することなく望めることなのか。自分はただの邪魔者だ、そう感じながら随分としばらく生きてしまったため、そのような感覚が抜けることが無くなった。わたしは安心しきることが出来ない。快適に生きる手段として望むことや感情を持つことを手放してしまった。20代が終わるまでにそれらを見つけにいくというのは大変な宿題だ

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