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インボイス対応エクセル出納帳

事務所でつかっている出納帳フォームを外部でも利用できるようにしました。

何を考えてこのツールをつくったかの記録です。
インボイス制度の難しさをツールでどう緩和するかに取り組みました。

動機

インボイス制度が令和5年10月から始まります。

インボイス制度が始まると現場の混乱が予想されます。
混乱をうまいフォーマットにより回避したいと考え、現在使っているエクセル出納帳に改良を加えました。
そそもそもインボイスにうまく対応した出納帳が出回ってないことも作成の動機です。

出納帳に必要な機能は?

欲しい機能を列挙します。

①打ち込みの手間を省きたい

打ち込みで手間なのが内容と相手先の打ち込みです。自動化したい部分なので自動化しています。

②外部会計ソフトへ連動したい

二度打ちは効率と正確性を妨げるので悪です。
せっかくデータで出納帳をつくるなら、出納帳から会計ソフトに仕訳を連動させる機能は仕込みたいです。

③会計初心者にやさしく

エクセル出納帳を使う方は会計玄人でないはず。小口担当者や小売店舗担当者の利用を想定しています。

初心者が「勘定科目」を選ぶのは難しい気がしますので、内容と相手先だけ選ばせるつくりにしました。

勘定科目への紐づけは会計ソフトへの取り込みをする側がすればいいと考えています。そのため、出納帳システム と 会計取り込みシステムを別に切り分けています。

④軽減税率混在への対応

軽減税率の開始により、従来様式の出納帳にて会計記帳する方法が怪しくなりました。
会計処理上は税率別の記載が必要なところ、一般的な出納帳には税額・税率記載の欄がないためです。

また、軽減税率はなかなか会計ビギナーの癖づけもしにくい部分です。食材5,000円が8% レジ袋5円10%の領収書の記帳が嫌になるのはわかります。

この対応は⑤のインボイス制度対応と一緒に行いました。

⑤インボイス制度への対応

インボイス制度への対応は、現場入力者への逐一周知が原則と思います。
でも中小企業にリソースがないことは多々あります。現場の頑張りに頼るのも危険です。

現場で判断する事項を、領収書の書かれ方パターンのみにする案はどうでしょう。領収書書かれ方パターンを選択肢で出して、選択によって適正な記帳法を誘導する。まずいパターンにはアラートを出したりします。

具体的には下のように作成しました。

具体的なインボイス対応

領収書を入力するとに下の画面が出ます。

例えば 「インボイス番号あり>10%対象と8%対象が混在」を選択すると、自動で2行の取引を作り税率ごとの金額入力を促します。

「インボイス番号あり>消費税の記載なし」は本来ありえない選択肢です。この選択肢を選んだ場合、アラートで異常への対応を促します。

こんな風にすると、初心者のパートさんとかでもで運用きるのでは?と期待しています。

入力に慣れるとこれら画面は邪魔になるので、取引内容ごとに選択肢は固定化してスキップ可能にしました。

そもそも出納帳ってまだいる?

最近はスキャン+OCRで領収書自動記帳ができるので、出納帳不要論があるかもしれません。

この意見にはやや反対の立場です。

スキャンからできることはあくまで精算作業です。出納帳の主眼は残高管理で、これはスキャンに向いていません。残高管理は大事です。
そして現場での残高管理にはフットワークの軽い紙やExcelが合っています。

ちなみにこの出納帳を領収書の清算作業に使っている顧問先もあります。清算作業にも使ってOKなつくりにしています。

このツールについて

このツールは自由に利用いただいて構いません。
冒頭のサイト内に置いています。使い方もサイト内の動画に載せていますのて、活用いただければと思います。

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