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中森たついち広島市議会議員特別寄稿「松井広島市長が市職員新任研修に教育勅語を使用したことについて」


みなさま、いつも中森たついち市議を始め日本共産党広島市議会議員団を応援下さりありがとうございます。
この度、共同通信の報道を皮切りに各メディアで報じられた「松井広島市長による『教育勅語』新任研修使用問題」。
これについて先日2023年12月14日の総務委員会で行政担当者へ鋭い質問を行い、さまざまな答弁(怒りを押し殺した表現です)を引き出した中森たついち市議より、何が問題なのか?松井広島市政の本質とは何であるのか?を解説した文章を寄稿いただきました。
是非ご一読いただき、また多くの方にこちらをご紹介、拡散にご協力下さいましたら幸いです。
前置きはここまで。中森市議の解説をどうぞ!


広島市長が新入職員の研修で使う資料に教育勅語が使われていたとのニュースに多くの方が驚かれたことと思います。国際平和文化都市を標榜する広島市は、民主主義、平和主義など、最も憲法を大事にしている都市だと思われていたはずだからです。

ところが、昔の人がつくったもので良いものは良いものとして受け継ぎ次の世代に引き継ぐべきだといった趣旨とのことですが、これから憲法の立場で職務を行うべき新入職員の最初の研修で、現憲法に反するものとして無効とされた教育勅語をあえて資料に入れていた。最初から自民党がこぞって支援した松井市長という人は、こういう人だったんだと改めて思いなおしたところです。
1948年に衆議院で「教育勅語等排除に関する決議」、参議院で「教育勅語失効確認に関する決議」がそれぞれ行われたのは、当時の文教委員長が趣旨説明で述べたように、憲法が国民主権の民主憲法に変わり、それに沿った教育基本法が制定されたのに、教育勅語が日本の教育の基本原理であると誤解されたままになっていたからです。また、教育勅語の徳目の中で良いと思うものもあるが、教育勅語のわくの中で語ると、現憲法と違うところにつながる、という趣旨も述べています。
教育勅語にある、親を大事にすることや友達とは信頼しあうなどのことが、良いものだ思うなら、それだけを言えばいいだけのことです。教育勅語にはこういう良いものがあったと、あえて教育勅語を持ち出す必要などないわけです。そんなことは、厚生労働省の管理職をしていた松井市長ならよくわかっていたはずです。あえて、教育勅語を持ち出すところには、教育勅語を評価しようという意図があったと受け止めざるを得ません。それを、新入職員に押し付けようと資料にのせる(市長が話をする資料にのせるだけで、これを勉強せよ、と押し付けることになるでしょう)ことは、いまの憲法に反する行為です。
市議会の総務委員会(12月14日)でこの問題を追及したのは私を含めて2人の議員でしたが、二人目の議員が質問を終えると言った際に、あえて担当の企画総務局長が発言を求めて、市長と市の職員の間では、決して物が言いにくいということではなく、必要ならどんどん意見を言え、提言もできる関係にある、今回の「教育勅語」が市長の講話の資料に入っていることを、自分たちも問題だとは考えていないと述べました。
これはまさに、教育長も含めた市の幹部たちが、市長と同じ考えに立っていることを物語っているということでしょう。由々しきことだと思います。
私の質問では、教育勅語の問題と合わせて、憲法99条にある公務員の憲法遵守義務についても質問しました。
新規に採用された公務員は、国家公務員も地方公務員もすべて、初めて公務の職務に就く前に、かならず「服務の宣誓」というものを行います。この「服務の宣誓」の宣言文に日本国憲法を守ることを、きちんと入れる必要があると思うのですが、広島市では、政令指定都市になった機会に、それまで入れていた憲法遵守の言葉を、「国際平和文化都市の職員として」との言葉と入れ替えてしまいました。それ以降ずっと憲法遵守の言葉がないままになっています。
憲法遵守の言葉を入れるべきだとただすと、市当局は、国際平和文化都市の職員であることは、憲法を守る職員であるということだから憲法遵守の言葉は必要ないという趣旨の理由を述べて、決して憲法遵守の言葉を入れることを検討するとは答えませんでした。
「国際平和文化都市」の職員=日本国憲法を守る職員なのでしょうか。そうでないことは誰でもわかることですが、そういう屁理屈を堂々と述べられるところに、いまの松井市政下の職員の実態が示されているのではないかと思いました。
いまの広島市政そのものが、市民一人一人を大事にするよりも、あるいは世界遺産「原爆ドーム」の価値を守るよりも、大企業の利益につながる大型開発事業推進、「にぎわい」創出を優先し、世界遺産のバッファゾーン内にあえて「カキ船」という料亭船を設置させるなどという、しかも民主主義を無視したやり方で強行してきました。民主主義が生かされていないことは中央図書館の商業ビルへの移転問題でも明らかです。
大型開発事業にはいくらでも予算をつぎ込む一方で、子育てや介護には簡単に予算を出さない市政にも表れています。
松井市長以前の市政で、同じ質問をしたときにどのような答えが返ってきたかはわかりません。しかし、今の市政の下、上記のような答えが返ってきていることは事実です。今の市政では、新入職員に、「日本国憲法を遵守し」との言葉を言わせたくないのだ、としか思えないのです。
この問題は、引き続き追及していきます。

以上。


最後まで読んでいただき、中森市議に代わりましてお礼申し上げます。
寄稿いただいた文章の最後「この問題は、引き続き追及していきます」
これほど頼もしい言葉はありません。
次は2024年2月議会。熱し易く冷め易いと言われる広島の土地柄ですが、私たちもこの件を忘れてはなりません。多くの方にこのnote、また総務委員会で中森市議と行政担当者のやり取り動画に目を通していただき、問題意識を継続していきましょう!

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