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その後のアーチと街路灯

まさかの事態

2011年(平成23年)の震災後だったと記憶しています。前年に現在ユニクロが立つ場所にあった銀行の支店が閉店し、いよいよ建物を解体することになって、まさかの事態が。
中道通りの駅側にあったアーチの撤去を、土地の所有者から要請されたのでした。

アーチの足が銀行の土地に立っていた

当時の会長のもとに、ある文書が届きました。それは、銀行がなくなり建物を解体する時には、アーチも撤去するという約束の文書でした。
ボクら当時の役員にとっては青天の霹靂で、まさかアーチの足が銀行の土地に刺さっていたとは。ボクは全く気づいていませんでした。
毎日のようにアーチをくぐり、その存在を日常化していたボクは当然アーチは道路に立っていると思い込んでいたのでした。
その事実が判明して、改めて東西2ヶ所に立つアーチを確認したところ、駅側は旧銀行の土地に、そして西側は中道公園に刺さっており、大きなショックを受けた覚えがあります。
建設当時の事情までは引き継がれていなかったわけですが、改めて銀行や市のご尽力でアーチが立ったのだと再認識した次第です。

撤去前最後の雄姿

駅側アーチの撤去

そんな経緯もあり、中道通りの駅側に聳え立っていたアーチは、2013年(平成25年)5月18日深夜、撤去されました。
建設当時の会長はじめ役員の皆さんも、まさか銀行がなくなる時代が来るとは思ってもいなかったことと思います。
建設当時の熱い想いを想像すると先人たちはこの時どんな気持ちだったのか。当時の会長はすでに他界され、役員だった方々もその時の気持ちはもう覚えてないということ。その答えからも忸怩たる想いが垣間見えた気がしました。

当時Facebookにアップした画像

新しいシンボル照明灯

2013年度(平成25年度)は、アーチの撤去とともに、同じ場所に新たなシンボルとなる照明灯を建設しました。
新しいアーチを建てられないか市にも相談しましたが、法律では同じようなアーチは建てられないという説明を受けて断念し、今の形になったことを記憶しています。

水銀ランプから無電極ランプに

さらにこの年は、街路灯の電球を水銀ランプから無電極ランプに取り替える作業も行いました。
当時すでに問題になっていた水銀がもたらす環境への悪影響やランプの生産終了という流れを受けて水銀ランプの使用をやめ、当時まだLEDランプが発展途上で口金が合わなかったことや購入金額も高かったため、無電極ランプというもうひとつの道を選びました。
この無電極ランプは長寿命で、交換後まもなく10年経ちますが、点灯しなくなったランプは、84個のランプのうち3個のみ。現在も中道通りを照らし続けてくれています。
とは言え、そろそろ次なる手立てを計画しなくてはならない時期に来ていることは確かです。

防犯カメラも2013年度だった

2013年度(平成25年度)は、アーチと街路灯に関する事業が重なりました。
2013年2月に起きた痛ましい事件を受けて、吉祥寺地区の商店会と行政が一体となり防犯カメラの設置が進みました。
中道通り商店会も、中道通りと横道がクロスする交差点付近を中心に18台の防犯カメラを設置しました。
こうして振り返ると、2013年度(平成25年度)はアーチと街路灯などのインフラ整備事業に多くの時間とコストを費やした年度となりました。
そしてまもなく10年。街路灯のランプと防犯カメラの交換について次なる計画を準備するタイミングかもしれません。

マンション建設に伴う街路灯の撤去

2022年(令和4年)、中道公園の東側でマンション建設がはじまり、開発会社より建設予定地の前に立つ街路灯の撤去を要請されました。
建設工事の障害になること、近くに街路灯があることや建設後のマンションからの光を期待する等の理由から、工事費を負担して頂くことを条件に撤去を了承しました。

撤去前 長い間ありがとう!

ワンちゃんのおしっこ鉄をも穿つ

西側アーチの根元は、ワンちゃんにとってとても魅力的なマーキングポイントだったようです。
建設後25年、通りに数ある街路灯に比べて腐食が進行したこと。
補修するにも大掛かりな工事となりコスト負担が大きいこと。
将来的に必ず撤去しなくてはならなくなるタイミングがやってくること等を総合的に判断し、来年2023年度(令和5年度)中に撤去することで検討をはじめました。
ボクが会長の間に、未来に負の遺産を残さないよう対応したいと思います。

(左)腐食したアーチの足 (右)応急処置後
電線がなかったらもっと美しい風景のはず


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