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吉祥寺とボク②

ふたたびの吉祥寺

結婚後、仕事仕事の毎日で、生活圏も変わってしまったので、その後の10年間(1990年代)の記憶はほとんどありません。
ただ、勤めていた会社から独立を志してからは、「起業するなら吉祥寺」と決めていました。
5年の準備期間を経て2002年、サンロード商店街にあるダイアパレスのワンルームにオフィスを構えました。
事業は、前の会社から引きつがせてもらったクライアントの販売促進キャンペーンやイベントの企画運営、映像制作や店舗設計。
個性豊かなスタッフ4名との船出でした。

なぜ吉祥寺だったのか

ボクは、中学高校大学時代からずっと吉祥寺に憧れ、吉祥寺が唯一無二の遊び場でした。だから、育ててもらった街とも言えるこの街に、いつかは恩返しがしたいと思っていました。
また仕事柄、大小様々ある商業施設の商況やお客様の消費動向などにアンテナを張って来たボクにとって、ほかのどの街より魅力的に見えました。
吉祥寺という街は、様々なバックグラウンドをもった幅広い年齢層の人たちが、それぞれ居心地の良いお店や公園、エンタテイメント施設などの「居場所」を見つけられる街。
そして比較的コンパクトな広さの中に多種多様な業種のお店が集積していて、食事をするにも買い物をするにも音楽や映画を楽しむにもストレスの少ない街だということ。
何よりとんがりすぎない、普通の街だということ。(普通であることも大切な魅力のひとつです!)
書き出したらきりがありませんが、ボクにとって魅力あふれる街だからこそ、この地に骨を埋め、街と人とボクたちの事業のために力を尽くしたいと考えたのでした。

最初のオフィスで

サンロードのアーケード建て替えとともに

ボクがオフィスを構えて約1年後、サンロードのアーケードの建て替え工事が始まりました。ボクが借りていたワンルームはサンロード側の4階で、手を伸ばせばアーケードに触れそうな部屋でした。
古いアーケードが解体され、現在のアーケードが立ち上がるまでの日々を目の前で目撃できたことは、貴重な体験だったと思います。
続くように建て替えられたダイヤ街のアーケードとともに、変化を厭わず常に成長する吉祥寺という街を象徴する出来事を目の当たりにできたのですから。

                               ※一部画像修正しています
                               ※一部画像修正しています

中道通りとの出会い

昼も夜もスタッフと一緒に旧近鉄裏から中道通りまで遠征し、会社の未来をよく話しあいました。
時には深酒しすぎて酔いつぶれたスタッフに、路上で説教しているところを通報されておまわりさんが登場したり。当時は皆若かった。振り返れば良い思い出ばかりです。
中道通りで、懐かしく思い出すのは、「ニューズデリ」。駅側のアーチをくぐってすぐ右側の1階にあったカフェです。当時はまだ向かいの松本歯科医院が昭和レトロの香り漂う、おしゃれな洋館のような古い家屋で、夜になると吸い込まれそうになる不思議な空間を眺めながら、食事やお酒を楽しむのがうちの会社の流儀でした。
そして2004年秋、吉祥寺で会社を始めた一番の目的とも言える、自分たちのお店を開くことに着手しました。

中道通りにあったニューズデリ(中道通りMAPの画像より)

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