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中道ハンドブックとマップの話

若手役員の意見から始まった

総会資料などの記録が残っていないので記憶が頼りですが、手元に残っている2006年度(平成18年度)に作った「吉祥寺中道ハンドブック」が恐らくお客様向けにお店の情報を掲載して会員店舗で配布したはじめての冊子とマップではないかと思っていました。
前年、ボクがお店を出して商店会活動のお手伝いをスタートし、当時あった増田屋さんというお蕎麦屋さんで開催されていた役員会の末席を穢していた頃、スペイン料理「ドスガトス」の高森さんから、商店会でお店を紹介する冊子やマップ、そしてホームページを作ろうという意見が出て、制作会社の方が提案に来た時のことを覚えています。
高森さんとボクは1歳違いなので、当時40代半ば。役員の中では若手で、お店を借りて営業している若い商店主の代表みたいな方でした。

増田屋さんはセブンイレブンの前にありました

高森さんに聞きました

高森さんに当時を思い出してもらったところ、実はボクが見ている「吉祥寺中道ハンドブック」以前にもマップを作ったことがあるとのこと。いつ頃どんなものを作ったかはさすがに記憶は曖昧でしたが、当時としては画期的なことだったと高森さんは小鼻を膨らませながら話してくれました。
高森さんがお店を始めた1986年(昭和61年)から1990年代の商店会は、事業と言えばお祭りか地元にお住いの商店主の旅行や交流会が主だったので、新たに販売促進につながる事業に予算を使うことについて、諸先輩方の理解を得るのがとても大変だったとのこと。
高森さんたち当時の若手会員が、今の下地を作ってくれたことに改めて感謝です。

イベントに合わせてマップを発行

話を戻しますが、手元に残っているハンドブックを手に取ると当時の記憶がよみがえって来ます。
2006年(平成18年)初夏に発行したハンドブックは掲載店舗が175店。開くとB5サイズになる小冊子で、裏表紙にはスクラッチ抽選会の告知。中のページで地図と写真つきでお店を紹介するという素晴らしい出来映えです。
この年は同じパターンでクリスマスセールのスクラッチ抽選会の時にも発行しています。
この年以降、いくつか同様の版を重ねましたが、当時は補助金を活用して抽選会のイベントを行い、同時にハンドブックのような冊子を作ることが可能だったことで実現した施策でした。

公式ホームページとハンドブック

2009年度(平成21年度)には、はじめて商店会の公式ホームページが立ち上がりました。
ホームページを見てほしいという想いと会員店舗のことをもっと知ってほしいという想いから、ハンドブックの各店の紹介欄に、公式ホームページの各店の紹介ページの2次元コードを掲載するというアイデアにチャレンジ。
当時としては斬新な試みだったと思いますが、制作会社の方々には相当なご苦労をお掛けしたことと思います。

約180個の2次元コードを掲載

吉祥寺ECCO!!とのコラボ

今は発行が止まってしまいましたが、2009年(平成21年)から11年、吉祥寺のフリーペーパーの代表格として、商店会やお店の情報発信に寄与してくれた「吉祥寺ECCO!!」。
こちらの制作チームにMAP作りをお願いしたのは、2011年(平成23年)からでした。広げるとA2サイズになる新たな形にチャレンジしました。
さらに2015年(平成27年)には、本紙紙面とコラボしお店の紹介とマップを作りました。
「吉祥寺ECCO!!9月号」の中面4ページをお店の紹介と商店街マップでジャックして約37,000部配布。その4ページを20,000部抜き刷りして、さらに1年ぐらいかけて会員店舗をはじめ、サンロードやアトレのまち案内所で配布しました。
補助金を活用した冊子作りができなくなり、新たな方法を模索した結果の苦肉の策が続きました。

吉祥寺ECCO!!制作チームによるマップ
2015年9月発行の中面

キンシオタニさんとのコラボ

2016年度(平成28年度)には、新しいマップを作ろうという会員からの声があがり、マップ検討委員会を立ち上げました。多くの会員に委員になってもらい半年間議論を重ねました。
その結果、吉祥寺在住、イラストレーターで文筆家のキンシオタニさんにお願いして、キンさんのイラスト入りマップを作成。年間20,000部近く配布しました。国内外から吉祥寺や中道通りにお越しの方々がおみやげとして複数手に取られる光景を目にして、うれしく思ったことを覚えています。

八つに折れるコンパクトサイズ

スマホで検索する時代がやってきた

ところが、2018年(平成30年)頃から、突如マップのはけが悪くなり、年間3,000部程度のピックアップ率になりました。
確かなことは言えませんが、突然やってきたこの変化と、スマートフォンの普及とマップ検索機能が充実しはじめた時期が重なることから、多くの人が紙のマップを手にするよりも、スマートフォンで検索する便利さを知ってしまった結果ではないかと想像しています。
その後もマップのピックアップ率が低下し、翌年には年間2,000部しか印刷しなくても1年間で余ってしまう状態になったことから、2020年度(令和2年度)からはマップを印刷することをやめ、公式サイトとSNSを中心とする情報発信方法にシフトする方針に転換しました。

紙による情報発信は忘れたくないけれど

新聞、雑誌、マンガ、文庫本、チラシに地図など、手にとって読むのが子供の頃からの習慣なので、ボクはやっぱり紙が落ち着くけれど、紙の無駄にも心が痛みます。
お店が無くなったり変わったり、情報が古くなったマップでもなるべく目をつぶって配っていましたが、どうしても廃棄しなくてはならない時はいつもお金を捨てているように思えて辛かったです。
印刷はいっぺんに多く刷った方が1枚当たりの単価が安くなるという常識にとらわれることなく、配りきれるであろう少ない部数で注文し、刷っては配り、配っては刷りを繰り返していましたが、そのやり方が商店会に負担をかけるジレンマもあり、今は紙による情報発信はガイドブックやマップのみならず、イベントの告知も行わないことにしています。

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