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推したいのはこの街のヒト

この街では苦手な人に出会わない。なぜ?

中道通りと吉祥寺で街の活動をしていると、日々いろいろな人と知り合いになりますが、「この人は苦手だなぁ」と感じたことがある人が今まで本当にいない。
キャラクターが濃い人にはたくさん出会いますし、特に吉祥寺という街のことについては、一家言お持ちの方が多いので、考え方や意見が違う方も多くいらっしゃいますが、それはそれで尊重できるのです。
なぜなら、この街のヒトは皆、中道通りや吉祥寺のことを「良くしたい」と強く思っていること。そして中道通りや吉祥寺のことに関わることや自分の商売に「誇り」と「愛」を持っているから。
特にボクはこの「中道通り愛」や「吉祥寺愛」をお持ちの方に非常に共鳴しやすく、老若男女、様々なバックグラウンドの方でこうした「愛」があふれ出ている方に出会うと、リスペクトできてしまうからなんだと思います。

ワンマン社長から、弟キャラに

自分の会社や仕事では、リーダーとして社員を引っ張り、会社を守るために様々な場面で闘い続け、自分の弱みや至らなさを決して表に出さないキャラを演じているので、40年近くこんなことを続けていると、どこか疲れて来ているところがあるのは確か。
ところが、吉祥寺にいるととても心地よく、安心してヒトに甘えられるのです。自分の仕事の世界では決して味わえない感覚です。
中道通りや吉祥寺では、ヒトに対して裏表なく自分をさらすことができ、無防備に甘えられるのはなぜなのか。浮かんできた答えのひとつは、今は商売をしてないから気楽であるということ。そしてもうひとつは、街の先輩方に可愛がってもらえる安心感があるからかもしれないということでした。
中道通りや吉祥寺のことに関わる前の仕事人生は、ワンマンで一匹狼気質。心を許せる先輩がいないまま頑張ってきましたが、この街で多くの諸先輩方と出会い、お酒を酌み交わしているうちに、人生ではじめて「弟キャラ・後輩キャラ」を使えるようになりました。甘えられるって、本当に心地いいいいいい。

自分は吉祥寺劇場の観客のひとり

もうひとつ、ボクの感覚では、中道通りや吉祥寺で日々起きるあらゆることが、劇場で見るお芝居であり、テレビドラマや映画を見ている感覚でそのことを楽しんでいるきらいがあります。
個性豊かな多くの登場人物の人間模様が毎日繰り広げられ、ボクはあきることなくそれを見続けている感覚です。
とにかく、街ではいつも何かが起きるし、そこには物語性があるのです。
例えば呑み会で、あるテーマの議論がどんどんヒートアップします。アラ70歳世代の先輩ふたりが、その当事者なのですが、お互いの意見がかみ合わなくなってくると、突然スイッチがオンになり、グーパンで殴り合いがはじまります。
もちろんお互い酔っているし、年齢も年齢なのでクリーンヒットはしませんし、覚えてないから後腐れもないのですが、そばにいるボクらは、当然ですがあわてて止めに入ります。
ボクの世代ではこういう解決策が選択肢にあがることはないと思いますが、おふたりは学生時代からきっとこういう形でコミュニケーションしてきた学生運動世代の最後の世代なのか、などと勝手に想像して納得したり、ほくそ笑んだり。
呑み屋さんというステージで起きるハプニングを劇中の登場人物のひとりとして体感できる日常。
誤解のないように書きますが、もちろん日常茶飯事でこういったハプニングが起きるわけではありません。ひとつの例で、ほとんどのドラマは、もっともっと平和的な日常の中で起きています。
こんな毎日を楽しんでいる自分の感覚。おかしいでしょうか?

登場人物はサイコーのヒトばかり

この街のヒトは、先輩も同輩も後輩も皆個性豊かで、知れば知るほどとにかく面白い。
すでにお店は閉めてしまったり、経営の一線から一歩引かれている方も多くいらっしゃいますが、それでも街のために、今でもボランティア活動をされていたり、ボクのような後輩を可愛がってくれて呑みに連れてってくれたり。
呑み会では今でも強烈な存在感を放つ良き先輩がたくさんいらっしゃいます。
さらに中道通りや吉祥寺には、そこで働く個性豊かな商店主やスタッフの皆さんがいます。
面白いお店がたくさんあるのは、そこに面白いヒトがたくさんいるからだとボクは思います。
いつか皆さんから許しをもらって、ボクの好きなパイセンや街の仲間たちのことをエピソードとともにここで紹介できたらと思っています。
街やお店も面白いけれど、ボクはこの街に来て頂いたら、ぜひお店のヒトにも注目してほしいと思っています。

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