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吉祥寺とボク①

出会いはテレビの世界から

ボクと吉祥寺の出会いは、TVドラマ「俺たちの旅」。
ボクが中学生の頃に放送されていた大人気のTVドラマです。
中村雅俊さん演じるカースケ、田中健さんのオメダ、秋野太作さんのグズ六、この3人の大学生とその先輩が、人生に悩み、もがきながらも「自分」にこだわり続け、友情と青春を謳歌する群像劇。
当時のボクには主人公たちがとてもキラキラして見え、自分も大学生になったら「青春を謳歌したい」、「大学生活はこんな世界なんだ」と本気で思いこんでいました。
主人公のデニムに下駄ばきの姿を真似し、ギターを弾くようになったのもこのドラマの影響でした。

そしてこの物語の舞台のひとつが吉祥寺。
ドラマのタイトルバックはなんと当時のサンロードで撮影されていました。
画像を掲載できないのが本当に残念ですが、吉祥寺好きの人にはたまらないシーンが盛りだくさん。
吉祥寺駅北口駅前ロータリーができる前の時代なので、サンロードの入口も今とは全然違うし、ダイヤ街の「おざさ」やメンチカツで有名な「肉のサトウ」も登場し、ドラマのストーリーももちろん面白いけれど、その当時の吉祥寺を見ることができるのもこのドラマの醍醐味のひとつです。チャンスがあったら是非「俺たちの旅」をご覧ください。

高校時代の行きつけ「コンパス」

当時の大人の寛容さと仲間の名誉のために一部画像を修正しました(笑)

楽しい思い出ばかりの高校時代。
体育祭や文化祭、何か学校でイベントがあると、その打ち上げは吉祥寺で開かれることが多かったと記憶しています。
その中でも良く行ったお店が、「コンパス」。
お店はすでに閉店していますが、ボクの記憶が正しければ、「サトウ」を背に、コピスに向かって右側の「吉野家」のあるダイヤ街ビルの隣。三松ビルの地下(現「ルノアール」)にあった気がします。
間違っていたら、どなたかご教示ください。

大人の階段は下る 「サムタイム」「くぐつ草」

サムタイムとくぐつ草

大学生になってからも吉祥寺通いは続く。
高校までの野球にラグビーと運動漬けだったのに嫌気がさして、大学では演劇サークルに参加。劇団の先輩に連れられて、「サムタイム」でジャズに耳を傾け(スカシテタダケ)、「くぐつ草」で紫煙を燻らせ演劇談義(ウナズイテタダケ)。
ボクにとっての大人の階段は、登るものではなく下るもの。コーヒーとタバコとウイスキーのおいしさをおぼえたのは、吉祥寺の地下のお店ばかりだから。
振り返るに、多くの時間をこのふたつのお店で過ごした気がするけれど、まず良くお金があったなと。当時アルバイトで稼いだお金は芝居に費やしていたし、入り浸れるほどの余裕などなかったはず。先輩たちも決して豊かでなかったことを思うと奢ってもらってばかりのわけはないし。不思議な時間を過ごしていた気がするなぁ。

井の頭公園の駐車場で愛を叫ぶ

第一駐車場

大学を卒業し、テレビコマーシャルの世界で仕事をするようになってすぐに、その後の人生をともにする人と出会い、一緒に食事をしたり、映画を見たり、ふたりで過ごした街も吉祥寺でした。
井の頭恩賜公園の第一駐車場に車を止めて吉祥寺や公園を散策し、帰り際は切なく、車の中でよくふたりの未来を語り、お互いの悩みを相談しあい、そんな時を過ごしてやがて結婚することができました。
ちなみに両家が結納を行った場所は、当時開業したばかりの「吉祥寺第一ホテル」。
2022年10月28日に「吉祥寺エクセルホテル東急」として再スタートしてくれたおかげで、ボクたちの思い出の場所が吉祥寺に残ったことが何より嬉しいです。

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