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中道通り商店会の歩み

昔は末広通りとつながっていた?!

吉祥寺駅が開業する1899年(明治32年)以前、駅も線路もなかった時代、「中道通りと末広通りが一本道でつながっていた」という話を聞いたことがあったので、市役所7階の市政資料コーナーに古い地図はないか見に行ったところ、ありました。武蔵野市開村100年記念で配ばられた古地図の写しが。(※1)
当時、この通りが中道通りと呼ばれていたかどうかは定かではありませんが、周辺は畑が多く存在し、人とモノが行き交う農道であったと想像できます。
第2次世界大戦後、街の諸先輩方が大変ご苦労され、そのご努力とアイデアで開拓復興させ、今の商業集積地としての吉祥寺駅周辺エリアができあがりましたが、中道通りは住宅地と隣接する生活道路として、お米屋さん、八百屋さん、魚屋さん、お肉屋さん、金物屋さん、大工さんや畳屋さんなどなど、人々の生活を支える個人商店が点在していたそうです。

第一中道商工会から中道通り商店会へ

4年ほど前、ある大学生の卒業研究の一環で中道通り商店会の歴史を紐解く機会を得ました。
武蔵野市商店会連合会が1963年(昭和38年)に結成10周年を記念して発行した『武蔵野市商店会連合会名簿』を探し当て、その中に「第一中道商工会」(会員数:91 会長:吉本延次郎)という記述と会員名簿を発見。
さらに、翌1964年(昭和39年)に武蔵野商工会議所と武蔵野市商店会連合会が発行した『武蔵野商業名鑑』に「中道通商店会」(会員数:105 会長:吉本延次郎)の記述と名簿を確認しました。(※1)
残念ながら「第一中道商工会」がいつ発足したのか、今のところ資料がないため断定できませんが、武蔵野市商店会連合会が発足した1952年(昭和27年)当時には存在していたと考えて良いのではないでしょうか。
また、1964年(昭和39年)になぜ「中道通商店会」に名称を変えたのか。
この年に何があったのかについても資料がなく、先人たちの記憶をたどっても答えは見つかりません。
ただ、上記ふたつの資料を見比べると、住所表記が現在の表記に変わったことが見て取れます。はたして住所表記が変わったことに何か関係があるのか?
また新たな資料が見つかり次第、情報を更新して行きたいと思います。

付箋で情報更新されている武蔵野市商店会連合会所蔵の資料
みすずのお父さんが書いてくれた、昭和39年みすず創業当時とする中道通りのお店の並び
(もちろん記憶違いもありますが、ものすごい記憶力だと感服しています)

2024年に60周年を迎えることに

以上の通り、文献から中道通り商店会の発足を1964年と認定すると、2年後に60周年の節目を迎えることになります。
今まで先輩方どなたに聞いても記憶があいまいで、特に周年のお祝いなどのお披露目やイベントをやった記憶も僕ももちろんない中で、その成り立ちや歴史を知ってしまうと少々冷や汗が出てきました。
どうしよう、60周年の式典や記念事業をやった方が良いのだろうか。
宿題がまた増えました。

会員数の拡大が通りの活力を生んでいる

会員数の推移

手元にある武蔵野市商店会連合会の創立記念事業として発行された商業名鑑(※1)を中心に、そこに記載された中道通り商店会の会員数を単純にグラフにしてみました。
1960年代から70年代前半はほぼ横ばいですが、70年代中ごろから、会員数拡大の山が現れます。
これは、新しいビルやマンションが建ち店舗スペースが増えたこと、駅を中心とするセントラルエリアの再開発や、道路の拡幅工事などにより立ち退きを余儀なくされた商店主が中道通りに移転し、商売を再スタートさせた結果ではないかと想像しています。
2000年代に入ると、もともとこの地に住み商売をしていた方々がお店を人に貸すようになり、市内外から個人経営者や企業の出店が拡大したこと、さらに中道通りに交差する南北の小道や井の頭通りに面しているお店も会員になってくれるようになったことで、会員数が一気に増えました。

※グラフの会員数は、名簿作成時と記念誌発行時にタイムラグがあるため、グラフに記載された基準年の1月1日時点の会員数とは若干異なります。

(※1)【参考文献】

  • 武蔵野市開村100年記念 明治13年測量同19年製版 古地図資料出版

  • 結成十周年記念 武蔵野市商店会連合会名簿(1963)

  • 武蔵野商業名鑑(1964)

  • 武蔵野商業名鑑 商店街開発のために(1968)

  • 武蔵野市商店会連合会創立20周年記念 武蔵野商業名鑑(1973)

  • 創立30周年記念 武蔵野商業名鑑(1983)

  • 創立35周年記念 商業名鑑(1988)

  • 創立40周年記念 商業名鑑(1993)

  • 創立45周年記念 武蔵野商業名鑑(1998)

  • 創立50周年記念 むさしの商業名鑑(2003)

  • 創立60周年記念 むさしの商業名鑑(2013)

  • 創立70周年記念 むさしの商業名鑑(2023)

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