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ボクの街活ポリシー

自分がぶれそうになった時に、読み返すための備忘録として書いておきます。

できることはできる限りやる

吉祥寺に事務所を構えた時から、いつかこの街に恩返しがしたいと考えていたけれど、お店を出すまではその糸口がなかなか見つかりませんでした。
でも苦労して中道通りでお店をオープンしたことから、商店会や地域とつながれるようになり道が開けた気がします。
最初は配りものや集金などのお手伝いからはじまり、やがて商店会の役員になり役員会にも参加させてもらうようになって、商店会の意思決定プロセスを知ることができました。
この街の多くの愛すべき人たちと出会い、お祭りだけでなく商店会や地域の活動に携わるようになって、自分の進むべき道が明確になりました。
そしてこの手ごたえが、やがて中道通りだけでなく、吉祥寺活性化協議会や武蔵野市商店会連合会の活動に携わるエネルギーになったと言えます。

仕事にしない

ボクが商店会を手伝い始めたころは、商店会にマップもホームページもない時代で、イベントと言えば秋祭りと歳末の抽選会ぐらい。
長く商業施設の年間販促や運営のサポートを生業としてきたボクとしては、そこで培ってきた知識とノウハウを中道通り商店会に提供できないか、そして少しは自分の会社の仕事につながらないかと考えていました。
しかしある時に気づいたことがありました。
それは、商店会から仕事をもらうようになると、中道通り商店会がクライアントになってしまい、そこに利害関係が生まれるということ。
もちろん知識やノウハウを提供するなら正当な報酬は頂くべきですが、商店会の一員として商店会のためになることを提供していくことと、仕事をもらう会社の経営者として会社のためになることを選択する時に、そこに二律背反する思考が自分の中に起こり、やがて混乱してやってられなくなるなと。
それに仕事でやり始めたら、利害関係があるが故に、言いたいことも言えなくなって、ボクの商店会活動がとてもつまらないものになる。さらに、仕事を頼む発注側と頼まれる受注側が一緒になってしまい、道義的な問題も発生することになるぞと気づいたのでした。
当時はまさか会長になるとは考えてもいませんでしたが、早いうちに気づいて良かったと思います。
気づいてからは、仕事で関わることは一切考えず、徹底的に自分の知識とノウハウを提供しようと思うようになりました。

ボランティアを言い訳にしない

商店会の大先輩からの言葉が、今でも心に残っているのでここに記します。
「中道通り商店会の運営は、役員がボランティアで支えている。それはとても素晴らしいこと。だけど、ボランティアゆえ、自分の仕事が忙しくなると、自分の仕事が優先になって、商店会の運営が疎かになる。
でも商店会は、会員から預かる会費で成り立っているので、会員から見れば疎かにされては困ることも多々ある。だからたとえボランティアでも、仕事と同じようにちゃんと取り組まなくてはならない。それぐらいの覚悟を持って商店会の運営は取り組んでほしい。それに何よりボランティアだからこそ、強制されて役員になっているわけではないので、ちゃんとできないなら中途半端に関わるべきではない。」
ちゃんとできないならやらなくていい。ただし、やるならちゃんとやってほしいというシンプルなメッセージ。たとえボランティアでも手を抜いてはいけないという教えでした。

次の世代への橋渡しをイメージする

商店会を運営するためにはたくさんの実務があります。
まずは会費を集め、必要な補助金を申請し、事業予算を適正に使う実務。
次にお祭りやイベントに代表される商店会の事業を企画運営していく実務。そして街路灯や防犯カメラのメンテナンス等のインフラの管理実務。
さらに会員の皆さんへ情報を共有したり、会員同士の交流機会を作るための実務。
これ以外にも細かい雑務がたくさんありますが、うちの商店会は、ボクが手伝いをはじめたころから、会費の集金や商店会からのお知らせなど会員への配りものは役員が分担して行い、それ以外のことはほぼ会長がやってきました。
前会長から引き継いだ時に、ボクは会費の集金をやめ、引き落としか請求書を発行して振り込んでもらう方法に変えました。
まずは役員の負担軽減と現金を扱うリスクの軽減が目的でしたが、この20年で会員数が100以上増え、会費を集金すること自体が時代にそぐわない不合理な方法になっていたのも事実です。
ボクは、商店会の会長含む役員は、商店会の進むべき道や事業のアイデアを出し合い、意思決定していくために関わり、実務は人を雇い仕事として携わってもらうのが理想と考えています。
それは、会長や役員であっても、お店や自分の事業に携わりながら商店会にボランティアで関わっているのだから、大先輩の教えはリスペクトしていますが、負担はなるべく軽くあるべきだと考えます。
しかし実情は、ボランティアでこなせるレベルを超えた実務が年々増えているのも事実で、ボクが会長のうちに会の運営の仕組みを変えないと、将来会長や役員を進んでやってくれる人がいなくなるのでは、と危惧しています。
次の世代の会長や役員の皆さんには、そういう体制にして引き継ぎたいと思っています。

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