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試行錯誤のクリスマス

今回はクリスマスのイベント事業にフォーカスしたいと思います。

一大商機、クリスマス

クリスマスは、1年の中で最もモノが売れる時期なので、商店街も大型店も、どこもかしこもイベントやキャンペーンが盛りだくさんに開催される時期。
中道通り商店会もご多聞に漏れず。ボクが商店会に関わる前のことは記録がないので今のところわかりませんが、関わるようになってからは、毎年のように様々なクリスマスイベントが開催されてきました。

アナログ時代は抽選のオンパレード

手元に記録やビジュアルが残っているもので一番古いイベントは、2006年(平成18年)に開催された中道通り商店会クリスマスセールです。この年はスクラッチカードによる抽選が行われました。
総額150万円のお買物券、言い方を変えると500円のお買物券が3,000本当たる抽選会で、お買物をするとその場でスクラッチカードがもらえ、当たるとスクラッチカードがそのままお買物券になるという、なかなかの企画でした。お店で当たるともうひとつ何か買っちゃおうかなとお客様に思って頂くための作戦でした。このパターンは、2008年(平成20年)のクリスマスまで続きました。

2009年(平成21年)は、会員店舗で3,000円以上のお買い上げで1回ガラポン抽選ができる方式に企画を変更するとともに、クリスマスイルミネーションもスタートさせました。
中道通りの駅側アーチの下にイルミネーション、そして街路灯にクリスマスリースを設置し、クリスマスに相応しい装飾を中道通りいっぱいに展開しました。

八百銀さんが抽選会場に

2010年(平成21年)は、またまたスクラッチ抽選に戻りましたが、閉店した旧三菱東京UFJ銀行吉祥寺駅前支店の駐車場で、なかみちマルシェという新たな販売イベントにも挑戦し、はずれたスクラッチカード2枚をマルシェに持ってくると敗者復活戦のようなダブルチャンスゲームにチャレンジできると言ったお楽しみ企画も行いました。

この企画が、震災後のチャリティマルシェに生きている

2011年(平成23年)は、震災を乗り越えて準備を進めていた所でしたが、旧三菱東京UFJ銀行吉祥寺駅前支店の取り壊しにより、会場として想定してきた駐車場が使えなくなり、抽選会はあえなく中止。クリスマスイルミネーションのみ実施したと記録に残っています。
そして、2012年(平成24年)はスクラッチ抽選会を復活させましたが、翌年2013年(平成25年)は、駅側のアーチの撤去やシンボル街路灯の新設、防犯カメラの設置など、いわゆるインフラ整備に多額の費用がかかることから、クリスマス抽選会やイルミネーションの実施を断念したということもありました。

2012年(平成24年)のポスター

2014年(平成26年)と2015年(平成27年)は、手を変え品を変え場所も変え、ガラポンやスタンプを集める応募型など様々な企画を実施しました。
特筆すべきは、2014年(平成26年)にクリスマスイルミネーションを駅側アーチが前年に撤去されてしまったことから西側のアーチへ移動することになったこと。
そして2015年(平成27年)には、スタンプを集めて応募用紙を応募箱に投函し、賞品は当選者に抽選後送付するという方法に変更したことでした。

イルミ―ネーションを西側アーチへ移動

試行錯誤の末に行きついたこと

2006年(平成18年)から2015年(平成27年)まで、様々な抽選方法と企画にチャレンジしてきましたが、かける費用とマンパワーの割に、効果が薄いのではないかという疑念が生じました。
もともと、プレゼントできるお買物券の総量が少ないため、経済効果という側面からは期待できませんでした。そして、お客様にお買物券をプレゼントしても、そもそもプレゼントする総量が少ないため、お買物券を使ってもらえるお店が少数に限られる結果、「全然お買物券持ってお客さん来ないんだけど」といった声が会員店舗からもあがる始末。
会員店舗が、参加している「実感」が得られていないということが、顕在化してきたのも事実でした。
さらに言うと、クリスマスのこの時期は、サンロード商店街やダイヤ街、大型店でも同じような企画をあちこちでやっていましたが、そもそもそちらは事業予算も企画内容もうちとは桁が違い。
このまま同じようなことをやっていてもお客様にとって魅力ある内容にならないのでは。
もっとどこの商店街もやっていないことをやらないとだめだということを痛感したのでした。

そして行きついたのが、2016年(平成28年)にスタートした「中道通りキャンドルナイトハートフルストリート」でした。
まずは、一部の会員店舗しかメリットを享受できない仕組みになってしまった施策は全部捨て、中道通りを中心とする吉祥寺ウェストエリアのイメージアップをはかること。そしてSNSという新たなコミュニケーションツールを使った情報発信ともシナジー効果が期待できる方法は何かを商店会役員で検討し、導き出した答えが「キャンドル」でした。
会員が参加している「実感」を得られることの大切さについても、実はキャンドルのイベントに変えてはじめてわかったことでもありました。
お店にキャンドルを預けて店頭でディスプレイしてもらうと、それを見たお客様が「きれいね」とか「どこで買えるの」とか、お店にお客様の声が、直接届くことが多くなりました。
そしてこのお客様の反応こそが、会員店舗の皆さんにイベントに参加している「実感」を届け、「キャンドルを飾って良かった」、「商店会のイベントに参加してよかった」と感じてもらえるようになるということがわかりました。
お客様に喜んで頂いている実感も感じられ、商店会の会員の皆さんからもこのイベントについて多くのコメントを聞けたことは、企画や準備を中心となってやるボクにとってもありがたいことでした。
この「中道通りキャンドルナイトハートフルストリート」の成り立ちと現在地は、またの機会に記したいと思います。

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