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今までの経験を振り返ろう。第21話。

前回完全分業制の穴の話で

「楽」を選ばず、ディレクターによりそう形

ということを書いたのですが、よりそわないとどうなるか。「穴」が深い場合はどうなるか。そういうパターンに何度も遭遇している。

私のスキルは幅広いが浅い。だから全体を見渡すことができるが、さすがにデザインデータのレイヤーとか、システムのコードまで見ることはないので細かい話は、私なんかが説明するより明らかに本人が話したほうがいい状況なんて山ほどある。

たとえば、デザイナーとフロントエンジニアの間で、「こういう動きにしたいんだけど、技術的には可能かな?」という質問の場合、本人通しが話をしたほうがよいが、やはりコミュニケーションが下手だからか、しゃべりたくないからか「●●の動きができるかどうか確認してください」と言われることもあった。

一番ひどいのは「この部分のデザインがないので、作るように言ってください」という社内での確認を依頼されたりすることもあった。同じフロアにいある、5m先の相手に私が聞きにいくという仕事だ。

こうなるとディレクターはクライアントとの折衝ではなくて、社内の伝書鳩となる。

ここで私は疑問を感じるようになった。なぜ社内の君たちの共有作業に私が時間を費やさなきゃならない?

そう、これが完全分業制の穴。よりそわない=チームワークがないってこと。となると、断然1人で仕事をしたほうがよいと思う。

もちろん私が入ったほうが良い場合もあるが、それは伝書鳩ではなくてアイディアを共有する場を作るように心がけるということがディレクターの仕事なんではないかなと私は思う。

ディレクターの仕事なんて、やってる人や会社で決められてしまうけど、手を動かさない範囲であれば、やれるところまではやりたい。必要ないなと思ったら、手をひいてもっとほかに自分ができるところを探せばいい。なんて思うんですよね。



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