cvpaper.challengeに参加して准教授になった話

メリークリスマス!東京工業大学の井上です。私はcvpaper.challengeのアドバイザーとして、一緒に楽しく活動をさせてもらっています。この記事では、私がcvpaper.challengeに参加することになった契機から、片岡さんやメンバーのみなさんとの研究活動を通して准教授になった話をしてみたいと思います。

2018年 cvpaper.challenge参戦

6月CVPRでの出来事でした。私は現地に居なかったのですが、参戦が決定していました。おそらく現地参加組で盛り上がった結果、私がメンターのような形で加わることが決まったのだと思います。とてもありがたい話ですね。もちろん片岡さんと直接話したことはありませんでした...

月末、片岡さんからメールで正式にお誘いを頂いて、早稲田大学で開催されたcvpaper.challenge全体ミーティングに参加しました。CVPRの参加報告などを聴き、当時は少人数ながら意欲的な活動をしているという印象でした。

発表プログラム終了後、片岡さんや福原さんにほぼ初めましてのご挨拶をして、お互いにやりたいことを話し合うことになったのですが、私が放った「コンペやりませんか?」の一言で急展開を迎えます。

2019年 ICCV Workshop主催

コンペをやってみたい。その時、cvpaper.challengeではActivityNetで動作認識のコンペに参加している研究チームがあったため、一緒にやりますか?という話を頂いたのですが、そういう話ではなかったのです。

「国際会議のワークショップでコンペを主催したい」と意図をお伝えしたら、見事にキョトンとした反応でした。トップ会議のワークショップに論文を投稿したことがある方もない方も、主催者一覧を見たことがありますか?調べれば調べるほど、そう簡単にできるはずがありません。ここで始まったのは正真正銘のchallengeでした。

結果としては、みなさんもご存知の通りICCVでのワークショップ主催が実現することになります。大きなコンペの実施とはなりませんでしたが、テーマの設定、募集要項の策定、オーガナイザーの依頼、招待講演の依頼と、自分たちで全ての準備をした訳です。ICCVにプロポーザルを出すだけでも準備が大変でしたが、採択が決まったのはとても喜ばしいことでした。片岡さん、OSX/Ridge-iの牛久さん、東大の松井さん、オーガナイザーや講演お願いした先生方、50名近くの査読メンバーの協力があって、当日は300人を超える満席の開催となりました。その後の開催はコロナで見送りとなってしまいましたが、また時期を見て企画を立てたいものです。http://lsfsl.net/ws/

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cvpaper.challengeでは、みんながそれぞれ自分の目標に向かって大きなchallengeをしています。論文を書くのはもちろん大切ですが、研究仲間を作ったり、コミュニティを作ったり、学会やワークショプを作ったりと、研究活動の醍醐味を味わえます。

2020年 ACCV Best Paper Honorable Mention Award受賞

研究活動の方はというと、Rejectの嵐だったフラクタル画像を用いた事前学習の研究が、遂に日の目を見ることになります。この研究は、2018年末の全体会議で話を伺って、惚れ込んだことから私もチームに加わったのですが、新奇性があまりにも高くなかなか世の中には認めてもらえなかったのです。

それでもこの研究の面白さに疑う余地はありませんでした。プレゼンの方法も何度も工夫し、研究に携わるメンバーも増やし、実験も規模を拡大し続けました。その結果、"Pre-training without Natural Images"という最高のタイトルでACCV Best Paper Honorable Mention Awardの受賞に至った訳です。

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よく諦めないことが大事だと言いますが、みなさんにもっと大切にしてほしいのは、自分自身が面白い・興味深いと思うことをやり続けること。そして、自分1人で考えるよりも先に誰かに話すことです。

捨てる神あれば拾う神あり、あなたには必ず味方が居ます。でも、本当は世界中の研究者があなたの味方なのですよ?決して競争だと思わないで自分の興味にまっしぐらになってみると、世界のみかたが変わるかもしれません。

2021年 准教授になりました

2021年12月より、cvpaper.challengeでの成果も認められ、お陰様で准教授になりました。片岡さんをはじめ、一緒に研究や議論をしてくださったみなさんには本当に感謝しています。12月1日付けだったのですが、この日は中嶋さんとの共著論文がAAAI22に採択された日でもあります。この論文も4人中2人がRejectの評価だったのですが、彼の的確なリバッタルで全員Acceptの評価となりました。

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cvpaper.challengeのメンバーはいつも和気藹々とした雰囲気なのですが、ここ数年でメキメキと全体のレベルが上がっているのを肌で感じています。これは、メンバーの士気の高さによるもので、論文調査、実験実施、論文執筆など全てにおいて、全員の能力が飛躍的に向上しているためだと思います。

2022年に向けて

2022年、cvpaper.challengeでは一緒に研究を実施できるメンバーを募集しています。アドカレを読んでもらえば、大勢の人が楽しく自由に研究をしている雰囲気が良くわかるのではないかと思います。また、論文投稿という共通の目標や、CCCなどのイベントがあることで、初めての人でもペースを掴みながら研究が実施できるはずです。

英語ができない、実装が難しい、結果が出ない、なにをやればいいのか分からない、そんななやみを抱えていたら、2022年、cvpaper.challengeに参加してみてはいかがですか?同じことを思っているメンバーがほとんどです。

そんな仲間を見つけて、来年も大きなchallengeをしていきましょう!

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