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飲み会の幹事はリーダーシップ演習(書籍紹介)

知り合いに読書アウトプットを促すために何か書籍紹介するためのお題をくれとお願いしたところ、「飲み会の幹事について」というとんでも依頼が来ました。いや、そんな書籍ないでしょと返したところ、大喜利的にどんなひねりで書籍紹介するか楽しみたいというとんでも回答をいただきました。

さて、普段あまり小説も読まないし、お酒は好きだけどそんな書籍を買ったこともない。だいたい飲み会幹事ってなんだよ、いつもノリでしかやってねーよと考えた結果、飲み会幹事っていうのはリーダーシップのシミュレーションみたいなもんって言い切っちまえ!という考えに至り、一冊の本を選びました。

採用基準

言い切っちまえという勢いで決めたものの、飲み会幹事とリーダーシップを紐づけたことにはそれなりの理由がある。以降で説明をさせていただきたい。

【書籍紹介】

リーダーシップはさまざまな定義がされている。というよりは、曖昧なニュアンスのまま都合のいい言葉として使われていると私は考えている。この会社に足らないのはリーダーシップだ、リーダーシップがないからあんなトラブルが発生したなどなど。このように何かの問題について、ふわっとした抽象概念としてリーダーシップは扱われているように思う。

では、逆にリーダーシップがある(発揮できた)ということはなんだろうか。これに答えれらる人はあまりいない。少なくとも私はこの本に出会うまでは人に聞いても曖昧な答えをもらっていた。その中でもみんなを引っ張っていく人という答えは多かったと思う。その通りではあるが、その答えはリーダーという役割の日本語訳でしかないと思え、自分の中でもやもやとしたものがあった。

この本において、リーダーシップとは「目的を達成する力」と非常にシンプルな答えを主張している。この一文だけでは腑に落ちないかと思われるが、本書を一読した後には納得のいく答えとなるであろう。その主張と説明については本書を読んでいただくこととして、ここでは、本の中で特に印象に残っている、リーダーシップはどこでも発揮できることの例え話を紹介させてもらいたい。

例えば、あなたが電車で外出していて、帰ろうとした矢先に電車遅延が起きたとする。この時あなたの目標は家に帰ることだ。当然、他の交通手段で大混雑が起きる。タクシーで帰ろうとすると長蛇の列ができる。順番待ちをしていればそのうち乗れるが、同じ方面に向かう人たち同士で相乗りをすればより早く目的を達成できる。なので、ここでは相乗りをする人を探したり、並んでる人たちに相乗りを促せる行動を取るのがリーダーシップだ。

タクシー待ちの例は、日本人の文化特性なども混ざるためそれがいい悪いと言えることではないと思う。ただ、リーダーシップに必要とされる要素を端的に表している例え話だと私は思っている。

この例え話から、飲み会の幹事はリーダーシップを発揮する演習として考えてもいいのではないかという考えに至った。飲み屋を「決める」こと、それをみんなに「伝える」こと、はっきりとしてない飲み会の目的を自分なりに解釈して達成すること。多くの点で演習に適していると思う。
(「決める」「伝える」はリーダーのタスクとして本書で書かれていること。)

【最後に】

うちのチーム(会社、日本)はリーダーにリーダーシップがない、ということを思ったことがある方にはぜひ一読していただきたい一冊だ。チームや会社ですぐにリーダーシップを発揮するのが難しい場合には飲み会を開いて幹事をして練習してみよう。

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