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谷村新司さんを偲んで

2023年10月8日に音楽家・谷村新司さんが永眠されました。

noteにはポジティブな内容だけ書こう、と思っていましたが、訃報を知ってから谷村新司さんのことしか頭に浮かんできません。

こんなに悲しい気持ちでnoteを書くのは初めてです。

谷村新司さんは、私の亡くなった母が大ファンでした。

私が母のお腹の中にいる時からずっと聴き続けているといっても過言ではありません。

母に喜んで欲しくて、谷村さんのラジオ『純喫茶谷村』に何度も投稿したこと。

あの深くて優しい声で、私のハガキを読んでくださったこと。忘れられません。

都会から地方に嫁いだ母。

私たち三姉妹のワンオペ育児や、義両親の介護など辛かった出来事も多かったはずです。

定期的に地方コンサートを開催してくれる谷村さんに会えるのを楽しみにがんばっていました。

育児と介護が落ち着いてからは、谷村さんのおっかけで全国行脚。

沖縄から北海道。中国にも遠征して、気づけば日本全国に谷村友だちがいるる状況。私の知る母は、この頃が一番輝いていました。

母の癌が発覚してからは、辛い治療や長引く入院も、谷村さんやアリスのCDとライブDVDを差し入れすれば「病院で布教活動するね」と、喜んでくれました。

母が家族にとっての明るい太陽で居続けられたのは、谷村新司さんのおかげだと思っています。感謝しかありません。

母が亡くなった年に、彼女が楽しみにしていた地方コンサートを父と姉と観覧しました。

「谷村さん、年々ちっちゃくなるから、ちゃんと食べてるのか心配になる〜」

抗癌治療によって、すっかり痩せてしまった母自身が、谷村さんの身を案じていたのを思い出しました。

母の言う通り、すっり小さく見える谷村さん。けれど数々のヒット曲を歌われる姿はとても大きかったです。

中でも『群青』という、映画『連合艦隊』の主題歌として作られた楽曲は圧巻でした。

谷村さんがゆっくりと絞り出すように楽曲紹介するのを昨日のように思い出されます。

「群青は、戦争で先に逝く我が子を思った親の心情を描きました」

母の死を受け入れられない自分の心情とあいまって、涙が止まらない一曲でした。


母が亡くなって、谷村新司さんの曲を意識的に遠ざけていたので、約2年ぶりに耳にします。

谷村さんと母を思い起こして、涙が止まりません。

どうか、どうか安らかに……
どうか谷村さんのファンの方々、お気を落とされませんように……

心からご冥福をお祈りします。

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