ふみぐら社さんの小さなお話【 #寄せ文庫 】
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私も小さな話が好きな方だが、ふみぐら社さんも大概である。
どうでもいい話題のどうでもいい箇所をこねくり回して光をあてる。そこに言葉が生まれる。それが繋がって文章になる。そんなことをずっと面白おかしくやってらっしゃる姿をお見受けする。「魚の皮が好きと言えない」もそのうちの一つだろう。
ただ魚の皮が好きだと言うだけの話なのだがこれが絶妙なのだ。読んでみると魚の皮がどう美味しいのかも書かれていないし、理由も明確に書かれていない。ふみぐら社さんは何となく好きなのである。
有名なエビフライの尻尾ほどの逸話性もない。(※尻尾なんて捨てられる部位だけど、あれを一緒に揚げることでエビフライはエビフライとしてスターになったという話のこと)
でも、話の間がもつのである。
立派だなぁ…
落語のまくらに丁度いいかもしれないそんな言葉がふみぐら社さんの文章にはいっぱい詰まっている。あえて書かれていない。そんな隙間も含めていっぱい詰まっているのだ。
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(あとがき)
タイトルの画像は奈良の薬師寺である。近所なのでフラッとカメラ片手に立ち寄った。晴れた日だったので伽藍を含めた広々とした写真を撮りたいと考えていたのだが、しかし、画角の狭い望遠のレンズしか手元になかったので、ひたすら小さな写真を撮りまくる羽目になってしまった。その時の一コマである。
失敗したと思ったが、映った画像をチェックすると屋根の上に小さな鳥がいたりして、普段なら撮り逃すだろうシーンが撮れたので結果として好きな写真の一枚になった。
私の小さな話でした。
小さな話を持ち寄って小さな会話がしたいな。
ここのコメントを目にしてくれてるってことは最後まで読んでくれたってことですよね、きっと。 とっても嬉しいし ありがたいことだなー