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経験のタナオロシ計画。

 策家(さっか)のないとうです。名古屋を拠点に企画者として活動しています。策とは企画、企画とは「誰かの手助け」。動画・音楽・ウェブや印刷物などのクリエイティブやイベント、販促、組織の体質改善など、ノンジャンルで企画を立てております。

 ワタクシは聖人君子ではありませぬ。

 元来、頭の回転は遅くはないだろうと自覚していて、さらに短気です。

 なぜのっけからこんなことを書いているかというと、ここから書いてあることに対する自己保身です(笑)

 およそ3年に渡り、指導員的な立場もしているんです。ワタクシが担当する彼は、彼を知る多くの人が口をそろえて「関わるとロクなことがないよ」という事前情報でした。

 そして、それはまさしくその通りだったという(笑)

 落語の立川談志師匠が残した多くの言葉の中に「評価は他人がする」というものがあります。これには本当に腹落ちしていて、自分で自分のことを評価し、それ(自分の自己評価)を聞かれてもいないのに人に話してしまうことにもともと違和感を感じていたのです。

 また、人は「人の言葉を聞いて、行動と見比べる」というのを無意識にでもしていて、言ったとおりにしない人にはもれなくガッカリしたり腹が立つということも過去何度も経験も見聞きもしています。

 この二つの要素を組み合わせると、自己評価は「事故評価」になるんです。つまり、事故ってる、と(笑)

 自己評価を言えば言うほどにガッカリされたり腹を立てさせたりするという行為を繰り返せば、当然のごとく信頼どころか信用もなくなっていきますよね。

 さて、今回は指導中の彼が、過去何度となく伝えてきたことを未だにまったく反映できていないことを受け、最終手段として経験の棚卸をしてもらうことにしました。

 状況を簡単に言うと、ワタクシとクライアントの間に彼がいて、彼はその立場をやりたいというから任せ、いつも「大丈夫です」と言い、毎回大丈夫じゃなく、結局毎回のようにしりぬぐいをさせられ続けて3年も経ったということです(笑)

 今回はそこに加えて、トラブル時に具体的な指示を出したのに、彼はあろうことか勝手な自分の考えを優先してワタクシが聞いて欲しいことを聞いて来ず、何度も電話をしなくてはならなくなったのです。

 予定通りであればワタクシが手を動かすことは何もなく(ギャラもない)、軽い確認や相談だけで事が済んでいたはず。なぜなら昨年同様のことがあったので前例を見習えばできるだろうと彼にも話していたんです。彼の言葉を真に受ければ「できるようになりたい」「任せて欲しい」「たくさんギャラが欲しい」ということだったのでそういう対応でした。

 それが、「やっぱり自信がないので同席して見てて欲しい」になり、「スケジュールが合わないのでやっぱり今回はお任せしたい」になり「先方からデータが来るのがギリギリになります」になり、そのギリギリはぶっちぎられ、翌日の朝から対応(いつデータが来てもいいように待機)になり、やっと来たと思ったら完成データでもらうはずのものがパーツで複数来て、なおかつ昨年とは全く違う内容が送られてきた。というオンパレードっぷり(笑)

 実はね、まだここからあるのです!

 データのサイズ違いが起き、再びクライアントと相談し、「やっときました」と送られてきたデータは寸法違いのままのものを送ってきて、「寸法変わってないけど?」と返したらすぐに正しいデータが送られてくる。

 なんかね、昔読んだ「会社員モノ」の漫画で、絵にかいたような要領の悪い後輩みたいなダメっぷりなんですよ。

「先輩! コーヒー買っていましたー」っていいながら目の前でコケて全部台無しにする、を繰り返す、みたいな(笑

 彼の代わりに手を動かしたとしても、予定通りであれば1時間もかからない内容だったのに、結局このやりとりや待機で丸っと二日間これにとられました。

 はてさて、これをどうしたものか?

 彼との関りをバッサリ切るのはいつでもできる。だがなぜ関わり続けているかというと、それはクライアントと自分のためなんです。この仕事に関して立ち上げから関わり、最初にクライアントに提案したことがまだまったく満たされてもいないのに手を引くことは自分にとってしたくないことだから。

 とはいえ、まだやりたいこともやんなきゃなんないことも山積みの状態なのに、シンプルに進められそうなことがことごとくトラブルに変わる。
これは放置できません。

 人生は1回で時間も限られているわけですからね。くだらんミスを繰り返すことはなんとしても避けたいのです。

 かのトヨタでは、なにかトラブルが起きると原因追求をするんですが、確か「最低でも3回は“なぜ?”を繰り返す」そうです。本当の原因=「真因」をつきとめるためですね。

「臭いにおいは元から断つ」と同じで、真因をつきとめて対処しない限り、同じトラブルが繰り返されるリスクは避けられないんです。

 なので彼にも時間をとってもらい、「なぜ前例もあることでこれだけのトラブルになったのか?」という真因追求をします。

 この件以外にも彼にはいろんな課題が山積しています。

 ・期限を切らない
  →「すぐに」「後日」と必ず濁し、こっちから連絡するばかり

 ・自分が思ったことは正しいと思い込んでいる(確認しない)

 ・待たせている人に進捗を報告しない
 
 →こっちから連絡するとすでに答えを持っている(止めている)

 ・業界用語やカタカナ語を多用し、賢いフリをする

 ・何か起きても(起こしても)、「気をつけます」しか言わない

 と、このくらいにしておきましょうか、まだあるけど(笑

 ワタクシの場合、できていないことを欠点とか弱点とか言うのはあまり好きじゃないんですよ。少々強引にポジティブに言葉を選べば「のびしろ」ですからね。

 つまり、「今できないことは悪いことじゃない」という分類です。

 逆に「今後もできようにする姿勢がない」とワタクシはもうムリだ!となります。

 それに、企画やクリエイティブの業界で働きたいと思っている彼が、こんなことでトラブルを繰り返していて立派になるなんてまったく想像できません(笑)

 野球で言えばね、ホームランは打つけど、打ったら1塁に向かうことを覚えないようなものですから。

 これらの課題を解決するには、彼の「経験の棚卸」をするんです。具体的な会社名やクライアント名は言わなくてもいいけれど、これまでどんな仕事をどんなふうにしてきて、自分以外にどんな評価を受けてきて、経験からどんなことを学んできたのかをすべて話してもらいます。

 ひとまず彼には「予定通りなら1時間以内で終わるようなことを丸二日かかっているのは自分に原因があるって自覚してる?」とジャブは打ちました。

 言葉では認めてくれたので、「じゃあこの問題の根本的な原因を追究して二度と起こらないようにするために話そう」と提案しました。

 彼がどこまで正直に自分の過去を語るのか?

 客観的事実と自分の考えを混同していないか?

 相手の理解よりも自分の使いたいカタカナ語を優先していないか?

 などなど、彼のしてきた経験に、ワタクシの知見から出た問いを投げてみます。ざっくり言えば、願わくば彼が「自分以外に誠実な人」になってくれて、少しでも「自分を盛る」をやめてくれることを願うばかりです。

 棚卸が終わったら、またこの続きを書きます。


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