見出し画像

サイコウチクについて。

 策家(さっか)のないとうです。名古屋を拠点に企画者として活動しています。策とは企画、企画とは「誰かの手助け」。動画・音楽・ウェブや印刷物などのクリエイティブやイベント、販促、組織の体質改善など、ノンジャンルで企画を立てております。

 今日はある業界のセミナーを聞いてきました。日本ではあまり知られていないけれど、専門学校にはそれを学ぶコースはある、みたいな話です。

 登壇された方がお知り合いで声をかけていただき、彼女がどんな話をするのか、どんな人がどんな姿勢で聴いているのか、主催している人はどんな人か?などを観察する目的で行ったわけです。

 今日書いているテーマは「再構築」

 書いてしまうとまたどなたかから「口が悪い」と言われてしまいそうですが、いわゆるマイナーな分野で活動するみなさんが、その分野で持続的に活動するためには、一度はちゃんと考えてみて欲しいので書いております。

 メジャーな業界であれば、活躍と収入がある程度は比例するものですが、それがマイナーになると「食べていくのがやっと」という状況が続いたりします。それがコロナの影響もあって、ただでさえキツイのに仕事自体がなくなって廃業してしまったという方もおられるでしょう。

 なんとか生き残り、人の行き来も増えてきて、「さて、これからどうしよう?」となっているタイミングが今かな?と思っています。

 なにせ世界がコロナを経験したことで、今までは「行って●●する」って話が一定数は「行かないでやるほうがいい」となったわけなので、同じことをするにしても「来る理由」ってのをちゃんと用意しなければ人が来なくなるわけです。

 だから再構築

 で、どうせ再構築するなら「最高の築」をするために「今までこうしてきた」ということを一度ぜーんぶ取っ払って考えましょうというご提案でもあります。

 <マイナー分野あるある>
 ①受注が少ない
 ②ギャラが少ない
 ③今までやってきたやり方しか知らないから発想が湧かない
 ④学生や後進の方々に教えているが、業界の明るい未来を見せられない
 ⑤受注よりも教えることで生計を立てている

 という感じですかね。これはいくつかの分野で、ご自身が「この仕事は好きなんだけど、どうしようもない」とおっしゃっていたことをまとめるとこんな感じなんです。

①受注が少ない
 例えば、首都圏にはあるのに地方都市だと仕事の数が激減するとか。「依頼する」という概念がないので営業しても獲得が難しいとか。初受注を獲得したとしても今一つクライアントの反響が良くなくて、リピート受注につながらない、とか。

②ギャラが少ない
 好きなことを仕事にする人の多くは、お金の話や交渉事が苦手。だからマイナー分野の自分の仕事も胸を張ってギャラ提示や交渉ができない。仕事も少ないから自分の見積りよりもクライアントの懐事情に服従するしかない。

③今までやってきたやり方しか知らないから発想が湧かない
 ご自身がその技術や知識を得たやり方以外を知らない。ということは、少なくとも「教え方は1種類しか知らない」ということです。営業のかけ方や受注から完了までの流れも、自分がやっていることは「唯一自分が知っている方法」でしかないんです。

④教えているが、業界の未来を見せられない
⑤受注よりも教えることで生計を立てている

 怒らないでくださいね。人に教えることはもともと本筋じゃないことが多いです。マイナー業界で仕事が少ないのに、自分の技術や知識を人に教えるなんて、「わざわざライバルを作っている」かもしれないじゃないですか。受注仕事だけでは食べていけないから、教えることで生計を立てている人は無数にいますよね。で、教えながら「自分もそれだけで食べられないから教えているのに、教えている相手の未来は明るい想像などできないなぁ」と言っていた方も実際にいました。それじゃ教えることも気持ち良くできません。

 怒らないでくださいよ(笑)

 耳に痛いかもしれませんが、何か新しいことをするタイミングというのは、「今まで自分がやってきたやり方を客観視するタイミング」でもあるんです。「こんなこと繰り返していていいのか?」って思ったこと、一度くらいはあるんじゃないですか?

 専門的なことを仕事にしている方で、強い違和感を感じることがあります。それは「ご自分がしていることにはプライドがあるのに、自分以外に頼むときに相手の専門性を認めない」という事象です。人の営みは鏡とかブーメランで表現されるように、自分が他人にしたことはタイミングや形は違っても少なからず自分に返ってきます。だからこそ、まずはご自身が誰かをちゃんと認めないことには、ご自分も誰かに認めてもらえる可能性は広がらないんです。

 できれば「もう一人の自分が自分を他人として観察」して欲しいんです。その上で、自分がしてきたやり方以外にどんなやり方があるか調べたり人に聞いたり、自分がしてきたやり方よりもいいと思うか悪いと思うか考えるんです。

 相撲の極意は「押さば押せ、引かば押せ」らしいんですが、お仕事にはそんなルールはありませんので、押す以外にどんなやり方があるのかは、考えないことがもったいないですよ。

 さて、再構築に話を戻します。もちろん「最高の築」でね。

 どんな分野であれ、お仕事でやるということは「人とする」点では共通しています。ChatGPTやアレクサやペッパーくんがお客さんだという人には会ったことがありませんし(笑

 個人で活動しようと、法人で活動しようと同じなんですが、

 ①経営
 ②営業(広報・宣伝を含む)
 ③実務
 ④経理・税務
 ⑤総務

 は営みの基本ですから必ず存在しています。身体の健康状態と同じで、実はどれが欠けていても何か影響が出るのもあたりまえなんです。

 仮に「受注仕事」「教える仕事」と2面性がある場合は、2面ぞれぞれについて①~⑤までをじっくり考えます。

 どう経営していくのかは、今だけじゃなくて先までに見て考えるんです。営業や広報宣伝もスキルアップと作戦の選択をどうするかを勉強する。実務も自分の腕を上げるにはどうしたらいいかを考える。とくに実務については目の前の仕事にとらわれて新しい技術や情報を仕入れなかったり、「なんとなく」くらいの知識で受注して苦労を繰り返している場合、それは「開発する」という認識がないということです。経理や税務は勉強すると節約できることがいくらでもありますし、人に経理や税務を依頼するにしても基本的な流れくらいは理解しておかないと、これも経理や税務の専門家さんをリスペクトしていないということになるんです。総務はね、これも見えないコストが意外とかかっている。予め買っておけばよかったものをその場で慌てて買いに行くのは安く買えない上に自分の人件費がかかっていますので、見直した方がいいんです。

 次に「受注仕事」はバツグンな人が「教えること」も抜群だと思わないことです。野球界には「名選手名監督にあらず」という言葉があります。まさしくその通りで、両方できる人は野球で言えば大谷翔平レベルってことです。

 それに、教えることでの結果の差は「情報や知識を伝えるだけ」「教えた相手を成長させて結果を出してもらう」という形で出るので、前者なら「教えるのがうまい」わけじゃない。情報伝達だけでお金をもらうなんて、場合によっては搾取と言われかねませんよ。教え子を成長させて結果を出させるレベルでないのであれば、軽々しく「教えますよ」と言わないほうがいいくらいです。

 教えることの専門家の力を誤認していると思ってくださいね。世の中には「成長させてくれる」と腕を見込んで生徒が集まってくいる人もちゃんといますから。

 なので、教え方も学んで自分が成長するのか、あるいは教えることをやめるかをちゃんと考えなければなりません。実際にこれまでに見た例で言いますと、「教えるのは本来考えていなかったけど、受注仕事の数がないので教え始めたら教える方で忙しくて受注を増やすことができないでいる」というものです。改めてこうやって書いてみるとおそろしいですね。もともとやりたいと思っていたことはどこへ行ったんだ!?と。

 再構築、どうせやるなら最高の築。

 ぶっちゃけてストレートに書いてきました。ただね、ワタクシが大事にしていることがもう一つありまして、それは「今できないことは悪いことじゃない」です。サボったり手を抜いたんだろうが、もともとできないことをできると言ってしまったんだろうが、今できないことをまず現実として受け止める。それも「十分相手が満足にするに足るレベルでできているか?」まで厳しく自問自答できれば問題ありません。相手の評価を妄想や捏造はもちろんNGです。

 今できていないと判断したなら、そこで「できるようにする」か「しなくてもいいようにする」のどちらかかな?と思います。自分を変えるのか、環境を変えるのか。

 真剣に「自分がやりたいことをやって生きていきたい」と思うのであれば、定期的に自分の棚卸しと、必要があれば何度でも再構築してくださいね。ワタクシもぼちぼち自分の再構築するタイミングだと思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?