時間とお金の話。
策家(さっか)のないとうです。名古屋を拠点に企画者として活動しています。策とは企画、企画とは「誰かの手助け」。動画・音楽・ウェブや印刷物などのクリエイティブやイベント、販促、組織の体質改善など、ノンジャンルで企画を立てております。
もともとワタクシも時間にはキッチリしていないどころかルーズですし、お金にも無頓着です。
と前置きをちゃんとして、それでもお仕事をするうえでとても重要な「時間とお金の話」をしようと思います。
今現在、深くかかわっている会社にクリエイティブ関連企業があるんですが、ワタクシがこれまでに経験して学んだ「時間とお金の概念」の真逆をしています。ずいぶん前ののワタクシと変わりないと言ってもいいです。
例えば時間。なにかを発注されたとき、基本的に「なるはや」な時間を言うのがその人で、ワタクシは確実に間に合う時間を言うんです。対価を得てそれをするのであればプロであり、お相手に安心していただくためにも、あとでズルズルと〆切を引き延ばすのは得策とは言えません。
その人は「いつまでに必要ですか?」といきなり切り出すか、お相手が急いでいるかどうかも確認することなく「たぶん明日にはできると思います」と言ってしまう。当然、ある割合で「すみません、もう半日時間をください」と謝るハメにもなっているんです。
仕方がないときはありますが、この人の場合は普段の自分の仕事の習慣で、このやり方を選んでいるわけです。お相手もね、謝られたいわけでもなければ、こちらも謝りたいわけじゃない。むしろプロとしては「ありがとう」と言ってもらって、しかも提出に遅れがなければ「頼んで良かった」と思ってもらえる可能性が出てくるんです。
それともう一つ。お客様とのアポイント時間が厳格に守るのに、身内(社内や普段やり取りのある社外の人)との待ち合わせはほぼ遅れて来るんです。ワタクシが最初に関わりだしたときも、「午前11時に●●で」と外で待ち合わせでした。ワタクシは始めていく場所でしたので30分前に入って、周囲をブラブラ観察してから10分前には待ち合わせ場所で待っていました。
その人とその人の会社のスタッフが待ち合わせ場所に全員そろったのは午前11時20分。特に待ち合わせ時間を過ぎていることには触れもしない。
その時はワタクシがお相手ですので、どう思ったのかと言えば、
・時間にルーズだ。大丈夫か?
・え? 遅れたことには一言もないの?
・ひょっとしてワタクシを下(下請け)に見ている?
・たまたま今回だけ遅れたんだろうか?でもそれなら異常事態だから謝罪や事情説明くらいあるだろう?
みたいなことでした。お客さんに思わせていなければセーフって考えているのかもしれませんが、それって学生時代の夏休みの宿題を8/30あたりから慌てて写すような行為であり、仕事のやり方が素晴らしいとはまったく言えません。
お金のことでも同じような感じでした。ワタクシは仕事が正式に成立したらまずお金(と期日)のことをちゃんと説明するよう心がけています。仕事である以上は、「自分にいつ、いくら入ってくるのか?」はあたりまえの疑問です。ところがその人は、「仕事がある」は言うのに、「いくらでいつ」はこちらが質問しないと言わない。質問して聞いた予定どおりに入金されていないこともあるんです。
これで信頼関係などあるはずもない。ギャラがほかより良かったとしても、あまり嬉しくもありません。
その人に、借金のことも聞いてみました。「返済額って多めの数字を言って、あとで謝って待ってもらったり、額を減らしてもらったりしてない?」と。
一瞬、ギクっとした顔でした(笑) おそらくその人は「月々の返済額を多く言う方が信用される」と思っているのでしょう。ところが結果としては「大きいこと言ってて、結局あとで払えなくなるんじゃん」と相手に思わせている。これもむしろ逆で、確実に返済できる金額にしておいて、繰り上げ返済をするほうが信用度が上がります。
見積りでも逆方向に同じでした。これはワタクシが特殊なのかもしれませんが、「いくらくらいかかりますか?」と問われると、必ず「安全圏で言いますと・・・」と確実に足りる多めの金額を最初に提示します。で、実際にやるときに効率化やいらないものを省いていって金額が落ち着くというやり方です。
ですがその人は「これくらいあればできますよ」と、その人が考える「ほかより安くやってあげるから発注してよ」という提示をする。あとからお客様からあれこれと想定外のリクエストが出ても、ほとんどの場合追加予算の話ができずにそのままの金額でやってしまうんです。その時の定番のセリフは「請けないより全然いいので」です。
百歩、いや千歩譲って、自分で最初から最後までやることであれば「自分で飲み込む」ってことなのでいいとしても、その人は社内とはいえ自分以外にやってもらわないと困ることでもそうしてしまうんです。
これはね、会社組織を運営する上でもっともコストが高く、同時に価値が高く、ないと困る度合いも著しい「人へのストレス」が拡大してしまいます。ついでにタダで請けてしまう内容次第ではその仕事は金額面でも赤字になりますし、数字上は赤字ではなくてもスタッフが疲弊したり辞めてしまったときの損失は計り知れません。
その人が受け入れるかどうかはわかりませんが、ワタクシからは次のような提案をしました。もちろんその時に逐一相談はOKで。
①納期はまず余裕を持って伝えてから、先方の事情を聞く
②金額は安全圏で伝えてから先方と相談する
③返済は確実な数字を伝えてから相手の希望を聞く
④時間は守れる約束をする(相手が誰でも)
今までとは真逆の行動なので、すぐには難しいかもしれませんが、少なくとも今までよりも「あとで謝る」が格段に減ると思います。謝ることが減れば、それだけ「あとでガッカリされる」がなくなっていき、それが信用の積み重ねとなって「信頼」になる。そんな感じなんです。
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