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捨てられないんですが。

 策家(さっか)のないとうです。名古屋を拠点に企画者として活動しています。策とは企画、企画とは「誰かの手助け」。動画・音楽・ウェブや印刷物などのクリエイティブやイベント、販促、組織の体質改善など、ノンジャンルで企画を立てております。

 人生って1回だけ。しかも時間も限られる。

 これは世界中で生きるすべての人が同じ。ワタクシだけ寿命が倍以上なんてことはありません。可能性を否定しない性格をしているんですが、モノには限度がある。今回はそんなお話です。

 具体的に書くと誰のことを書いているのかがひょっとするとわかってしまうかもしれませんが(笑)、おそらくは世の中の平均値よりもワタクシが受け入れる容量が多いことがいくつかあります。

 ①可能性は否定しない
 ②今できないことは悪としない
 ③間違っても反省すればいい

 ネット上の発言を見ていると、「断定的」であり、「できないことを悪」とし、「間違った者」を徹底的に追い詰めるといった空気ばかりを感じますから、真逆と言えば真逆ですね。

 ま、「みんな」って誰なのかよくわかりませんし、「フツー」ってのはコンビニにもスーパーにもホームセンターにもドンキにも売ってないので気にしておりません(笑

 むしろ、自分が一緒に仕事をする間柄の人についてはこの①②③に当てはまるうちは信用し、信頼もしています。

 ところが最近、どうにも食い違ったままの相手が二人ほどおりまして、「これはどうしたもんか?」と自分でも結論が出せずにいたのです。

 一人はね、業界人ぶるけど実力はないに等しく、反省の色はおろか学ぶ姿勢も見せない。でも権利は主張してくるので尊重してお任せすると、すべてがそこで止まる。情報も止まるし、チーム全体の思考すら止めてしまうんです。初見の相手にはやたらと有能アピールをしたり、業界用語やカタカナ語を多用するので、よく知らない人には詳しい人に思われるのかもしれません。でもね、ちょっと仕事を一緒にやると、そのうすっぺらーいメッキがはがれてしまい、あとでガッカリされる。

 それもね、ガッカリされたくて、ガッカリされる努力をしているんじゃないか?という疑惑さえ出てくるくらいに(笑

 およそ1年前に、ある企画の主導権がその人に移りまして、彼は前任者(社?)をこき下ろしていたんです。同意する部分も多分にありましたが、同時に「さて、あなたはちゃんとやれるのかな?」とも思っておりました。

 結果、なにひとつ進みませんでした。決めるべきことすら決めず、準備するべき書類もなく、本来彼がやるべき仕事も土壇場で「やってください」とワタクシに振ってくる。

 すでにお客様がいる企画なので離れることをしてきませんでしたが、ワタクシには企画内容を決める権限もありませんし、かといって彼はなにも進めていないし、進めることもできないだろうし、売上を作る方向にすら進んでいないので無料でいつまでもそこに手間や時間をかけているわけにもいきません。

 そこで「明るい話題が皆無な企画は離れますよー」と断捨離宣言しました。一応、むげにバッサリはしないでおこうということで、今回を「最後のチャンス」として、彼に「本企画について未決事項をリストアップして、それぞれいつまでにどのようにして決めていくのか」「そもそも論である売り上げを作るまでの企画案とスケジュール」自分で期日を作ってチーム内に発表し、自分でその期日を守ってくださいね、と伝えました。

 これまでの付き合いで、「リストアップできないだろう」「企画書書けないだろう」というのは思っておりますが、そこをワタクシがタダでやることなどできません。彼の企画なのに内容もワタクシが考え、進行もワタクシが管理しているのに彼がマージン持っていくのは一切納得できませんので。「企画の持ち主はうちです」というわけですから、持ち主の役割を自分で果たすか、ワタクシに委託するなら委託ギャラを提示しなければフェアじゃない。もっとも、すでにギャラもらってもやりませんが(笑

 やらない理由はひとつだけ。「彼自身ができるようにならないことは代わりにやっても彼のためにならない」からです。

 6月末にはこの結論が出ますね。

 もう一人はね、「自分が思ったことをすべて正しいと思い込んでしまう人」です。これはワタクシにも言えることですが、自分が思ったからといって、世の中全ての人が同じように思うはずがないんですが、ついつい「これがいいだろう」とか「これがおもしろいだろう」とか思うと、そのまま通用すると思い込んでしまうわけです。

 その人は、言わばその権化。

 背景を聞いてみたら学生時代から勉強が嫌いで、社会人になってからも勉強はどうしても必要なことだけしぶしぶやっていたようです。今現在は部下がいる立場なので、なにかあれば全部丸投げ。それでいていろいろ決められる立場にいるので思いつきをそのまま実施して失敗する。これの繰り返し。

 目上の方ですし、最初はワタクシも「なにか手伝いますか?」と後方支援的に関わっていたんですが、「じゃあこれお願い」って来るものがことごとく「しりぬぐい」ばっかりだという(笑

 2年ほど前に「相談は最初にお願いします」とクギを刺しましたが、その後もしりぬぐい案件ばかり。

「今できないことは悪としない」ワタクシですが、同時に「これからもできないままにするつもりは許さない」ので(笑)、言葉は選んだり尽くしたりはしますが、本人のためを思ってズケズケと進言してきました。

 今現在は過去の失敗の蓄積から困窮していて、それまで以上に「他人の言うことに耳を貸せない」感じはしますが、おそらく窮地を脱すると「のど元過ぎれば熱さ忘れる」だと思うので今現在進言を続けています。

 後者の方との関りもノーギャラです。ある方にこの状況を相談したところ、「いつまで関わるつもり?」とバッサリやられました(笑

 ま、そうですよねー。

 「人生って1回だけ。しかも時間も限られる」なわけですから。

 大事な判断をするときの相談に乗ったり、普段からそこへ行くようにしたり、仕事のアイデアや人の手配などを手伝ったりしても、具体的に動いた分しかもらっていない。

「そんなもん社外でも最低〇万円(2ケタ)はもらわないとやっちゃダメじゃん」

とも言われました。

 ワタクシの酔狂さもあって、こっちも今現在最後の砦状態。

 願わくば「思ったことは確認する」「知らないことやわからないことはちゃんと調べる」「世間のことを学ぶ」といった、組織内での役割を果たせるように自分を成長させていく姿勢を見せていただきたい。

 どこをどう切っても「私は完璧だ。間違うはずがない」という感じなのが最大の難点。「自分はバカだ。何も知らない」という前提がなければ賢くなってはいきません。

 あ、さすがに言ってませんよ「バカ」とはね(笑

 二人とも、まだなにもしていなくてこれから始める段階であれば「やめる」という選択肢もあっただろうし、なんなら選択肢のトップ項目でしたでしょう。

 でも、すでにお客様がいて投げ出せなかったり、今まで蓄積したマイナスを消さなきゃならなかったり、状況がフラットじゃないんです。もちろん原因はすべて自分自身。

 間近で見てきましたから、二人の今の状況は「誰かやなにかのせい」である部分はほぼ皆無です。ほぼ自業自得。

「優しさ」は「人憂う」を書くので、今回のお二人に関しては「耳が痛いこと」を全部告げて、それでも「自分は悪くない」と返ってきたらオワリです。今までと同じことが繰り返されるだけなので。

 ワタクシ視点で言えば、これはある種の「人材への投資失敗」なのでしょうね。せめて袂を分かつことになったとしてもしっかりやって成果を出してくれればそれで充分嬉しいんですが。

 


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