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マイナーからの脱却とは!?

 策家(さっか)のないとうです。名古屋を拠点に企画者として活動しています。策とは企画、企画とは「誰かの手助け」。動画・音楽・ウェブや印刷物などのクリエイティブやイベント、販促、組織の体質改善など、ノンジャンルで企画を立てております。

 ノンジャンルで企画の相談を受けておりますと、わりと多いご相談の中に、

「マイナーから脱却したい!?」

 という要望があります。

「自分が提供するサービスやモノを売りたい」もそうですし、スポーツや趣味の世界で「もっとファンを増やしたい」というのもこれにあたります。

 ワタクシも実はあるマイナースポーツを趣味にしています。過去に数人の世界チャンピオンが日本から輩出されているにも関わらず、相も変わらずのマイナー街道まっしぐらです(笑

 ソレが好きな人たちは一様に「もっとファンが増えて欲しい」と願い、時間があれば「こんなことやったらいいんじゃないか?」という議論がシラフでもそうでないときでも行われたりします(笑)

 ワタクシは企画を立てる「策家(さっか)」として活動していますが、趣味についてはいちファンのままでいます。

 それがなぜかと問われれば、「作戦を立てる前提条件の悪さと、実行に移す際の障害の多さからとても無理だし、わざわざ自分から顔を突っ込んで、自分が趣味の世界にいづらくなるのはイヤだし」ってあたりです。

 先に書いておきますが、それまでそのマイナー業界を支え、推進するための活動をしてきたみなさんには深い敬意を持っています。その方々の努力がなかったら、ワタクシがその趣味と出会うことがなかったかもしれませんからね。

 でも、その上で、「マイナー状態が続くことの原因」をあえて書きます!

 ①すでにアツい人にしか刺さらないアイデアしか出ない

 ②業界がなかなか新しいことを受け入れない

 ③「名選手、名監督にあらず」の自覚がない

 の3つです。

 まず①すでにアツい人にしか刺さらないアイデアしか出ない

 これはもう仕方がない一面もありますよね。好きだしアツいしってことになれば、「まだ何も知らない人の気持ち」には今さらなれませぬ。

 業界の発展=新規ファンの獲得

 なのはあたりまえなのですが、

 新規ファン候補=まだ好きでもアツくもない人

 という認識がないのかもしれません。これが恋愛であれば「自分は相手が大好きだけど、相手のリアクションが今一つ」みたいな熱量の差が生まれるわけです。そうなるとね、相手にこちらを向いてもらうにはさまざまな努力が必要で、かつ「相手が何を求めているのか?」の追求だけは外せない。

 ワタクシがもしもやるなら「好きでもアツくもない人」にバンバン話しかけて「どう伝えたらこちらに興味を持ってくれるか」を研究し続けます。

 あ、ワタクシは女性にそうアタックするわけではないのであしからず(笑

次に②業界がなかなか新しいことを受け入れない

 これは趣味の世界だけじゃなくて、年功序列の世界でもフツーに起こっていることですね。おそらくこれまで業界を支えてきたみなさんは、

 新しいアイデア=自分たちの否定

 と受け取ってしまうんでしょう。あとはマイナーなりに年間でやることが固まっていると、

 新しいアイデア=やったことがない=不安

 となることも受け入れられない理由かもしれません。

 で、最後に ③「名選手、名監督にあらず」の自覚がない

 それがスポーツの場合、日本では顕著ですが、

 かつて活躍した選手の引退後=業界を支える立場

 という図式。引退後の要職みたいな、役割は名ばかりで立場だけを与えてしまう慣習が、能力ないのに権限だけ持つ人を量産するという。

 20代の終わりに急性大腸炎で入院したときに、内科医の先生と話をした内容が思い出されます。

 患者さんのお父さんが「半年ほど咳が治らない」ときいて、先生は「一度ちゃんと検査を受けたほうがいいですよ」と強く進言。ところが検査には現れず、1年後には肺がんでお亡くなりになったという。

 家族に検査を受けるように言われたお父さんは「こんなもんはただの風邪だから大丈夫」と言ったそうです。

 医療の現場は命の現場なので、少々重いお話ですが、マイナー業界がずっとマイナーなままである原因にあてはめると、こういうことなんです。

 「マイナー業界の中にはメジャーにする専門家はいない」

 医者でもないのに風邪だと言って検査をせず、1年後に命を落としたお父さんのことを先生は本当に残念だと言っていました。

 マイナー業界をなんとかしたいと誰かが声を上げ、頼りになりそうな人を連れてきたり、今までにない切り口のアイデアを出しても「そんなもんうまくいくわけがない」「業界のことを知らないヤツになにができる」と一蹴する。

 業界の外の人で「頼まれればいくらでもやりますよ」という人からすると、こんな応対されたら気が進みませんよね。

 ワタクシが「マイナーを脱却したい」というご相談をいただいたときに、必ずおススメしているのは「あなたがいる業界とはまったく関係ない人にたくさん話しかける」です。

 「現状マイナーである業界」をとことん客観視する。

 まずはこれをやらない限り、「これでいいハズだ」が外せない。

 客観視できますと、案外ほかの業界でうまくいったケースを理解できたり、外部の人の意見に真剣に耳を傾けるようになるのです。反対に、もともとの規模とか要素がまったく異なる業界を真似ようとしてもおおむねうまくはいきません。どういうことかと言いますと、最近で言うところの「バズればマイナーから脱却できる」ですね。

 確かにバズれば注目は集まります。でもね、

 ①バズったときに受け皿がないと確実に一過性で終わる
 ②バズりはもともと一過性なので1ヒットじゃ波は起こせない
 ③バズることを目的に据えると、不名誉なバズり方して本末転倒

 ということをちゃんと認識していないといけませんし、バズらせるにはそれなりに「柔らか頭」も「お金や手間」も必要なので、客観視すらできていないのにくてバズりは作れる、なんてことはまずないんです。

 結構キツイことばかり書いた気がしますが、最後に少しだけ持ち上げます(笑

 これだけマイナスな要素がたっぷりあるということは、

 ちゃんとやればそれは全部チャンス

 ということなんです。これはスポーツの世界で、トップアスリートのインタビューを見ていて強く思ったことです。

 インタビュアーが「どうしてそんなに練習できるんですか?」と質問したとき、その方は「え? ほかの人がやんないだけじゃないですか?」と返した。つまり、「結果を出す人のあたりまえ」はそこにあるってことなんです。

 できればね、自分が好きなことに対して「もっとファンが増えて欲しい」という望みがあれば頑張ってほしいと願う今日この頃です。

 

 

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