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先輩の実家から金が出た話。

 策家(さっか)のないとうです。

 覚えている範囲で、人生はじめての宝くじは中学生のときでした。1枚だけこづかいから購入して、発表日までドキドキ・・・するかと思ったら数日で買ったことすら忘れてましたね(笑
 それは今も変わりません。これを書いている最中も、なにかの折に購入したロト6の発表を確認していないことに気づきましたし(笑

 今日は「思いがけない大金を手にしてしまうと、人はどうなってしまうのか?」みたいなお話です。

 知り合いの中で、いわゆる高額当選を果たした人が二人います。一人は中学時代に宝くじを買った売り場のお姉さん。中学生が買いに来るのが珍しかったのか顔を覚えてくれていて「当たった?」と聞かれたりして。それがあるとき、姿を見なくなったので聞いてみると、彼女は売り場を辞めたという。その半年後くらいに、ワタクシがチャリ(自転車)を漕いでいると追い抜いて行ったクルマ(たしかソアラでした)が停まり、窓が開いて「元気?」と声をかけられました。

 彼女は職場で買わされた売れ残りくじに高額当選があり、辞めたそうだ。なるほど、人は大金を手にすると働かなかくなるんだということを学んだ瞬間でした。

 もう一人は、当選後に人が変わってしまい、ワタクシにとってはどうでもいい存在になりました(笑 「ま、お金は持ってるんだから、こちらには関わらないで自分と家族を守って楽しくやってくださいね」である。

 さて本題。

 これは地元の先輩が笑い話として持ってきたんですが、ご実家が空き家になり、整理することになったそうです。すると、金の延べ棒が出てきました。これがワタクシの実家であれば、「中身はチョコレートかなにかだろう」と疑わない?のですが(笑)、先輩の父親は地元でそれなりに知名度がありましたので、あらゆる可能性の中で最優先で考えたのが「ホンモノ」であること。一緒に整理していた姉はお金に無頓着で「あんたが持ってけば?」と渡されたという。

 ひとまず、相続税だ申告だなんだはおいておきますね。

 先輩は、実家とは別に家と家族があり、帰り道も気が気がじゃなかったという。「誰かがコレ(延べ棒)を狙ってくるんじゃないか?」と。

 おいおい、そもそも先輩がソレを持っているなんて、本人と姉しか知らんやん(笑

 と思うところですが、それは客観的な視点でしかないわけです。すでに「大金」の影響を受けている先輩。

 帰宅後は、正直なのか家族に見せて、一大家族会議が勃発!

 夢膨らむとはこのことで、奥さんと娘が欲しいモノと、自分が買いたいクルマ(大のクルマ好き)を決めて、ここは興奮のあまり眠れなかったとか(笑

 家族会議で決まった約束事は「このことは家族以外には一切口外しないこと」っていうあたりは、冷静な一面もあったのでしょうか?

 それから約1週間。

 いよいよこれを現金化して家族の夢を実現しようと行動に移します。まずは「金はどこで買ってもらえるのか」「いくらくらいになるのか」というあたりをネットで調べ始めます。買ってもらえそうなところも見つけ、おおよその金額も計算してみて血圧が上がる上がる(笑

 ところが、あることに気づきます。金延べ棒には情報が刻印されていて、手にすればおおむね何が書かれているのかを読み取りますよね。すると、そこにある文字の中で意味が分からないことが一つだけありました。

 GP

 グランプリ?

 ゴールデンなプリンス?

 再び検索です。なんと、あろうことか、このGPとは「goldpleted」の頭文字で、意味は「金メッキ」(笑

 つまりはこの金の延べ棒はイミテーションだったのです。

 姉に渡されてビビったのも、帰り道に誰かに襲われないか不安になったのも、大盛り上がりの家族会議も、1週間の秘匿義務も、すべてが意味がありませんでした(笑

 先輩は正直なので家族にもそのことを話し、それからこの話をワタクシにも笑い話として持ってきてくれました。

 今にして思えば、それなりに社会的立場もあった先輩のお父さんが残してくれた教訓なんじゃないかと。自分でまっとうに稼いだお金であれば、たとえ失ってもまた稼げばいいと考えられますが、身の丈以上の大金をポンっと手にしてしまうと、人は「失いたくない欲」に捕らわれの身となってしまうのかもしれません。

 ちなみに24KGPと刻印がある金メッキ製品でも、まれに製品自体に価値があることあるんだそうです。専門業者が買い取ることはまずないんだそうですが(笑

 お金はとっても大事です。でもね、人よりも優先してしまうとろくなことがなさそうですね。

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