虹色レターの後の話

飛鳥さんから返事が来た
二人で話したいとのことだった
指定された会議室に向かう
いくら余ってるからとはいえ誰でも予約を取れるのはどうかと思うが、それもうちのいいところなんだろう
顔が火照るのをごまかすため、そんなことを思いながら会議室の扉をノックする
「…っ来たか、入ってくれ」
そんな返事が返ってきた
「……」
つい、無言で入室する
「キミが…」
飛鳥さんは一番奥の椅子に座ってまっていたようだ。それが普通なのかもしれないが飛鳥さんらしいと感じる
「ああ、ボイスレ…あー、ボイスレターの差出人の春日井だ」
「待っていたよ」
「……」
言葉が出ない。本当に何を言えばいいのかわからなくなってしまう
「あのっ、その、まずはこういう機会を作ってくれてありがとう」
「いや、構わないよ」
「……」
「本題だが、ボクは今、キミと付き合うことは出来ない」
「……」
「ただ、こういうことはボクは始めてでよくわからないんだ」
「……」
「だから、ありふれた言葉だけど、友達から、なんてどうだろうか?」
「あ、ああ。よろしくお願いします」
「僕の連絡先だよ」
そう、メモを置いて飛鳥さんは去っていった

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