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そうだ「お局様」になろう ~新しい職場の攻略術~

お局様とは

俗に、職場で、勤続年数が長く、特に同性の同僚に対して力をもっている女性のこと。

男性で言えば、「長老」だとか「老中」というらしいです。

そもそもお局様という言葉に対しては、マイナスイメージがつきまといますが、私の定義は以下の通りです。

 その職場の歴史や伝統を理解し、様々な出来事を把握し、どんなことを聞いても応えることができる「知恵袋」的な人

 今回は、新年度、新しい職場になったり、大きく環境が変わったりして、なかなか馴染めず困っている人への、一つのアドバイスとして、この「お局様」になることをオススメします。

初めての職場でどのような立ち振る舞いが求められるのか

 新年度を迎え,新しい職場で右も左もわからない状態が続いているのではないでしょうか。年度当初は,会議が立て続けに行われ,「昨年度同様に・・・」とか「もうお分かりのことと思いますが・・・」など,新しく着任した人たちにとっては,何のことか全くわからないまま,苦しい会議を乗り越えていかなければなりません。

 どの職場も,新しく着任された人に配慮しなければならないのは分かっているのですが,猛烈な業務の中,なかなか目を向けることが難しくなってしまうのも理解できます。

 このように、初めての職場で困ってしまう状況に陥った場合、それを克服するためにどのように立ち振る舞えばいいのでしょうか。私の実践をご紹介しましょう。

不安は、人間関係

 新しい職場で、どのようなことが不安になるのか、アンケート調査の結果のランキングがありました。

 不安の大半は、職場の人との関わりについてでした。やはり、という結果ですが、これが現実でしょう。人と人の関係性については、一筋縄では解決しないとわかっているだけに、不安になるのもうなずけます。

 環境が変わり、人間関係を新しく築き上げていかなければならない新年度のこの時期、次のようなキーワードで取り組んでみてはいかがでしょうか。

キーワードは,「“いつもいるよね。”」と「思い出の共有」

 初めて出会う人や初めて所属する組織の中で、いち早く「違和感」なく職場の関係性の中で一体感をもてれば、まずは人間関係についての当面の不安は解消されるでしょう。

 新しい職場でまずはじめに感じる違和感は、飛び交う言葉ではないでしょうか。

 何よりも,新しい職場には,過去からの積み重ね(歴史や伝統といわれるやヤツです。)やその職場ならではの共通語があります。それらが分からないので,何を話しているのか理解できなかったり、だからこそ仕事の見通しが立たなかったりします。

 その解決のためには,その職場の歴史や伝統などをいち早く知ることが手っ取り速いと思います。さて、どうやれば効率的に知ることができるのでしょうか。

 それは、その職場内で一番の物知りさん「お局様」を捕まえることです。
 「お局様」は、どっしりと鎮座していることが多いかもしれません。しかし、動じていない時は、暇しているわけではありません。どちらかというと頭の中は忙しくしています。「お局様」のような重鎮さんは、自ら動くことは少ない代わりに、いつも大所高所で様々な物事を考えているので、話しかけるにはリスクがあります。
 捕獲の狙い目は、プラプラ職場内を動いている時です。そういう時は、案外大した目的がなく「用事を探している」可能性があります。
 そういう瞬間を狙い、自分の仕事の隙間時間をうまく使って,その「お局様」と一緒に行動してみましょう。ただ後をくっついていても何なので,その人のお手伝いをしながら、昔話を聞くのですね。きっといろいろなことをお話ししてくれるでしょう。

 もう一つが、とにもかくにもいろいろなことに「顔を出す」ことです。自分は関係ないから、といって知らないふりをするのではなく、興味があってもなくても、とにかく顔を出して、みんなに存在を認知してもらう。「なんかいつもあなたいるよね」と認知してもらうことで、そのうち「昔からいる人みたいだね」になっていくころには、すでにその職場には自分の居場所が確立されていることでしょう。ちなみに「お局様」は、よくプラプラ顔を出してきます。

 そして、もう一つは職場のみなさんとの思い出を共有することです。働いている中で、いろいろな出来事があります。ほかの人たちとの思い出の共有は、そこならではの共通語を生み出します。「あのとき、あーだったよね。」と、何かにつけて職場内の雑談に参加できると、職場の人たちと一体になった気持ちになれます。

いつのまにか、あなたも「お局様」に

 上記のような取組を続けているうちに、職場内の過去・現在・未来を少しずつ見通すことができるようになってきます。そのうち「話が通じる人」と信頼されてきますから、みんなから一目置かれる存在となっていくでしょう。そのころには、他者から見れば、あなたは立派な「お局様」です。

 最初のテーマに戻りますと、

 お局様になることをいち早く目指すことで、職場の空気と一体となれ、職場の人間関係の中にうまく溶け込むことができると思います。

 私の実例を話しますと、新しい学校に転勤すると、まず教務主任や主幹教諭の先生にくっついて学校探検をします。
 何日も何日も学校探検をして、あらゆる戸棚や物置をぜんぶ開け、どこにどのようなものがあるか把握します。そうすることで、学校定番「あれどこいった?」事件にすぐに貢献できるようになります。そこで、「あなた昔からいたみたいね」という称号が贈られます。
 次に、勤務が長く帰りが遅い先生とよく世間話をするようにします。そうすると、どんどん職場の昔話をしてくれるので、地域の実態や、先生たちのいままでの努力の積み重ねを理解できるようになります。先生方との共通言語が格段に増えるわけですから、「あなた昔からいたみたいね」の称号がさらにレベルアップすることになります。そうやってその職場1年目にして、先生方に「聞く」存在から、「聞かれる」存在へと変わり、「お局様」街道をまっしぐらに突き進んでいきました。

 今回の話は、新しい職場で慣れない時期をどう乗り越えるか、という点に焦点を絞ってお話ししました。
 ですから、このお局様術は、当面の方策に過ぎません。働き方や自分の求められる職責に応じて、どんどん関わり方を更新していかなければなりません。また、かなりの個人的見解ですので、ご了承いただければと思います。
 
 これを最後まで読んでいただいた方々が、これからもよりよい関係を築いていかれることをお祈り申し上げます。

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