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映画「PERFECT DAYS」に感化され、幸田文のエッセイ集「木」を読んでいる。 幸田の遺著となった「木」は、えぞ松、藤、けやき、杉などさまざまな木を題材とした文を集めたものである。木そのものだけでなく、木に触れた著者の心の動きとそれに突き動かされた行動、そして、木と共に生きる人たちの姿が濃やかに描かれている。 どのエッセイでも、専門用語はほとんど使われていない。徹頭徹尾、私たちの日常的な暮らしから生まれたような平易な言葉で書かれたものばかりだ。 しかし、幸田