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花がいつ咲くか分からないけど、種を蒔かないと何も始まらない

(こんばんは、なはです。
今日は、ヘルシーなセックスのためのSeek Hを開発しているなはではなく、性的同意の啓発活動をしているGenesis共同代表のなはとしてこのnoteを書きました)

新卒入社前に半年間インターンしていたUN Women(国連女性機関)時代の先輩で、今は国際NGOで働いている方と最近久しぶりにzoomミーティングをした。

現在はアドボカシー(啓発活動)の部署で働いているとのことだったが、他の部署と違い、予算が付きにくいことを嘆いていた。

啓発活動は効果がいつ出るか分からないし、大抵の場合時間がかかる。効果測定がやりにくいプロジェクトには、やはり予算がつきにくい。

「効果が出始めるのが数年後とかいうこともザラにある。でも当然だけど、種をとりあえず蒔いてみないことには何も始まらないんですよね。」

と話す先輩。
この言葉が印象に残り、私が学生時代から継続している性的同意の啓発活動について考えていた。

イギリス留学をきっかけに性的同意の概念を知り、帰国後すぐに活動をはじめた。最初のプロジェクトは京 都市男女共同参画協会と協同で制作した「性的同意ハンドブック」だった。

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発行してからすぐ大手メディア複数から取材を受けたが、当時は「リベラルな新聞社の、ジェンダー問題に関心がある女性記者」からの取材がほとんどだった。

メディア掲載後はたくさん誹謗中傷を受けた。ネット掲示板で私についての誹謗中傷を書き込んだものをわざわざTwitterのDMで送ってくるアンチの方もいたほどだった。

ジェンダーやフェミニズムに関心がある方は応援してくれたが、大衆にはなかなか理解されないことが悲しかった。

これが2018年の夏。

そして、2020年の夏。性的同意ハンドブックが意外なメディアで引用されていた。

まず、Newspicksの性的同意・セクハラ特集。


ビジネスパーソンが読むソーシャル経済メディアであるNewspicksでこのようなオリジナル記事が出て、かつ相当数ピックされてることにまず驚いたのだが、この記事中の「性的同意」の定義の説明などで「性的同意ハンドブック」が紹介されていた。

そして、もう一つは、ananのセックス特集。

こちらの性的同意のページで性的同意ハンドブックのチェックリストを紹介いただいた。(ちなみに、別プロジェクトのセックス診断サービスSeek Hも同じページに掲載されている)

どちらも「ジェンダーに理解のあるリベラルなメディア」というよりは、Newspicksは普通のビジネスパーソンだったり、ananは普通の女性が読むメディア。

私達が一番伝えたかった、「ジェンダーには無関心な普通の人たち」に少しずつ届き始めている気がして、嬉しく感じた。

私達というよりは、例えば ちゃぶ台返し女子アクションさんのような団体や、様々な大学での学生の啓発活動の成果だと思うのだが、性的同意という言葉自体もかなり有名になってきたと感じる。

それだけではない。性暴力反対のムーブメント フラワーデモも全国で盛り上がりを見せた。他国と比較して要件が厳しいとされている性犯罪について、今年は刑法の見直しが検討されている。内閣府男女共同参画局でも、性暴力についての大規模なプロジェクトが新しくはじまるそうだ。

性的同意や性暴力についての社会の認知は確実に変わり始めている。

もちろん、まだまだ道のりは遠い。
性的同意や性暴力を含め、十分な性教育な全国で実施されたり、刑法が実際に改正されるのは何年後になるのか私は分からない。

けれども、私達はその時がくるのを待ちながら、種を蒔いていこうと思う。




読んでいただきありがとうございます。