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【ひとつ上の彼】

彼とは付き合って2年、同棲して1年になる。
結婚も視野に入れ始めている…はず。
決して友達の結婚・出産ラッシュに焦っているわけではない。
本当に、純粋に、このまま彼と人生を共にしたいと思っている。

しかし、このままあるかどうかも分からない
不確かなプロポーズを待ち続けていいのだろうか?
なんだか聞くのが怖くて、今まで”結婚”という話題を
意識せずともお互いに避けていたような気がする。

私は勇気を出し、話したいことがあると告げ、
夕ご飯の後に彼と話し合いの時間を設けた。
「あのね、今日は大事な話があって」
『うん』
「あ、その、別れ話とかそういうんじゃないよ!」
『わかってるよ』
私の慌てっぷりにクスクスと笑う彼。
そんな姿を見たら不安がっているのが馬鹿馬鹿しくなり
スラスラと自分の気持ちを伝えることに成功した。

「私と…結婚したいって思ってる?」

明確にはっきりと、イエスかノーしかない問い。
膝に乗せた手がじわじわと熱くなる、少しの沈黙が怖くてたまらなかった。
でもそれは一瞬にして吹き飛ばされた。
『もちろん、僕は君とだから結婚したいと思ってる』

後に「あれってプロポーズでは?」なんてからかうように聞くと、
「プロポーズなんて何回あってもいいでしょ?」と返される
あぁ彼はいつもそうだった。

「好き」と言えば「僕も大好き」と返す。

「ありがとう」と言えば「当たり前だよ」と返す。

「ごめんね」と言えば「僕の方こそごめんね」と返す。

そうやっていつも私よりひとつ上の愛をくれていた。

そんな彼から今日一つ上より何段階も飛び越えた、
《家族になる》という最上級の愛をもらいます。

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