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【名大URA通信】vol.22 新たな産学融合拠点、採択決定!

名古屋大学の教職員の皆様、今月もURAから皆様へ、学術研究・産学官連携に関する情報をお届けします。URAコラムは今回から、URAの仕事や人物をより身近にお伝えするため、インタビュー形式にリニューアルしました。学術研究・産学官連携推進本部の組織改編についてもご案内します。


[1] 【URAコラム】新たな産学融合拠点、採択決定!


URAの仕事や人物を、より身近に感じていただけるよう、今回からインタビュー・コラム形式でお届けします。リニューアル初回の今回は、企画・プロジェクト推進部門の丸山太一郎・特任准教授の登場です。

丸山  太一郎(まるやま・たいちろう):愛知県名古屋市出身。中部経済産業局から学術研究・産学官連携推進本部へ出向して約3年。この4月末で中経局に戻る予定。趣味はスノーボードで、大学時代は競技で海外を転戦した猛者。千葉ロッテマリーンズの大ファン。愛称はマルちゃん。


―企画・プロジェクト部門の業務の柱のひとつは、国の競争的外部資金の獲得に向けた戦略立案やサポートですね。最近のトピックスはありますか?

ー(丸山)ちょうど先日(2022年3月)、東海国立大学機構として、経済産業省が公募した「産学連携推進事業費補助金(地域の中核大学の産学融合拠点の整備)」に採択されました。

―それはどんな事業ですか?

ー(丸山)イノベーション創出や地域経済活性化を促進することを目的に、地域の中核大学等が強みや特色を有する研究分野において、企業やベンチャー、自治体等との連携を強化するための拠点づくりを、経済産業省が支援するという事業です。
 具体的には、企業と大学等が連携してオープンイノベーションを推進するための産学融合機能を担う「Jイノベ拠点」のプラットフォームを、名古屋大学と岐阜大学のキャンパス内に設置する補助金として10億円措置いただくことになりました。

丸山 太一郎・特任准教授

―産学連携の新しい建物が、またキャンパス内に建つんですね? 私たちURAが入居しているNIC(National Innovation Complex)も国から助成を受けた産学連携拠点ですね。企業の産学協同研究講座のラボなども入っています。

ー(丸山)はい、名大内には他に「インキュベーション施設」等もありますが、本学の産学連携が拡大し、産学連携スペースが全学的に枯渇しています。岐阜大学でも、学術・産連本部棟の老朽化と狭隘化という問題がありました。

―今回の公募にあたり、丸山さんたちは、どんな働きをしたんですか?

ー(丸山)企業にとって使い勝手が良く、大学にとって不足している施設の在り方など、担当レベルで意見交換を重ねた結果、経済産業省が認定する(a)J-innovation HUB認定拠点の強化、(b)地域中核大学の地域と連携した産学連携事業の支援、(c)文部科学省の拠点形成事業(COI、OPERA、共創の場等)が重要であるとの結論に至りました。

―名大は、(a)と(c)に実績がありますね。

ー(丸山)はい。一方で(b)については、旧帝大は世界的な研究拠点を目指しており、「地域中核大学」という今回の公募対象には合致しない可能性があるため、名古屋大学単独ではなく、東海国立大学機構として岐阜大学と連携することで、地域のイノベーション創出活動を下支えすることをコンセプトとしてまとめ勝負することにしました。

―なるほど。岐阜大学は「地域中核大学」としての強みがありますからね。

ー(丸山)公募予告段階で直ちに準備に取りかかり、岐阜大学学術研究・産学官連携推進本部に両大学の財務、施設等関係部署を加えたチームを構成し、東海国立大学機構としてのコンセプト策定、建物&フロア設計、事業費積算を行うとともに、公募要件である、地域の自治体、産業界、教育機関との連携に対応するため、関係各所に事業コンセプトを説明して回り、事業参画への了承を得ました。
 最終的には、「東海国立大学機構のガバナンスのもと、東海地域が世界的競争力を持つ製造産業のコアコンピタンスと未来材料・システム研究所等の研究リソースやコアファシリティーを活かし、先端材料、CN、DXを核とする横断的産学連携プロジェクトに取り組む施設環境を整備し、地域企業・金融機関・アカデミア協同のオープンイノベーションの実践、及びスタートアップの起業環境の整備、地域のステークホルダーとの交流・対流の促進により、人材育成や地域産業の飛躍的・持続的な発展に貢献に資する取組を推進していく」というコンセプトとなりました。

―えっと、長すぎてわかりません(泣)。

仕事の相棒は「コーヒー」。自席に置くペン立ても、名札代わりの「丸山珈琲」。

ー(丸山)すみません、少し読み上げた形になってしまいました。今回の公募では、①企業との共同実験施設・設備、②インキュベーション施設・設備、③オープンイノベーション推進施設・設備の3つの機能タイプの拠点が支援対象となりますが、東海国立大学機構では、この3つ全ての機能を有する拠点として、岐阜に4階建1,600㎡、名古屋に7階建て2,800㎡の建物を新設する計画です。スタートアップを含む企業と両大学の研究者や金融機関などのステークホルダーがコワークスペースの利用や産学連携イベント、アントレプレナーシップ教育などを通じこの場に滞留することで、新たな産学連携を次々と生み出していく環境を整備したいと考えています。
 公募期間1ヶ月弱という極めてタイトな期間での対応となりましたが、最終的に32の申請のうち8大学を採択するという激戦を制し、採択の報を受けました。

―企画・プロジェクト部門のURAの仕事の醍醐味ですね。その建物は、どこに建つ予定ですか?

ー(丸山)名古屋大学では、物質科学国際研究センター前の旧アイソトープ総合センターを取り壊し建て替えることを予定しています。また、岐阜大学では、キャンパスの入口すぐの右手(東側)に建てることを予定しています。この2つの施設は相互利用を可能とすることを目指したいと考えていますので、続報を楽しみにお待ちいただければと思います。
 なお、この後、両大学内の関係者や、地域のステークホルダーとの調整など、具体設計を進めてまいりますので、皆様のご協力とご支援をお願いいたします。

ー建物の完成を楽しみにしています。ありがとうございました。


[2] 4月から学術研究・産学官連携推進本部が「少し」変わります

2022年4月から、学術研究・産学官連携推進本部の組織編成が、少し変わりました。「研究支援・人材育成部門」が新設され、先生方の競争的研究資金獲得支援や若手研究者支援機能を拡充します。また「スタートアップ推進室」下に、学生向けのアントレプレナー教育(Tongaliなど)も包含し、研究者向けスタートアップ支援との連動性を高めます。これからも、学術研究支援と産学連携支援の両面から、名古屋大学の研究力強化に努めていきます。

2022年4月からの学術研究・産学官連携推進本部組織図

[3]  大好評シリーズ「名大発アカデミックフラッシュ」第9報

  • 若手研究者による若手研究者のための「アカデミックフラッシュ」第9弾!
    ・日時:2022年4月19日(火)12:00~13:00 *オンライン
    ・発表者:
     高等研究院/人文学研究科・黄潔 YLC特任助教、
     理学研究科・相原悠介 ポスドク研究員、
     男女共同参画センター・町田奈緒士 特任助教
    ・対象:東海国立大学機構の若手研究者が主な対象ですが、学部生、大学院生、教職員も参加いただけます
    ・詳細・申込:http://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/detail/0005330.html


[4]  春です! Tongaliで新しいチャレンジを見つけませんか?

第6回 Tongaliシンポジウム「自分と社会のつなぎ方」
入学後や新年度は何をしたいですか? 友達作り、課外活動、恋愛など、たくさんやりたいことがあると思います。そのためにも、まずは自分と社会をつなげる方法を体験してみましょう。起業に関心がなくてもOK! 新しいことを始めたい人や、仲間を見つけたい人は、ぜひご参加ください。
・日時:2022年4月16日(土)13:00~17:00
・会場:名古屋大学 理学南館 坂田・平田ホール
・対象:東海地区の大学生・大学院生、中高校生を優先、定員150人
 *トークセッションのみオンライン配信/どなたでも参加可。
・詳細:https://tongali.net/tongali-symposium2022/

Tongaliイノベーターズチャンネル 海外編<1> インドネシア編
起業やイノベーションに興味を持つ学生を主な対象としたオンラインイベント「Tongaliイノベーターズチャンネル」に、インターナショナルな話題を扱う海外編が登場。第1回はインドネシアのNGO団体「IBEKA」に注目します。
・日時:2022年4月25日(月)12:00~13:00 *オンライン
・対象:どなたでも参加可。特に大学生・大学院生
・言語:英語
・詳細:https://tongali.net/events/tic2022-intl-1st/


[5] 第86回名大カフェ 話題の「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」

昨年12月25日、世界中の天文学者に見守られながら、150万km離れた観測点を目指し旅に出たジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡。この史上最大の宇宙望遠鏡が見せてくれるであろう銀河宇宙の黎明期についてお話しします。
・日時:2022年4月27日(木)19:00~20:00 *オンライン
・ゲスト:柏野大地(高等研究院/大学院理学研究科 YLC特任助教)
・対象:どなたでも
・詳細:http://www.aip.nagoya-u.ac.jp/public/mcafe/event/detail/0005343.html


[6] 名大研究フロントライン 新作動画「ALS治療薬」/「なごみ桜」

Vol.15「ALS治療薬を開発せよ!ーリバーストランスレーショナルリサーチ最前線ー」|名古屋大学 神経内科学研究室
「マウスから人へ」ではなく、「人からマウスへ」。神経難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)に、新しい研究手法、リバース トランスレーショナルリサーチで挑みます。従来とは逆のアプローチで、治療薬開発に光が見えました!
・出演:医学系研究科 勝野雅央教授、伊藤大輔医員

Vol.16「なごみ桜」あいちの大地と人が醸すお酒、次世代へ
地域で培われてきた酒造り技術に、名古屋大学の知が入り込んだ日本酒「なごみ桜」。11年目の酒造りを、米作りから取材しました。
出演:生命農学研究科 村瀬潤教授、アンドレス マツラナ 准教授、他

Podcast#47-ヨルダン遺跡調査続報- 石器に見るホモ・サピエンスの応用力
・博物館/環境学研究科 門脇誠二 講師

Podcast #48 - 方角を感知、渡り鳥のナビシステム
・環境学研究科 依田憲 教授

Podcast #49 - 超伝導の起源にせまる! カギは「揺らぎ」にあった
・工学研究科 大成誠一郎 准教授、紺谷浩 教授

Podcast #50 - 植物の気孔はじっくり時間をかけて作られる!
・ITbM 鳥居啓子 客員教授

Podcast#51 - 巧みな生存戦略、地下で情報交換!?
・生命農学研究科 榊原均 教授


[7] 松坂屋連携「みらいトーク」未来発電・エネルギーハーべスティング

松坂屋名古屋店連携web「名大ハカセの虫めがね」に連載中の「みらいトーク」。今回は、未来の発電方法についての子どものギモンに答えます。
・第4回「未来には、地球を救うエコな発電方法があるの?」
 未来材料・システム研究所 大野雄高 教授

最後までお目通しいただきまして、ありがとうございました!

■発 行:名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部 http://www.aip.nagoya-u.ac.jp/
■問合せ:企画・プロジェクト推進部門 情報発信ユニット  
■メール:outreach@aip.nagoya-u.ac.jp  電話:(747)6790 


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