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史上最高にヤバイ映画『地獄の黙示録』が大スクリーンで観られるらしい。

『地獄の黙示録 ファイナルカット』が全国のIMAXで2月28日から公開される。

『地獄の黙示録』といえば、言わずと知れたフランシス・フォード・コッポラ監督のベトナム戦争を描いた有名な映画。

今回の公開にあたってのコピーはこんなだ

「コッポラ監督が再編集と新たなデジタル修復を施した最終版が本邦初公開!CGなしの衝撃を体感せよ!」

なんかすごそう。

この映画がすごいのは間違いないけど、

本当に凄いのはそこだけではない。
この映画の出自自体がモンスター級に凄いのだ。

当時、
コッポラが映画史を塗り替えるような映画を撮っている!
キャストもすごい!
マーロン・ブランド、マーティン・シーン、ロバート・デュヴァル、ハリソン・フォード、デニス・ホッパー・・・

でも、
撮影スケジュールがかなり遅れている。
製作予算をはるかにオーバーしている。
本当に完成するのか・・
こんな記事が何度も何度も何度も映画雑誌に載っていたあの頃。

そして、
主役のハーヴェイ・カイテルが撮影開始6週間で降板しマーティン・シーンに変わり、そのマーティン・シーンが撮影中に心臓発作で緊急入院したとか、デニス・ホッパーは、麻薬中毒でセリフが覚えられず、マーロン・ブランドは、キャスティングや脚本に対して自分勝手な文句ばかりでコッポラと衝突を繰り返したとか、現場エピソードには事欠かない。

そんなこんなで、撮影がどんどん遅れている。予算が大幅にオーバーしてコッポラが『ゴッドファーザー』で稼いだ私財を全てつぎ込んだらしい。(17週間の撮影予定が61週間になり、35億円の予算が最終的には約90億円になったという)
頭を抱えたコッポラはノイローゼらしい。心労で倒れたらしい。

映画の公開前に映画監督の長谷川和彦さんがコッポラにインタビューした。長谷川監督が「この映画のテーマは何ですか」と質問したら、コッポラは「撮っていて途中で分からなくなった」と答えたという。そのくらい混迷を極めていた。

もう、ガセなのか真実なのかわからないあらゆる噂満載のモンスター級映画。

それが

『地獄の黙示録』

個人の話しをすれば、
4年前に名古屋シネマテークで観たときに、以前観たものとエンディング(正確にいえばエンドロール部分)が違うと、映画館の方に連絡して「どういうことですかね」と聞いてしまったことがある。初めて観た時に驚いたあのシーンがなかったから。ついついそんなことを聞いてしまった。どうやら違うバージョンだったよう。
その時は、内容だけでなく、エンドロール有無など、バージョンが複数あることを知らなかったんです。ほんとすいません。(今回もやっぱり、エンドロールとあのシーンは無いらしい)

映画史を塗り替えたかどうかはともかく、こんな映画が大きなIMAXの大スクリーンで観られる。これだけでも嬉しいではないか。映画の迫力は本当に半端なく凄い。その映像は素晴らしく、戦場の匂いが本当に漂ってくるかのよう。これは噂ではなく紛れもない事実。

あの完璧主義者で名高いコッポラがノイローゼになるほど苦労や苦悩や怨念が詰まった、本当の意味での超ヤベェ大作。

それが

『地獄の黙示録』

内容にはいっさい触れずにこんなこと言うのは気が引けるが、
ぜったい観といたほうがいいと思う。

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