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初めて定期ゲームに参加した話

EXAM下格プレイヤー、亡霊、或いは名残縁なめと申します。
まずは暗夜迷宮、お疲れ様でした。

PNとして使っていた名前は、普通の人から見れば『よくわからない名前』だったと思いますが、それはお許しいただけると幸いです、普通の名前を置くのも気恥ずかしかったので。

さて、そのまま本題に入ります。

私は一次創作屋として生きてきたものの、これまでに定期ゲームという名前は一切耳にしたことがなく、なんならある人から聞いた時も自身とは縁遠いモノだな、とすら思っていました。
 
今終わって改めて考えてみれば、プレイしていた時もきっと交流、というよりPCというキャラクターの一次創作に費やしているといったほうが正しかったのではないでしょうか。
 
よく言えば自己完結してして、悪く言えば閉鎖的な創作活動をしていたともいえましょう。

そんな私がこの暗夜迷宮に参戦させた、初のロール・定期ゲームのキャラクターは、一次創作のある設定の子を、現代伝奇という世界観用にリデザインしたものでした。


元々の設定。そもそもが実験体という存在であり、これは流用先でも引き継がれた。


リデザイン後。現代風というよりはモダンなデザインに。
隠す素顔の部分は包帯とマフラーで。


素顔のアイコン。
実験で結合した怪異の核と身体の部位である結晶が左側を覆っており、
隠しているときはクールな表情に見えるが素顔は一転して儚く脆そうな印象を受けるギミック。

元々は名前も決めていない子だったのですが、参加するに当たって『ファタリス』と名付けた由来は皆も知っているモンスターハンターシリーズの、異世界からの来訪者であるミラボレアスの英名『fatalis』から来ております。
 
運命のfateから取られているであろう破滅を呼び込むかの者の名前から戴いた理由ですが、そもそも暗夜迷宮という世界の『退魔師と怪異』、その負の側面である咎人の設定。
 
言うなれば人間からすれば退魔師側の方が普通は正義であるべきですが、天邪鬼な創作屋故に『そうであるならば産まれなかった』というアンチテーゼに値するキャラを生み出したかったわけです。

そして、元の設定を引き継いだ結果誕生したのは、咎人による人と怪異の融合実験、その被害者であり唯一の生き残りというものであり、誰にも知られてはならないような咎人を裏で殺し、手を血に染める掃除屋…この暗夜迷宮の世界観での退魔師の汚点となるような立ち位置に居る存在でした。
 
彼女はその立場であることを『恩』として受け入れ続けておりましたが、初めて手を血に染めたのは物心ついてほんの少し経った後。
 
『全てが終わった』実験場から桔梗院の手の者に掬い上げられ、暗夜本編ではもう存在しない派閥によって育て上げられた暗殺者となって、それから10に満ちる時にある件で初めてその罪の重さを知り、これまで冒してきた殺人の血が手にこびりつく幻覚に苛まれ、常に手袋を外すことはない… 
 
その技能を以って退魔師及び始末屋としては成熟していますが、しかし本質は殺人どころか退魔師にも向いていないという矛盾を孕んだ空虚で真っ白なキャンパスの幼児。
 
初体験のゲームということもあり、ラーニングして学んでいくというコンセプトの下、そこから本編で交流と複数行動を求められた無垢な少女は、他の退魔師と対話し、学んでゆくことでこれまでやってきた罪から目を逸らし続けて逃避することを辞め、殺してきた全ての罪を受け入れて、ようやく前へと進んでゆくだろう──

初めの筋書きはこの程度であり、始まったばかりのこの段階では、まだ素顔のアイコンすら作っていないくらいのシンプルな脚本でした。
 
前述した通り、一次創作屋としてある程度決まったシナリオを前持ってサクッと作っておいたとも言え、ある程度の自己完結をしていたはずだったのですが…そこで嬉しい誤算があったのです。

他のPLのお子さんとの交流


まず脚本が突然崩壊する始まりの誤算は、初対面のある人に『家族のような愛』を与えられたことでした。
私達が住むような日常に触れることなく、半軟禁のような状態でカバーである探偵(彼女はめちゃくちゃ真面目だからそうだとしても本気でやっていた)をしていましたが、その役職を戴くまで、外の世界を絵本などといった間接的なものでしか望むことができず、一言でいえば致命的なまでに世間知らずだったのです。
 
絵本で幸せに過ごすような温かい家族…その関係を、幾ら咎人であるとはいえ何も知らない子までを手にかけることになった彼女は、その罪を知ってから前述のように苛まれ、誰かに愛されてはならない、幸せになるべきではない、この世は空虚なのだからと自身に言い聞かせることで目を逸らし続けてきました。

しかし、『それ』は唐突に彼女に与えられてしまいました。

誰かに恋焦がれられ、愛されて告白されたりするならばこのような揺らぎを生むことはなかったでしょうが…それはあまりにも彼女にとって致命的な傷であり、心の奥底から渇望するように求めていたもの。

これはファタリスにも、その背後である私にもとんでもない想定外。

今だから言えますが、その愛され方をこの不安定な状態で続けていればいつかキャラロストまで行きかねないくらいの良くも悪くもクリティカルなものだったのです。 

奥底で求めていても、目を逸らし続けて逃避し続けてきた弱い彼女はそれを与えられたことも受け入れられず、どれだけ深い傷を負っても痛みを覚えなくなった痛覚に対して何よりの苦痛となる、荒療治にも近い劇薬でした。

その交流相手が百戦錬磨の恐ろしい理解者であったが故に今こうして暗夜迷宮を走り抜けることができましたが、そうでなければ今日までファタリスが生きていなかったのではないでしょうか。

そして、そんな強者であったが故に、ファタリスはただ普通の人間を夢見るだけの半人半怪の『ひとでなし』ではなく、人間としての生を歩む『エヴァ』としての名をその師から戴き、運命に縛られることなく、目を逸らすことのない人としての幼年期を迎えることになりました──たった数週間の出来事とは思えないような、激動の瞬間と言えましょう。
 
その一瞬で、私が思い描く脚本は木っ端微塵に砕け散ってしまい、もはや行先がどうなるか出力装置である私すらもわからないようなことになってしまいました。
 
定期更新ゲームという場の『交流』の良さであり恐ろしさを、私が初めて痛感した瞬間です。
 
初めての友達、初めてお互いの内に秘めたるモノを明かした親友──如月学園の企画に入ったのも言うなれば思いつきからきたものですが、そこからも繋がる良縁に、また更なる縁。

そして、母親のように愛してくれる師を得たと思えば、今度はなんと本当に養子にもらってくれる人達が現れたり。

ほとんど全体チャットのような扱いをされていた休憩所の縁から、まさかファタリスが求めて止まなかった関係を手にするとは、と。
 
途中しくじる度に『私がPLでなければ』と後悔したり思い悩んでいる間に、私の愛娘は自身で努力し、前を向き続けて自分だけの縁を紡いでいったのです。
 
初めて行ったのもあり、色々なしくじりをしても迷惑がらずに交流を続けていただき、教授してくれた暗夜迷宮の民には常に助けられていたといえるでしょう。

その縁あってか、ファタリスに詰め込んだ裏設定──実験体のもう片方である怪異である『フェイタリス』、そしてその怪異の一族である『血族』。

設定したはいいけど死蔵するだろう、とタカを括っていたものをほとんど引き出すこととなり、またそれらを全て活かしてくれたファタリスの大切な十人以上もの人達の子達やPLさんには感謝しか言葉を表す事が出来ません。

フェイタリスの一件も本来は人間も怪異も誰も信じられなかったけど、訪れて決意を見せてくれた人達にファタリスを託して自身はまた微睡みに落ちるという筋書きだったはずなのですが…いつの間にかファタリスと共同で動くコンビのようになったりと。
 
受け入れるしかファタリスには出来ないと思っていたはずなのに、彼女は──出会ってきた人達に、いつの間にか救われていたのです。


討つべきボスとしてデザインしたフェイタリスのカットイン用。
自身達を苦しめた人間や怪異からファタリスを守るためにその身を奪い、身体ごと異界を表面化して全てを拒絶する揺り篭を構成した。


 
私の立ち回りはおそらく定期ゲームのプレイヤーとしては間違っているか、或いはかなりの異端なのかと思われますし、終幕を飾った後はしくじりの後悔の念で非常にへこんだりもしましたが、改めて思い返せばあまりにも有益であり、価値のある物語を紡げたと感じています。
 
自分の創作の子を溺愛する質である私からしても、ファタリス/エヴァという一人のキャラクターはたった4ヶ月程度の間に、数千文では全てを説明できないような膨大な歴史を築き、培ったのではないでしょうか。


期間中に作ったカットインやアイコンの数々(宇宙猫アイコンは貰い物、有難う御座いました…)
まさかこんな膨大になろうとは。

さいごに
 

暗夜迷宮でファタリスに関わってくれた皆様と深くまで交流できなかった子はたくさんおりましたが、それでも接してくれて、引いては『ファタリス』というキャラクターのラーニングによる成長を促してもらい、愛してくれて本当にありがとうございました。
 
一人の創作屋として、PLとして、それ以上にファタリスの親として、これほどまでの光栄はあり得ないでしょう。
 
今の名を杠葉尾ファタリス、或いはエヴァにフェイタリス。
そして、ifの世界を歩んだファタリスも『晴』という名を戴き、ある子の家族の一員となりました。

私の手で暗夜迷宮に送り出した子の一切が各々の幸福にたどり着き、私の手を離れた暗夜迷宮終了後もきっと、色んな世界を望んでゆくのでしょう。
 

と思ったらGMさんから暗夜迷宮二期のお話が出ました、そんなことある???????????


もしその時が訪れれば、きっとまた少女達の物語はもう一度紐解かれることになると思います。

なぜなら、次の私が綴る物語の主人公はある意味でファタリス達が苦しみ苛まれることになった、千年近く続く悪夢の元凶とも言える存在なのですから。
 
このnoteを見てくれた人にはお伝えしておきましょう、それの名は『フェルシア』、或いは『◾️◾️◾️』。
 
もしまたその機会がありましたら、フェルシアや私と遊んだら接していただけたらこれ以上ない幸せです。
 
では、ここまで読んでいただき有難うございました。

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