子宮頸がんのこと⑦ ~セカンドオピニオンへ~
セカンドオピニオンへ行く朝は、いつも会社に行く時間とさほど変わらない時間に家を出ました。
電車の乗り換えなんかに疎い私。
一緒に行ってくれていた彼が、あっちだこっちだ…と連れて歩いてくれたので、無事に着くことができて、ありがたかったです。
●セカンドオピニオンを受けた病院
時間に余裕を持って行ったので、時間まで、病院の待ち合い広場(心地の良いソファーがたくさん並んでいて、落ち着いた静かな場所)で、ゆっくり待つことに。
私がセカンドオピニオンに訪れたのは、「聖路加国際病院」。
病院の敷地内にある、比較的小さな建物の中にセカンドオピニオンのためのカウンセリングルームがありました。
その建物の中には小さな礼拝堂があったり、建物等は古いのでしょうが、暖かみのある装飾が施されていたり、と病院ではなく、どこかのお屋敷を訪れているようでした。
●いざ、セカンドオピニオンへ
私がセカンドオピニオンを受けたのは、以下の3つを確認したかったから。
♦私の検査結果に対しての診断
♦最適な治療方法
♦継続的治療が受けられるか否か
元々診断を受けた病院で出た検査結果と、先生に書いてもらったセカンドオピニオン用の診断書を提出して、改めて診断を受けます。
なので、この日のために、もう一度検査をしたりする必要はありません。
カウンセリングルームに先生が到着し、私が持参した検査結果と診断書に目を通したところで、セカンドオピニオンのはじまりです。
名前を呼ばれカウンセリングルームに入ると、先生から軽い自己紹介があり、ここまでの経緯と今日のセカンドオピニオンの目的を確認されました。
まずは、今回の病気、子宮頸がんについて、そして、検査結果が、高度異形成であること、手術の方法など、改めて細かく丁寧に説明してもらいました。
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【子宮頚がん】
今回の子宮頚がんという病気は、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因でなる病気。性交渉がある女性は、誰にでもかかりうるもので、ステップを経て進行する病気である。
また、ヒトパピローマウイルスには百種類以上あって、その中の一部が子宮頚がんを引き起こすといわれている。
【検査結果】
今回の検査の結果は、軽度異形成、中度異形成、高度異形成という段階で示され、軽度もしくは中度異形成であれば、がん化しそうな細胞が正常化するのを診ていくという経過観察となるが、高度異形成であれば、可能性的に細胞が、がん化することが高いと見なされ、切除する(取り除く)方法がとられる場合が多いこと。
【切除方法】
①レーザー蒸散術
レーザーを使って、がん化した細胞を焼き去ってしまう方法。
細胞を焼いて無くす方法なので、出血はほとんどなく、範囲も小さく済むことから、術中、術後の体への負担が少ない。
該当する箇所を取り出す方法ではなく、焼きつくしてしまう方法なので、術後、該当する箇所の精密な検査ができないというデメリットがある。
②円錐切除術
子宮頚部(子宮の入り口部分)を円錐形に切り取る手術。
がん化した細胞(もしくはがん化するであろう細胞)を切り取った後、精密検査にかけることで、どのぐらいの範囲で、どこに、どのくらいのがん化した細胞が存在しているか確認することが可能になり、最終的に正確な診断をすることができる。
全身麻酔(または部分麻酔)であり、術後縫合をしないため、術後の出血が懸念される。また、術後、妊娠を希望している場合は、妊娠は可能だが、早産の可能性が高くなる。
③光線力学療法
レーザー光に反応する薬剤を静脈注射した後に、レーザー光線を病変部に照射しがん細胞を壊すという治療法。
麻酔をする必要がなく、痛みや出血がない。また、がん細胞を選択して治療できるため、子宮頚部の形態や機能を温存できることから、術後、妊娠希望の方には最適。
ただ、日光過敏症と言って、太陽光などに当たると肌が敏感に反応したり、シミができやすくなったりすることから、静脈注射した薬剤が体の中から排出されるまでの2週間~20日ぐらいは、暗い部屋で過ごすなどの遮光環境が必要となり、外出控えなければならない。
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以上からして、今回の私の高度異形成の段階では、②番の円錐切除術が最適でしょう、とのことでした。
最後に、術後、継続的に診ていただけるかどうかについは、
「開業医であれば、ひとりの先生に見続けていただくということは可能かもしれませんが、大学病院や総合病院などの大きな病院では、どの病院でも先生が入れ替わることは良くあります。なので、ある程度大きな病院で手術をして経過観察をするのであれば、先生が変わっていくということは、避けられないかもしれませんね。でも、カルテ等を通してしっかり引き継ぎが行われるので心配することはないと思います。」
「それと、円錐切除術は、ある程度大きな病院であれば、普通に行われている手術であって、医師会などでもガイドラインが引かれているため、治療方法については、ある一定の規定があり、どの病院で、どの先生の手術を受けたとしても、さほど差が出ない手術方法になっていますので、後は、ご自身が心地良く治療が受けられそうな病院、先生を見つけられれば、大丈夫だと思います。」
とのご回答でした。
これを聞いた私は、彼と顔を見合わせて、
「じゃあ、今診てもらっている、お家の近くの病院でもいいかもね」
と、原点に戻るか・・・という感じになりました。
●セカンドオピニオンを受けて
セカンドオピニオンは、その名の通り、「第二の意見」をいただく、という機会でした。
通常、診ていただいている先生は、説明も丁寧だし、信頼はしているし、疑う気持ちも無かったし、診察の最中によく、「わからないことはありますか?」と言ってくださるので、不安なことはなかったのですが、診察中には、なかなか疑問が湧きにくいもので、いつも大丈夫です、と言っていた私。
でも、いつも、家に帰ると、「あれは、どうなのかな? これは、どうだったっけな?」と質問したいことがポツポツと浮かんでいました。
「分からないことがあれば、いつでもご質問ください」と言われているものの、電話して聞く程のことではないので・・・、と躊躇していると、なかなか疑問が整理しずらかったこともあったのです。
セカンドオピニオンを受けて良かったことは、
・自分なりに病気について、調べたり、経験者の話を聞ける時間があった
・行く前に、聞きたい質問事項をまとめておけた
・意見を問う場所として時間も十分にあり、小さな質問も遠慮なくできた
・先生の経歴などが事前にわかり、経験豊富な先生に意見を聞くことができた
などでしょうか。
セカンドオピニオンを受けて、最終的に
「やっぱり、今診ていただいている先生にお願いしよう!」
と素直に思えたことが、私にとって何よりの収穫だったように思います。
これで、迷いなく、手術の準備に取り掛かれそうです。
良かったぁ。
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