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「里山へおいでよ」もうひとつの夏物語

こんなに早く大江千里さんにお会いできるとは夢にも思いませんでした。
まずは体調が戻って良かった。
不安定な血圧だったり、ひどいめまいだったり、心配事も多かったけどそれも乗り越えた。
まるっと1日かけての外出は手術後初なので「長野に行くんだったら体力をつけなくちゃね」と、ストレッチをしなさいと夫が鬼と化した。

これ、最初は数秒もできなかった。

ヒーコラと顔をゆがめる私を見ながら夫は無情に笑う。
ドS夫め、しくしく。
退院してから自分を甘やかし過ぎていたのかもしれない。
がんばってストレッチ始めてから、体力がグングン戻ってきたようです。

当日、朝9時に自宅を出発。
空は鉛色。
移動の車内で「DIGGIN' THE SENRI OE」を聴いた。
長岡辺りから雨がフロントガラスに打ち付け始め、長野県に入る頃にはタイヤが激しく水しぶきをあげるほどの土砂降りになる。

会場に入る前に八方の湯へ行ってきた。
白馬岩岳マウンテンリゾートまで、車であと5~6分という所。
温泉の駐車場はほぼ満車状態で、さらに入り口付近にはタクシーが2台横付けされていた。
タクシーの後部座席から、登山客らが雨を避けるように建物内になだれ込むのが見える。
雨に打たれながらの登山は、さぞかし寒かっただろうね。
これは迷いなく室内のコンサートになるな、という雨の降り方だった。

山ガールのお話に聞き耳を立てつつ露天風呂に浸かる。
八方温泉は肌がスベスベになる良いお湯でしたよ。

山麓駅の駐車場に着くと緊張と不安が最高潮になり、なぜか帰りたい気持ちになった。
ずっとずっと恋い焦がれ、会いたかった大江千里さん。
コンサートに参加できるとという夢がすぐそこにぶら下がっているのに、私は見事に怯んでいた。

アマビエ様、私の夢を叶えてくれてありがとう。

車中でうだうだ言っていても仕方ないので、気持ちを奮い立たせて雨の中へ飛び出しました。

受付を済ませ傘を閉じ、ゴンドラ乗り場の階段を上がる途中「あのタクシー、Senri Oeじゃね?」って夫が振り返った。
ゴンドラ山麓駅に、黒っぽいジャンボタクシーが入ってきた。
いやいやまさかと思いつつ、ちょっと期待して待っていたけどやっぱりやめた。
今、ガン見するのは失礼じゃないか。
ガン見するのはコンサートの時にしようね♡
本当のところ、あのタクシーに誰が乗っていたのかは分からない。

スタートダッシュが激しく振れるゴンドラは、アトラクション的にスリリングでした。
内窓が白く曇っていたので「Senri Oe LOVE♡」って、溢れる想いを書いてきましたよ、ふふ。

ゴンドラに愛をいっぱいつめこんで。Senri Oe LOVE♡

山頂はガスがかかっていました。
さっき温泉で身を清めてきたのに、水たまりで足元が濡れそうです。
さっそく腹ごしらえ。
ランチはTHE CITY BAKERYと決めてました。

クロワッサンサンドをいただきながら30分ほど雨宿り。

NY発のお店なんだって。
白馬にいながら、目をつむればNYの風を感じることができました。
大江千里さんがピアノを弾く予定だったデッキの先端にも行ってみた。
晴れていれば、どれほど雄大な白馬三山が見えていたのだろう。

晴れていたらここが里山物語。

リベンジにまた訪れようと思った。
そして次に来た時は、白馬豚のクロワッサンサンドとクラムチャウダーを食べよう。
どこまでも食いしん坊な私。
16:00でcloseされるということで、白馬デリへと移動。

会場はすでにセッティングの真っ最中でした。
ちょっと疲れてきたのか手術痕が突っ張り始めてきたので、残り少ない座席に座らせてもらいました。
時々スタッフさんがピアノを試弾するのを聴きながらその時を待つ。
山麓での緊張と不安はすでになく、会場に来てみたらリラックスしてた。

夫と雑談していると、先ほどとは明らかに違う、ハッとするほど力強いピアノの音が聴こえてきた。
耳馴染みのある曲「YOU」だった。
ピアノを弾いていたのは、里山Tを着てミントグリーンのキャップを被った人だった。
夫は千里さんだと言うけど、私はそんなわけないと思った。
まさか千里さんご本人が開演前に、すでにファンが大勢集まった場に姿を現すとは思えなかった。
しかしその人は、次第に左右に体を揺らしノッてき始めた。
あれは大江千里さんだっ!

雨が降ってしまい雄大な山並みのステージではなくなってしまったけど、あの30分間のリハーサル風景のサプライズは嬉しかったです。

僕たちのリアルドラマティックストーリー。

大江千里さん、2年半ぶりのJAPANツアー「4つの夏物語」。
自宅から日帰り出来る距離で良かった。
連れて行ってくれる夫が休みの日で良かった。

夫は最初「コンサート会場へは入らない」と言っていた。
感染症が爆発的に発生している中、リスクを冒す行動はしたくないって。
職場には迷惑かけられないって。

「テラス席のコンサートなんだってさ」
「野外だったら俺も行く!」

いろんな好条件が重なり、二人で大江千里さんのコンサートを楽しめました。
千里さん、北信越エリアに来て下さってありがとうございます!
しかも、ゴンドラとか山とか温泉とか、私たちの大好きなお出かけスポット満載の白馬は楽しかったです。

【2021年は八海山ロープウェイ】

【2020年は弥彦山ロープウェイ】

そして、2022年は白馬岩岳マウンテンリゾート。
「里山においでよ」
そう千里さんが誘ってくれたような、すばらしい白馬旅行でした。


~2022.8.20~

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