大病を克服(まだ観察中)すると世界が輝きだす
一か月前に受けた血液検査を聞きに医院に行ってきた。
「最近体調は? 痛みとかずいぶん良くなったんじゃないですか?」
結果表を片手にいつもの笑顔で問いかけてくるエミコ先生。
いつもと違ったのは「良くなった」の一言が添えられていたこと。
だいたいは診察室の丸椅子に私が座ると「体調にお変わりないですか?」が先生の一言目。
うん、確かに日常生活で横になって休む時間が減った気がする。
三歩進んで二歩下がる生活を、コツコツと1年と3か月過ごしてきた。
エミコ先生にかかりつけ医になっていただいたのは何年前だろう。
おくすり手帳を見返したら、初めての診察が2010/03/26だった。
私は30代半から高脂血症で市の健康診断にひっかっかり「医療機関を受診してください」と指導されていたものの、いざ医院で受診しても薬を1~2週間分処方され「様子を見てください」で、それ以上どうしたらよいのか分からなかった。
健康診断の結果が届くたび医院を渡り歩く数年間。
エミコ先生は他の医師とは違った。
「薬がなくなったらまた来てくださいね」
次の道筋を付けてくれる唯一の先生だった。
ガンの切除術をして数か月後、高血圧症と腎機能の低下が認められた。
手術を受けた大学病院の先生は「数か月も経ってますから手術の影響とは言えません。かかりつけ医に相談してください」と投げられた。
小さな症状の患者さんを受け入れていたら、本来の大学病院の機能がパンクしてしまう。
それは理解する。
かかりつけ医のエミコ先生に診ていただいたら「うーん」と眉間にしわを寄せ「手術の影響もあるんじゃないかしら」とおっしゃる。
一日二回、朝と晩に血圧を測るようにと指示を受け「また一週間後に血圧手帳見せてもらって薬の調整をしましょう」と、また道筋を付けてくれた。
エミコ先生は話をよく聞いて下さる。
一人ひとりに時間をかけるので、医院は空いているようでも待ち時間はそれなりにある。
診察時に先生と私が二人同時に口を開いたとて、一瞬の沈黙時間を経て私が話し出すのを先生はじっと待ってくれる。
話を遮らず、患者の言葉を拾ってくれる先生だ。
***
私は結構な種類の薬を服用している。
50代の人はいかほど服用しているか分からないけれど(夫は薬ゼロ)、その数に年齢を突き付けられる感じでなんだか気持ち良くない。
この度の血圧手帳と血液検査の結果を見て「薬を減らしてみましょう」と先生がおっしゃった。
・夕食後の降圧剤
気候が暖かくなると人の血圧は下がる傾向にあるそうなので、まずはそこから。
夕方の服用を止めると朝の血圧が上がるかもしれない。
上が140mmHg前後なら大丈夫。
150mmHgが続くようなら服用再開。
・コレステロール値を下げる薬
今服用しているのがなくなったら、もう少し弱いのに変えます。
・鉄剤
生理があるので続けるが、閉経したら服用しなくてもよい。
備忘録
***
「体が動かせるようになるといろいろと良くなりますよ」と、エミコ先生がそう付け加えた。
私自身、積極的に外に遊びに行きたいとはまだ思えない。
日用品の買い物も腰が重い。
でも実際仕事を再開したら、人と関わることが楽しくて仕方がない。
シャワーを浴びてお化粧して、ジャージではない服に着替え出勤する。
今までの自宅療養が嘘だった気さえする。
仕事終わりに夕食も作れるからたいしたもんだ(自画自賛)。
去年2022年は本当に奇妙な年だった。
でもこれは、私の人生で避けることができない、むしろこれからどう過ごしていくのか考えるために必要な年だったのだと思う。
年老いて死ぬ時、たくさんの後悔をしない様に。
感謝の気持ちを込めて。
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