父と片手鍋のラムスデン現象
私は子どもの頃、父が作ってくれるコーヒー牛乳が好きだった。
焦げ目のついたアルミの片手鍋に牛乳を注ぎ、風味付け程度のインスタントコーヒーとザラメをザクザク入れていく。
いつも吹きこぼれる手前まで煮立たせてしまい、慌ててガスコンロを切る父。
ふわふわに吹いた牛乳が冷めると、表面には薄い膜が張っていた。
膜が張るその現象を「ラムスデン現象」と言うんですって。
コップをフーフーすると、白い膜はゆらゆら波打つ。
熱々のコーヒー牛乳をすすると、くちびるに膜が張りつくのでペロリと舐め