週刊ナゴマ #5

散歩をしていると特徴的な花が咲いているのを見つけた

花はかなり明るい白色で、綺麗な六芒星の形をしているのが可愛い 葉はかなり細い ひとつひとつは頼りなさそうな見てくれではあるが、ものすごい数が群がって生えているため妙な凄みを感じる

調べたら「ハナニラ」という植物の一種らしく、「ニラ」の名の通りそういう系統の野菜と同じ匂いがするらしい 葉もそんな感じの形なので同系統の植物、と聞くと納得はするのだが、スタミナ料理に使われるニラの名がこの綺麗な星形の植物についているのはやや意外かもしれない

英語名は「springstar」らしい これは完全に見た目からついた名前であろう 道端でふとこの花に出くわした際の印象をよく説明しているのはこちらの名前である 植物のどの点に着目するかという違いではあるが、英語と日本語でかなり印象が異なるな

調べたら何もしなくても勝手に増えるタイプらしい 街路樹の根っこに生えてるものなんてだいたいそうか タフだった

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四月は出会いの季節……というと仰々しいが、まあ入学やらなんやらで色々と生活に新しいものが足されていく時期である 僕自身も大学院に入学ということで新たな門出であるらしい ほとんどが学部からそのまま進学するような大学なので身の振り方に変化はないが

研究室に新入生が来た 研究室がいくつかあって、その中で新入生の希望に沿って所属が分配されるわけである 弊ラボは最大数の5人が新たに配属され活気付いている

新しい人が来たということは、新しく人を覚えないといけない 一大事である

僕は人の顔を覚えるのが極端に苦手であり、例えば家族の顔を今この瞬間に思い出すことができない 髪や服装などはぼんやりイメージできるが、顔付きを思い出そうとするとその部分がドロドロと流れて行きいつまでも定まらない感覚になる 表情を認識できないわけではないので「顔に関してだけ著しく記憶力が低い」と表現するのが適切か

そんな僕のもとに5人の新人がやってきたわけである 極端に派手な髪型とか服装とかであれば流石にすぐ覚えるが、どうやらそういう感じでもない 文字情報の記憶に支障はないので苗字はすぐに覚えたが、現物と対応しない

実は「顔を覚えられない」ことで日常生活に支障が出ることはほとんどない 大抵の人は「そこにいることが分かっている」から消去法で認識できるし、声を聞けばわかる人も多い 待ち合わせの時は向こうから声をかけてもらうのを待つが

しかし今回は後輩である 僕が教育をする立場であるから、迅速に判断できないと支障が生じる場面もあるだろう なかなか厳しい道のりにはなりそうだ 名札の義務化するか

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しゃぶしゃぶの食べ放題というものに行った

僕は少食である 厳密に言うと「少食キャラ」である 摂食障害のようなものがあるわけでもなくご飯のおかわりも普通にでき、食べ物を残すのが嫌いで飲み会では残飯処理に奔走することもあるので「少食」と表現するのは間違いであろうが、周囲にいる人間が「食べ盛りの男子大学生」であるのと腹八分目で満足してしまうタイプであるせいで、現状のコミュニティでは少食の枠に収まっている ラーメン二郎の麺少なめを食べきれるなら少食ではなかろうが、周囲がラーメン二郎の大盛りを平気で平らげる人間ばかりなら少食扱いされるのは自然、というような感じ そんなやつがよく食べる知人と一緒にしゃぶしゃぶの食べ放題に行ったのである

着いて早々牛肉を8人前頼んで鍋に突っ込まれた 3人しかいないのに 圧巻である 品性など考える隙も与えない 僕がチマチマと数枚食べている間に肉の塊(しゃぶしゃぶだからスライスであるはずなのに)をガサゴソ処理していく そして次の注文をする 僕が取ってこないと誰も野菜を見ない これが90分続く

なんか寿司とカレーとデザートとドリンクも食べ放題だったので僕はそちらをちょっと(おおよそ0.4人前程度)ずつ食べていたのだが、彼らは何人前食べていたのだろうか 積みあがった肉のトレイは高かった

自分が一人で食べ放題に来たとしたら? まず牛肉と鶏肉を1人前ずつ頼んで鶏肉を鍋に沈める そして牛肉を一枚ずつ取って湯の中でゆらゆら揺らしてから食べる これで終わりそうな気がする この日は肉が無限に供給される鍋が前にあったからついつい箸が進んでいたが、リモコンを自分が握るならわざわざ追加注文をする勇気が出ないと思う

これはドリンクバーの横に置いてあったワッフルメーカーで作ったワッフル
添えて飲んだエスプレッソが一番美味かった こういうのでいいよ

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夜桜

桜の色は思っているよりも白い 白いがゆえに淡く見えるピンクが印象に残るのかもしれない

こいつ花ばっかり見てるな でも好きなんですよね

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